2020年1月15日水曜日

隕石の中から50億年前の物質


隕石の中から50億年前の物質、地球上で見つかった固体で最古
(CNN) 50年前にオーストラリアに落下した隕石(いんせき)を調べていた米国の研究チームが、隕石の中から50億年~70億年前の宇宙で形成された物質を発見したと発表した。地球上で見つかった固体の中では最古の物質になるとしている。
太陽が誕生したのは46億年前とされ、今回見つかった物質は太陽や太陽系よりも古くから存在していたと推定される。こうした物質はプレソーラー粒子と呼ばれる。

隕石はスターダストなどの物質を閉じ込めるタイムカプセルの役割を果たすことがある。地球に落下した隕石のうち、プレソーラー粒子が含まれるのはわずか5%にとどまる。
この研究結果は米シカゴのフィールド博物館が、13日の米科学アカデミー紀要に発表した。
同博物館学芸員のフィリッピ・ヘック氏は今回見つかった物質について、「銀河系の星々がどのように形成されたのかを物語る」と解説する。
*プレソーラー粒子の拡大像。大きさは約8マイクロメートルだった/Courtesy Janaína N. Ávila

隕石は1969年に採集されたもので、研究チームはこの隕石からプレソーラー粒子を分離することに成功した。粒子の大きさはおよそ8マイクロメートルと極小で、年代は46億年~49億年前のものが多数を占め、一部は55億年以上前のものだった。

「我々の仮説では、こうした46億年~49億年前のプレソーラー粒子の大部分は、恒星の誕生が盛んだった時期に形成された。太陽系の創生前に、普通よりも多くの恒星が誕生した時代があった」(ヘック氏)
専門家の間では、銀河系の恒星は一定の間隔で形成されたという説と、形成が多い時期と少ない時期があったという説がある。しかしヘック氏は、「隕石からの試料によって、私たちの銀河系で70億年前に恒星が盛んに形成された時期があったことを直接的に裏付ける証拠を手にした」としている。2020.01.14 Tue posted at 12:05 JST

2020年1月8日水曜日

世界に広がるヨガ、記憶や集中力にも効果?


世界に広がるヨガ、記憶や集中力にも効果?
ヨガはなぜ世界的に受け入れられているのか
*米国コロラド州デンバー郊外のレッドロックス野外劇場で開催された「ヨガ・オン・ザ・ロック」。2100人が参加した。米国では、ストレス解消と健康増進の方法としてヨガの人気が高まっている。PHOTOGRAPH BY ANDY RICHTER
この記事は雑誌ナショナル ジオグラフィック日本版20201月号の特集から抜粋したものです。

 インドで精神修養法として発祥したヨガは、今や世界中に広まっている。米国では、健康維持法の一つとして奨励され、悟りを開いたり、さまざまな病気を治療したりする方法としても注目されている。
 ヨガの健康効果を証明するのは難しい。大半の研究は被験者が少な過ぎて結論を出せない。政府や製薬会社などの業界による助成がないことが大きな理由だ。
 米ハーバード大学の神経科学者で、ヨガの講師も務めるサト・ビル・シン・ハルサは、ヨガの効果の解明はまだ道半ばと認める。「それでも、信頼性を実証してきたといえると思います」。ハルサは不眠症やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、不安障害、慢性ストレスに対するヨガの影響を研究し、なかでも慢性ストレスに効く有力な証拠を見つけている。

科学で見えてきたヨガの効果
 ハルサは1971年にヨガに取り組み始めた。最近では、エピジェネティクス(後天的な遺伝子の働きの変化)や、ニューロイメージング(脳機能の画像化)の研究によって身体と脳の相互作用の解明が進み、ヨガの効果も明らかになりつつあると、熱い口調で語ってくれた。つまり、ヨガのもつ力は実践者の単なる思い込みではないということだ。
 ノルウェーで行われた調査では、10人の被験者の血液を、ヨガを2時間行う前と後に採取して分析した。すると、ヨガの後では体内を循環する免疫細胞内の遺伝子が著しく活性化していることがわかった。また、乳がんを克服した患者を研究する米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のチームは、多くの疾患の原因とみられる炎症を引き起こす遺伝子の発現をヨガが抑制することを突きとめている。

 また米国立衛生研究所によると、脳の灰白質は通常、加齢とともに減少するが、長年ヨガを実践してきた人々は年齢の割には進行していないという。さらに、ヨガの実践者は、記憶や感情の抑制をつかさどる海馬や、集中力や自己認識機能に関わる部位など、いくつもの脳の領域が一般的な人よりも発達している。
 ヨガの効果はこれらの研究によって科学的に裏付けられてはいるが、古代の精神修養法であるヨガが現代のせわしないストレス社会で人気なのは、そうした理由からではない。「ヨガは人々を根本から幸せにして、現代社会を生きる力をくれます」と、ハルサは言う。 2020.01.04 ナショジオ

2020年1月7日火曜日

「宇宙人は存在する、地球にいる可能性も」


「宇宙人は存在する、地球にいる可能性も」 英国初の宇宙飛行士が断言
*英国初の宇宙飛行士のひとり、ヘレン・シャーマン氏。英紙のインタビューに「宇宙人は存在する」と断言した/Jack Taylor/Getty Images Europe/Getty Images
(CNN) 宇宙人は間違いなく存在する。地球上で人類に紛れ込んでいるかもしれない――。英国初の宇宙飛行士の1人だったヘレン・シャーマン氏が、英日曜紙オブザーバーのインタビューの中で、そんな見解を明らかにした。
シャーマン氏は1991年、当時のソ連の宇宙ステーション「ミール」を訪問した元宇宙飛行士。5日のオブザーバー紙のインタビューの中で、「宇宙人は存在する。それは間違いない」と断言した。

「宇宙には何十億という星が存在している。従って形態の違うあらゆる種類の生命が存在するはずだ」「あなたや私のように炭素と窒素でできているかもしれないし、そうではないかもしれない」。シャーマン氏はそう語り、「もしかしたら彼らは今、まさにここにいて、私たちには見えないだけかもしれない」と言い添えた。
化学者のシャーマン氏は、英国人として初めて宇宙へ飛行した7人のうちの1人だった。当時の年齢は27歳。最年少級の宇宙飛行士として、宇宙に8日間滞在した。

オブザーバーのインタビューでは、「英国初の女性宇宙飛行士」と形容されることに苛立ちを感じるとも打ち明け、「実際のところ、私は初の英国人(宇宙飛行士)だった。(女性という形容は、)そうでなければ男性と想定されてしまうことを物語る」と指摘している。
宇宙人の存在を信じているのはシャーマン氏にとどまらない。米国防総省が極秘で行っていた未確認飛行物体(UFO)調査プロジェクトにかかわった元高官は2017年、宇宙人が地球に到達した証拠はあると確信すると語っていた。2020.01.07 Tue posted at 10:21 JST