2009年1月20日火曜日

清里の新名物「凍るシャボン玉」…山梨・北杜


               


マイナス4度で凍り付くシャボン玉(名取さん提供)


              



凍るシャボン玉を実演する名取さん(名取さん提供)

 清里の新名物「凍るシャボン玉」…山梨・北杜
 山梨県北杜市高根町清里の観光施設「萌木の村」にあるオルゴール博物館「ホール・オブ・ホールズ」で、冬の呼び物として「凍るシャボン玉」が登場し、人気を集めている。
  もともとは清里より寒い土地柄でないと凍らないシャボン玉を、同館マネジャーの名取淳一さん(43)が独学で工夫して凍るようにした。
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 「凍るシャボン玉」は、今月10日から、毎週土曜夜に行われるオルゴールコンサート終了後の午後9時過ぎから名取さんが実演し、体験もできる。
 シャボン玉は吹いているそばから凍り始め、丸くなった途端に、透明のセロハンをパラパラと振りまいたように音もなく散っていく。美しい様子に子どもはもちろん、大人も童心に帰ったようにはしゃいでいる。
 思いついたのは4年前の夏。清里高原で家族連れがシャボン玉で遊び、中年くらいの親も、心の底から楽しそうにしていた。観光客がめっきり減る冬場の集客アイデアを思案していた頃だった。「あれを凍らせたら冬でも楽しめるな」と、インターネットで調べ始めた。

 シャボン玉の基本成分であるせっけん水は通常、マイナス15度以下にならないと凍り付かないが、小麦粉などを混ぜればマイナス10度程度でも凍る ことなどが分かってきた。だが、清里では近年の暖冬の影響もあり、そこまで冷え込む日は少ない。「もっと高い温度で凍らせる方法はないか」と、粘着力を増 すための砂糖やコショウ、片栗粉など手に入るものを手当たり次第に混ぜ合わせ、試した。
 1年近く研究を続けた末、水とハチミツ、そして周辺の山林に植生するシラカバの木の樹液を混ぜ合わせた液にたどりついた。これを一定の割合で配合するとマイナス4度で凍りつくことが分かった。

 完成した2006年冬から、萌木の村の宿泊客や県内の子育て支援団体のクリスマスイベントなどで実演したところ大好評で、この冬から観光客に披露することにした。
 凍るシャボン玉のイベントは2月28日まで。名取さんは「うまく凍らなかったり、すぐ割れてしまったりと、はかない命。自然と遊ぶ、寒い季節ならではの楽しみがあることを知ってほしい」と話している。問い合わせは同館((電)0551・48・3535)へ。(2009年1月20日04時41分 読売新聞)

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