2013年10月28日月曜日

宇宙で最も低温の天体「ブーメラン星雲」


宇宙で最も低温の天体「ブーメラン星雲」:真の姿が明らかに
 宇宙で最も低温の天体として知られるブーメラン星雲。これまで砂時計のような形状が観測されていたが、最新の望遠鏡「ALMA」によって、その真の姿が明らかになった。
今回明らかになったブーメラン星雲の姿(赤色)。背景にある紫色の構造は、以前にハッブル宇宙望遠鏡でも確認されていた形。
ブーメラン星雲は、宇宙で最も低温の天体とされる。その謎を解き明かす情報を得ようと、最新式の望遠鏡がこの星雲に向けられた

 ブーメラン星雲は、ケンタウルス座の方向、地球から約5,000光年の距離に位置する。これまでに、地上望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡による観測が行われてきたが、今回はそれらに続き、ブーメラン星雲の正確な形状と、その極めて低い温度について調査が行われた。
 ブーメラン星雲が特別なのは、温度がわずか1ケルビン(摂氏マイナス約272度)と、これまで知られている限り、宇宙で最も低温の天体である点 だ。これに対し、星間空間の背景温度は、ビッグバンのかすかな残光により、2.8ケルビン(摂氏マイナス270度)で一定している。
 今回の観測には、「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」(ALMA)が用いられた。(ALMAはチリの標高5,000mにあるアタカマ砂漠に建設された開口合成型電波望遠鏡で、2013年10月に全機が稼働開始した。日本製のアンテナが使われている(日本語版記事))
 ブーメラン星雲は、恒星系が惑星状星雲の段階に移行しつつある、「原始惑星状星雲」だと考えられている。年をとった赤色巨星が、その寿命の終わりに、外殻をイオン化したガスとして周囲に放出している天体だ。
 過去の観測において、ブーメラン星雲は非対称の形状、または砂時計のような形状としてとらえられていた。しかし今回の観測によって、この砂時計のような形状は、星雲の真の姿を隠していたことが明らかになった。

  ブーメラン星雲は、微小な塵の粒子でできた濃い雲に覆われているが、今回は星雲内の一酸化炭素の分布をミリ波等によって観測することで、その雲の内部を見 通すことに成功した。塵の雲は中心にある白色矮星にかぶさっており、そこから中心星の光が、互いに逆方向へ細く漏れ出ており、砂時計のような形に見えてい るという。
 ※ブーメラン星雲が低温なのは、星雲の中心部から164km/sという超高速の「風」が吹いており、それが宇宙空間に拡散し、膨張する際に温度が下がるせいだと考えられている。2013.10.28 17:30 産経ニュース

化石の神経網光らせ特定


化石の神経網光らせ特定 5億年前の節足動物、海洋機構など成功
アラルコメネウスの化石の頭部分。白く光っている場所が神経(ニコラス・ストラウスフェルド米アリゾナ大教授提供)
 約5億2千万年前のカンブリア紀前期の海にいた動物の化石で、神経のネットワークを光らせて示すことに海洋研究開発機構や米アリゾナ大などのチームが成功し、英科学誌ネイチャーに発表した。
 動物は節足動物の仲間の「アラルコメネウス」。神経網構造の特徴から現在のサソリやクモ、カブトガニといった鋏角類の祖先だと分かった。
 動物が生きていたときに神経があった部分には、化石になってからも鉄などの金属が沈着していることに注目。エックス線でこれらの金属を光らせながら、化石内部を撮影できるコンピューター断層撮影(CT)を組み合わせた。
  頭の先端に幅0・7ミリの目が4個あり、ここから前大脳と呼ばれる器官に視神経が伸びる。この間にあるこぶ状の神経細胞の塊が、サソリなどと同じでアラル コメネウスは2つあった。前脳が食道の上に位置する点も共通していた。化石は中国雲南省で発見。長さ約3センチで、海の中を泳いだり、海底をはったりして いたとみられる。2013.10.28 09:00 産経ニュース

2013年10月24日木曜日

最も古い銀河発見


最も古い銀河発見、131億年前と米チーム 「宇宙の進化知る手掛かりに」

テキサス大チームが見つけた131億年前の最も古い銀河の想像図(テキサス大提供)

 宇宙誕生のビッグバンから7億年後、今から131億年前の最も古い銀河を見つけたと、米テキサス大の研究チームが英科学誌ネイチャーに23日発表した。

 この銀河の中心部では、天の川銀河の150倍もの猛烈なペースで星が生まれていた。チームの研究者は「この時期にこれほど活発な銀河があったとは驚きだ。宇宙の進化過程を知るための重要な手掛かりになる」としている。

 テキサス大チームによると、NASAが2011年にハッブル宇宙望遠鏡で132億年前の銀河を見つけたと発表したが、その後の分析でより新しい時期との結果も出て疑問が示されている。
 チームは、ハッブルで見つけた43個の初期銀河が出す光を、ハワイ・ケック望遠鏡の最新鋭の分光装置で精密に解析。そのうちの一つでNASAが発表したのとは別の銀河が地球から最も遠く、これまで観測されたうちで最古だと結論付けた。(共同)2013.10.24 11:17 産経ニュース

2013年10月21日月曜日

晩秋の北大構内




kindly sent from Matsuura Kanjiro

2013年10月11日金曜日

80光年先に孤独に浮かぶ浮遊惑星を発見


80光年先に孤独に浮かぶ浮遊惑星を発見
(CNN) 地球からわずか80光年の距離に、宇宙を孤独に漂う「浮遊惑星」が発見された。
 この浮遊惑星は「PSO J318.5-22」と名付けられ、惑星の周りを公転するのではなく孤独に浮かんでいる。誕生してまだ1200万年と幼く、若い恒星の周りを回る巨大ガス惑星と似た性質をもっているという。

この浮遊惑星を発見した国際研究チームを率いるハワイ大学マノア校天文研究所のマイケル・リュー氏は、「こんなふうに宇宙を自由に漂っているものは初めて見た」と述べる。
「他の恒星の周囲を回っている若い惑星とまったく同じ性質を備えているが、この星は軌道をそれてひとり漂っている」とリュー氏は語る。
この10年間に多数の太陽系外の惑星が発見されたが、その多くは主星のふらつきや減光を手がかりに間接的に観測されたもので、直接撮像で観測できるものは少ない。

共同研究を行ったマックス・プランク天文学研究所(ドイツ)のニール・ディーコン氏は、「通常、直接撮像で発見された惑星の観測は非常に難しい。と いうのも、はるかに明るい主星のすぐ近くにいるからだ。しかし、PSO J318.5-22は恒星の周りを回っていないため、研究ははるかに容易だろう」 と述べる。
この惑星の質量は木星のたった6倍。褐色わい星と呼ばれる天体を探していて見つかった。通常の褐色わい星よりも赤い光を発していたため、別の望遠鏡を使って赤外線で観測したところ、惑星であることが明らかになったという。
 ディーコン氏は、「誕生間もない時期の木星型のガス巨大惑星の内部の働きについて、すばらしい知見が得られるはずだ」と述べた。2013.10.11 Fri posted at 16:26 JST CNN

2013年10月9日水曜日

米国の3氏にノーベル化学賞


米国の3氏にノーベル化学賞 化学反応の計算モデル開発 
ノーベル化学賞に決まったマーティン・カープラス氏(左)、マイケル・レビット氏(中)、アーリー・ウォーシェル氏(ロイター=共同)

 【ストックホルム共同】スウェーデンの王立科学アカデミーは9日、2013年のノーベル化学賞を、化学反応をコンピューターで計算する方法を開発したマーティン・カープラス米ハーバード大名誉教授(83)ら3人に授与すると発表した。
 授賞理由は「複雑な化学反応のコンピューターモデルの開発」。3人の成果は、薬が効く仕組みを調べるのに使え、新薬の開発に応用され役立っている。
 他の2人はマイケル・レビット米スタンフォード大教授(66)と、アーリー・ウォーシェル米南カリフォルニア大特別教授(72)。2013年10月9日 21時05分 東京新聞

2013年10月8日火曜日

ヒッグス氏らにノーベル物理学賞


ヒッグス氏らにノーベル物理学賞 「ヒッグス粒子」の存在予言
ピータ・ヒッグス氏(右)とフランソワ・エングレール氏(AP)
 スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2013年のノーベル物理学賞を、物質に質量をもたらす「ヒッグス粒子」の存在を理論的に予言した英エ ディンバラ大名誉教授のピーター・ヒッグス氏(84)と、ブリュッセル自由大名誉教授のフランソワ・エングレール氏(80)に授与すると発表した。素粒子 物理学の大きな謎を解明した功績が評価された。
 ヒッグス粒子は全部で17種類ある素粒子のうち唯一、未発見だった最後の粒子。1964年、ヒッグス氏はこの粒子の存在を予言し、エングレール氏は物質に質量が生じる仕組みを説明する理論を発表。極微の世界の基本法則である素粒子の標準理論を完成に導いた。
  スイス・ジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究所(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使った国際チームの実験で昨年7月、ヒッグス粒子 とみられる新粒子が見つかり、今年3月に発見が確定。わずか半年後の異例のスピード受賞は、科学史に残る大発見を裏付けるものとなった。
 ヒッグス粒子の性質を詳しく解明すれば、現在の標準理論を超える新たな物理学が生まれ、物質や宇宙誕生の理解が飛躍的に進むと期待されている。
 LHCは各国から計数千人の研究者が参加した巨大プロジェクトで、日本も東大チームなどがデータ解析や装置建設で貢献した。
 授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計800万スウェーデンクローナ(約1億2200万円)が贈られる。2013.10.8 20:02 産経ニュース

2013年10月7日月曜日

Nobel medical prize goes to 2 Americans, 1 German


Nobel medical prize goes to 2 Americans, 1 German

By David Simpson, CNN

 
The Nobel Prize in physiology or medicine starts a week of announcements in Stockholm, Sweden.

STORY HIGHLIGHTS

Scientists solved a mystery of how cells deliver molecules

All three work at American universities

Prize announcements continue with physics Tuesday

Each prize, endowed by Alfred Nobel in 1895, comes with $1.2 million


(CNN) -- Two Americans and a German shared the Nobel Prize in physiology or medicine this year.

Americans James E. Rothman and Randy W. Schekman, and German Thomas C. Sudhof were awarded the prize Monday for discoveries of how the body's cells decide when and where to deliver the molecules they produce.

The Nobel Assembly said the three "have solved the mystery of how the cell organizes its transport system."

Their work focuses on tiny bubbles inside cells called vesicles, which move hormones and other molecules within cells and sometimes outside them, such as when insulin is released into the bloodstream. 
 
Winners of the 2013 Medicine Nobel Prize


Disruptions of this delivery system contribute to diabetes, neurological diseases and immunological disorders.


Rothman, a professor at Yale University, detailed how protein machinery allows vesicles in cells to fuse with their targets to permit the transfer of molecular cargo.


Schekman, a professor at the University of California, Berkeley, was honored for discovering a set of genes required for the "vesicle traffic."


Sudhof, a professor at Stanford University, showed how vesicles are instructed precisely when to release molecules.

Schekman and Sudhof also are investigators at Howard Hughes Medical Institute.

Monday's ceremony at the Karolinska Institute in Stockholm, Sweden, will be followed by the announcement of the physics prize Tuesday, the chemistry prize Wednesday and the economics prize on October 14.


The Nobel Peace Prize will be awarded in Oslo, Norway, on Friday. The prize for literature will be awarded on a date to be announced later. Each prize comes with 8 million Swedish kronor ($1.2 million).

Swedish industrialist Alfred Nobel created the prizes in 1895 to honor work in physics, chemistry, literature and peace. The first economics prize was awarded in 1969.

In 2012, the medical Nobel Prize was awarded to Sir John B. Gurdon of England and Shinya Yamanaka of Japan for work on reprogramming cells. Their work paved the way for treatment breakthroughs.  October 7, 2013 -- Updated 1040 GMT (1840 HKT and JST) CNN

人工細胞を作製


人工細胞を作製 子孫残しやすく進化 大阪大チームが英科学誌に発表
 天然の細胞と同じように遺伝子を複製し、子孫を残しやすいように遺伝子が変化する人工細胞を大阪大のチームが作製し、英科学誌に発表した。変化を直接観察できるため、生命の初期進化解明の手掛かりになると期待される。

 チームが使ったのはウイルスの遺伝情報、リボ核酸(RNA)を複製する酵素を作る遺伝子。酵素の材料のアミノ酸など約100種類の物質を含んだ水溶液と鉱物油を混ぜ、鉱物油中に水滴でできた直径約2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の人工細胞を作った。
  人工細胞の中では、RNAを基に酵素が作られ、酵素はRNAを複製するというウイルスに感染した天然の細胞内と同じ反応が継続。分裂した細胞内に残った RNAに、38カ所の突然変異が起きた。この変異は子孫を残しやすくするもので、子孫のRNAを増やす能力も、元のRNAより約30倍上がっていた。2013.10.4 22:55 産経ニュース

2013年10月3日木曜日

火星のクレーター、数十億年前の巨大火山噴火跡


火星のクレーター、数十億年前の巨大火山噴火跡 隕石説退ける
火星の巨大火山が噴火してできたカルデラ地形「エデン」の立体地形図(欧州宇宙機関提供)
 隕石が衝突した跡との説があった火星のクレーターが、数十億年前に巨大な火山が爆発的に噴火してできたカルデラ地形と分かったと、英国の自然史博物館と米航空宇宙局(NASA)のチームが英科学誌ネイチャーに2日発表した。
 この火山は容積が数千立方キロという大量の噴出物を大気中にまきちらして崩壊し、「エデン」と呼ばれる幅55~85キロの盆地になった。無人探査車「キュリオシティー」が赤道近くで分析した細かい砂状の岩石も、この時の名残らしい。

 チームは太古の火星では火山活動が活発に起きていた可能性を指摘。赤い惑星の成り立ちを知る重要な手掛かりになりそうだ。
  チームは火星の北半球にあってクレーターが点在するアラビア大陸と呼ばれる領域に着目。米欧の探査機が軌道上から観測した地形データを分析し、エデンの周 囲に隕石衝突に伴う破片などの特徴が見られないのを確かめた。一方で噴出口や溶岩湖の痕跡などが見つかり火山の噴火によるものと結論付けた。(共同)2013.10.3 11:27 産経ニュース

水素を常温で「液化」


水素を常温で「液化」、大量水素社会へつながるか
水素を再生可能エネルギーの媒体にできないか。課題の1つが、水素の貯蔵、輸送だ。ガスのままでは扱いにくい。液体にできないか。千代田化工建設はトルエンに水素を添加し、取り出す技術を確立し、実証実験プラントで商業ベースの運転が可能なことを示した。[畑陽一郎,スマートジャパン]  
再生可能エネルギーを電力以外の形に変えて貯蔵し、必要に応じて輸送する。これを低コストで大規模化できれば、化石燃料を中心としたエネルギーシステムを変えていくきっかけとなるはずだ。
  電力以外の形として期待が掛かるのが水素だ。電力を水素に変える、水素から電力を取り出す、このような技術の開発は進んでいる。効率も高い。課題があるのが水素の貯蔵と輸送だ。少量であれば問題はないが、大量貯蔵、大量輸送となると難しくなってくる。
 水素は常温ではガスであり、ガスのままでは体積が大き過ぎる。体積当たりのエネルギーはメタン(CH4)を主成分とする天然ガスの3分の1だ。

 液化すればどうだろうか。石油を分解して取り出したブタン(C4H10)やプロパン(C3H8)は常温であっても圧力をかければ液化する。いわゆるLPG(Liquefied Petroleum Gas、液化石油ガス)だ。ブタンはカセットガスボンベとして販売されており、なじみ深い。
 しかし、水素は違う。いくら圧力をかけても常温では液化せず、-253℃という極低温が必要だ。これでは大量貯蔵、大量輸送は無理だ。
トルエンを使って水素を「液化」する

 そこで考え出されたのが、水素を別の物質に加えて、必要に応じて取り出す手法だ。水素吸蔵合金やハイドライドへの貯蔵がある。ハイドライド法には 無機物、つまりカルシウムやマグネシウムなどの金属に加える方法の他、有機物に加える方法もある。有機物を使った有機ハイドライド法は、重量当たりの水素 密度で見ると水素吸蔵合金よりも良いが、無機ハイドライドよりも低い位置にある。体積当たりの水素密度では他の手法よりもいくぶん劣る。しかし、大量貯蔵、大量輸送を前提にすると、密度に劣ることよりも液体として貯蔵、輸送できることが重要だ。信頼性・安全性も高くできることから有望視されてきた。

 有機ハイドライドの課題は反応が遅いことだ。有機物に水素を加える反応はよいものの、有機物から水素を取り出す反応が遅い。ここに革新を加えたのが千代田化工建設だ。2004年に白金ナノ粒子を使った脱水素触媒を開発した。これは世界初の実績だという。次は大規模化だ。
 2013年には同社の子安オフィス・リサーチパーク(横浜市神奈川区)に有機ケミカルハイドライド法による「大規模水素貯蔵・輸送システム」実証 実験用のプラントを建設、2013年5月末には、実証実験に成功したと発表した。水素の大量輸送や長期貯蔵が商業ベースで可能だと主張する。

 同社が使ったのは「トルエン(C7H8)」と「メチルシクロヘキサン(MCH、C7H14)」だ。図2の中央に描いたトルエン1分子に水素3分子を加えると、発熱しながら図1の左にあるMCHに変化する。これが水素の貯蔵に相当する。この逆の反応で水素を取り出すことができる。しかし反応が起こりにくいため、脱水素触媒を使う。

水素をトルエンに貯蔵し、取り出す反応
 トルエンは工業用原料として大量に使われている物質だ。入手も容易であり、工業上の取り扱い方法が確立している。トルエン、MCHとも沸点は100℃程度なので、常温では液体だ。特別な液化処理は必要ない。

 実証実験プラントは1時間当たり50Nm3の水素を発生する能力があり、容量20m3のMCHタンクに約1万Nm3の水素を貯蔵できる。これは1週間分のタンク容量に相当する。
 同社はLNGプラントの実績が多く、国内の水素プラントの約半数を建設している。今回の技術開発の成功を受けて、今後、水素サプライチェーンを運営する事業会社を設立する予定である。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1306/04/news064.html 

2013年10月2日水曜日

伊勢神宮内宮で遷御


伊勢神宮内宮で遷御 20年に1度、遷宮最高潮

 20年に1度社殿を建て替え、奉納する宝物や装束なども新調して神様に引っ越してもらう伊勢神宮(三重県伊勢市)の式年遷宮は2日夜、8年間にわたって続けられてきた祭事や行事のクライマックスで、新しい正殿にご神体を移す「遷御の儀」が内宮で営まれた。


 約1300年前から続くとされる神事で今回が62回目。今年5月には、出雲大社(島根県出雲市)でも修復を終えた本殿にご神体を戻す「本殿遷座祭」が60年ぶりに行われ、両行事が重なるのも60年ぶり。

 神宮司庁によると、20年に1度新しくすることで、変わらない永遠の姿を目指し、国の繁栄を願う「常若」の精神が込められている。(共同) 2013年10月2日 20時40分 東京新聞

土星の衛星タイタン:プラスチック原料を発見


土星の衛星タイタン:プラスチック原料を発見 NASA
カッシーニが撮影したタイタン=NASA提供
 
 米航空宇宙局(NASA)は、土星最大の衛星タイタンで、プラスチック製品の原料となる炭化水素プロピレンを発見したと発表した。地球以外の天体からプラスチックの原料が見つかったのは初めて。9月30日付の米天文学会誌に掲載された。
 地球上では、プロピレンは主に石油から生産され、食品の保存容器や自動車のバンパーなど、身近な製品に使われている。
 NASAは、無人探査機「カッシーニ」に搭載した赤外線分析計を使って、タイタンの大気を観測。検出した波長の特徴から、下層に微量のプロピレンが存在することを突き止めた。担当者は「タイタンの大気にはさらに多くの化学物質が存在するという確信を強めた」としている。
 タイタンの大気にはメタンや窒素が含まれているが、より複雑な構造を持ったプロピレンの検出は難航していた。【大場あい】毎日新聞 2013年10月01日 13時22分

爆発物や麻薬の検出にラット


オランダ警察、爆発物や麻薬の検出にラット採用
 オランダの警察が、麻薬や爆発物を匂いで識別するために5匹のラットを採用した。タイではサル、日本ではネコが警察に採用された例もある。
Black rat photo from Shutterstock

 オランダ、ロッテルダムの警察当局は、5匹のラット(「デリック」、「トムソン」、「トンプソン」、「マグナム」、「ポアロ」)を新規採用した。5匹は特別な訓練を受けており、警察が時間と金を節約するのに役立つと期待されている。
 デリックたちは、10~15日間で、麻薬や爆発物などさまざまな匂いを識別するよう訓練できる。要する費用は、1匹に付きわずか8ユーロ(約1,000円)だ。

  ラットは、内側に4個の金属製茶こしが取り付けられたケージに閉じ込められる。4個の茶こしのうち1個には火薬が入っていて、ラットがその匂いを認識すると、「カチッ」という音がして小さな餌が与えられる。最終的にラットは、火薬の匂いがする方向にすぐに移動するようになる。公開実験では、デリックはたった2秒で匂いの発生源を見つけ出している。
 爆発物や麻薬をすばやく検出することは重要だ。実験室でのテストは高価で時間がかかるが、その場で検出できれば犯罪者の逮捕が容易になる。

 このプロジェクトは、オランダ警察の「イノヴェーション」センター責任者であるマーク・ウィーブスの監督下で、モニーク・ハマースラグ警部補が担当している。
 ハマースラグ警部補は、警官隊に加わる前に、このアイデアを具体化し始めた。戦争で荒廃した国で、ラットたちが地雷除去に利用されているのを観察して、齧歯動物を訓練して刑事の仕事をさせようと思い立ったのだ。

 米国防高等研究計画局(DARPA)は1990年代後半から、ミツバチを訓練して匂いを嗅いで爆発物を見つけさせるプロジェクトを行っている(日本語版記事)。理論的には、ごくかすかな花粉の気配を探し出すミツバチの能力を、ごく少量の爆発物の検知に利用することは可能だ。

 一方、京都府宮津市の養老駐在所では、日本初のネコ巡査「伊右衛門」が採用されている。伊右衛門はマスコット的存在だが、不審な電話があったケースなどで動員されることも少なくない。これは、伊右衛門がいると被害者の心が落ち着くからだという。

 タイでは、5歳になるマカク属のサル「サンティスック(Santisuk:タイ語で「平和」の意味)」が警官隊に加わり、地元住民との関係改善に貢献している。「サル警察官」と背中に書かれた特注の制服に身を包み、黄色のバッジを付けたサンティスックの仕事は、検問所を監督したり、住民がココヤシの実を拾うのを手伝ったりすることだ。
 
 ※タンザニアに本拠を置く社会的企業APOPOは、地雷除去等に貢献できるよう特別に嗅覚を訓練されたネズミ「ヒーローラット(HeroRAT)」を育成している。人々の唾液から結核菌を検出させる技術の開発も進められており、既にタンザニアの5か所の病院で実用段階に入っている。2013.10.2 12:19 産経ニュース

火星の土に水分あった


火星の土に水分あった かつてあふれていた説裏付け NASA
火星を調べる無人探査車「キュリオシティー」(ロイター)
 火星の表面にある土を無人探査車「キュリオシティー」の装置で分析したところ、重さにして2~3%の水分が含まれていることが分かったと、米航空宇宙局(NASA)などの国際研究チームが27日付の米科学誌サイエンスに発表した。

 太古の火星が水にあふれる環境だったとの見方を裏付ける結果。チームの研究者は「将来の有人探査の際に、地表の土から水を手に入れることが可能になるかもしれない」としている。

  キュリオシティーは昨年8月の着陸以来、移動しながら地表の細かい土を採取。数回分のサンプルを装置内でそれぞれ加熱して放出された化学成分を調べると二 酸化炭素や酸素、硫黄化合物に混じって、比較的多くの水が検出された。水は長い年月の間に土の内部に閉じ込められたらしい。
 別の土の分析では、炭素を含む有機物も検出されたが、加熱時に装置内でできたとみられ、微生物など生命活動に伴うものではないとチームは結論付けた。(共同)2013.9.27 10:26 産経ニュース

氷河期繰り返す原因解明


氷河期繰り返す原因解明 10万年周期、氷で地盤が上下

 
グリーンランドの氷床。手前は解けた水が流れ込む水路(米ワシントン大提供)

 過去100万年の間、陸地を覆う氷(氷床)が拡大した寒冷な氷河期が約10万年の周期で繰り返しているのは、氷床の重さで下の地盤がゆっくりと上下するためだと、阿部彩子東京大准教授らの研究チームが、氷床分布を計算するモデルを使って突き止めた。


 10万年周期の原因は、地球の公転軌道の変化などに伴う日射量の変化と関係があるとされてきたが、それだけでは説明できず、長年の謎だった。地球温暖化の予測にも役立つ成果という。

 氷床が大きくなると、下の地盤は重みによって数千年遅れて沈み始める一方、融解した後には隆起する性質があり、上下動は約1000メートルにも達する。地盤が沈めば、氷床表面の高度が気温の温かい位置に下がって解けやすくなるなど、上下動は氷床の形成に影響を及ぼす。


 チームは、こうした効果や日照量の変化、二酸化炭素による温室効果を盛り込んだ計算モデルを作り、北半球の氷床の分布を過去40万年にわたって再現。氷床の重さに応じた地盤の上下が、10万年周期の大きな原因となっていることを突き止めた。

 二酸化炭素の濃度は周期を生む原因でないことも分かった。2013.9.30 09:50 産経ニュース

活動穏やかでもガス噴出


活動穏やかでもガス噴出 ブラックホールの謎解明に前進
(国立天文台提供)
 活動が穏やかなブラックホールからガスが噴出していることを、国立天文台などの国際研究チームが電波望遠鏡を使った高解像度の観測で突き止めた。謎が多いブラックホールの活動メカニズムを解明する上で重要な成果という。

  多くの銀河の中心部には、巨大な重力で光さえも脱出できないブラックホールがある。活動の激しい一部のブラックホールはガスを引き寄せて吸い込むだけでな く、活発にガスを噴出しているが、活動が穏やかなブラックホールは周辺が暗くて観測が困難なため、噴出の有無は不明だった。

 国立天文台の 秦和弘研究員らは米国の電波望遠鏡10台を使い、ハッブル宇宙望遠鏡の約400倍という高解像度を実現。地球から約2900万光年離れた「ソンブレロ銀 河」の中心部にある穏やかな宇宙最大級のブラックホールの周辺を観測し、小規模のガスが噴出している様子をとらえた。
 秦研究員は「ガス噴出は活発なタイプに限らず、ブラックホールに共通した現象の可能性がある。さらに研究を進め謎を解き明かしたい」と話している。(黒田悠希)2013.9.30 12:32 産経ニュース

「光の分子」作成に成功


「光の分子」作成に成功 理論が現実に
 ハーヴァード大学とMITのチームが、質量をもたない光子を相互作用させ、結合させて「分子」を形成することに成功した。量子コンピューティングへの応用が期待されるほか、将来的には光を使って3次元構造が作れるようになるかもしれない。
 
Kevin Dooley / CC BY 2.0
 ハーヴァード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の物理学チームが、光子を結合させて「分子」を形成することに成功した。これまでは純粋に理論上のものだった、物質の状態だ。

  「われわれが知る光の特性のほとんどは、光子が質量をもたず、相互作用しないことに由来する」と、ハーヴァード大学で物理学を研究するミハイル・ルーキン 教授は述べる。「今回われわれは特殊な媒体を作りだし、その中で光子同士が強く相互作用し、それによって質量をもつかのように振る舞い、結合して分子を形 成させられるようにした。このような光子の束縛状態(bound state)は、以前から理論上では議論されていたが、これまで実際に観測されたことはなかった」
 研究チームは、真空室に、金属元素であるルビジウム原子を満たし、絶対零度近くまで冷却した(原子を、ほぼ静止状態にした)。そしてこの原子の雲に、ごく弱いレーザーを使って光子を照射した。原子の雲に入ると、光子はエネルギーを失い、劇的に減速した。

 ふたつの光子を一度に照射すると、雲を通り抜けて出てくるときに、結合してひとつの分子を形成していた。これは光子が、雲の中で通り過ぎる原子と、エネルギーを交換することによって生じる。
 「量子情報を運ぶ上で、光子は現在、考えられる限り最良の手段であるため、今回の成果は、より大きな枠組みでわれわれの研究に役立つものだ。これまでは、光子は相互作用をしないということが障壁になっていた」

 光子の相互作用を可能にする今回のプロセスは、量子コンピューティングの開発や、従来のコンピューターの消費電力問題への応用等が期待される。将来的には、光から、結晶のような3次元構造をつくりだすことも可能になるかもしれない。2013.9.30 16:00 産経ニュース

2013年10月1日火曜日

正しい日本語例


言葉の意味(正しい日本語例)

役不足・・・本人の力量に対して役目が軽すぎること

流れに棹さす・・・傾向に乗って,ある事柄の勢いを増すような行為をする

気が置けない・・・相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい

潮時・・・ちょうどいい時期

噴飯もの・・・おかしくてたまらないこと

取り付く島がない・・・つっけんどんで相手を顧みる態度が見られないこと

押しも押されもせぬ・・・実力があって堂々としていること

的を射る・・・物事の肝腎な点を確実に捉えること

伝家の宝刀・・・いよいよというときに使う,とっておきの手段

怒り心頭に発する・・・激しく怒ること

(文化庁 平成24年度「国語に関する世論調査」より)