2013年3月30日土曜日

ロズウェルとの関係は?


空飛ぶ円盤の存在記したFBI資料に注目、ロズウェルとの関係は?

空飛ぶ円盤存在記したFBI資料に注目、ロズウェルとの関係は?

 (CNN) 空飛ぶ円盤3機が米ニューメキシコ州で回収された――。過去のそんな証言を記した米連邦捜査局(FBI)の資料がネットで注目を浴び、これまでに100万人以上が閲覧している。FBIはこのほど、「ロズウェル事件」との関連についての新たな注釈を付け加えた。

 注目の的になったのは、ワシントンの特別捜査官ガイ・ホッテル氏が1950年に記した「空飛ぶ円盤」という見出しの資料。「空軍の調査官の話では、 いわゆる空飛ぶ円盤3機がニューメキシコで回収された。形は円形で中央が盛り上がり、直径約50フィート(約15メートル)。それぞれに、人間の形をして いながら身長が3フィート(約90センチ)しかない3体が乗っていた」と記されている。
この3体についてはさらに、「非常に滑らかな金属の衣類を身に着け、それぞれテストパイロットが使う耐Gスーツのようなものを巻いていた」との描写がある。

 円盤がニューメキシコで見つかった理由については「政府はこの地域に極めて高性能のレーダーを配備していた」「このレーダーが円盤の制御メカニズムに干渉したと思われる」としている。
FBIはこの件について、それ以上の行動は起こさなかった。
 この資料は1970年代に公開され、2011年にはネットに掲載されてメディアも注目。英大衆紙のサンは、ニューメキシコ州のロズウェルに宇宙人が着陸していたことが裏付けられたと報じた。
しかしFBIは書き加えた注釈の中で、この資料の日付について、ロズウェルに宇宙人が着陸したとされる年の3年後の日付だと指摘、「この2つを関連付ける理由はない」とした。
 FBIが公開した資料のうち「説明できない現象」の項には、このほかにも未確認飛行物体や宇宙船の破片、宇宙人の着陸などを目撃したという記録が数百ページにわたって記されている。2013.03.29 Fri posted at 13:47 JST

2013年3月24日日曜日

オノ・ヨーコさん銃規制に賛意


オノ・ヨーコさん銃規制に賛意 レノン氏の眼鏡写真添え
オノ・ヨーコさんがツイッターに掲載したジョン・レノンさんの眼鏡の写真=20日投稿(ロイター=共同)
 【ニューヨーク共同】ビートルズのメンバーだった故ジョン・レノンさんがニューヨークで凶弾に倒れた際にかけていた血まみれの眼鏡の写真を、妻オノ・ヨーコさん(80)が短文投稿サイト「ツイッター」に23日までに掲載、米国内での銃規制強化に賛意を示した。
 オノさんは「愛する人の死は心にぽっかり穴があくような経験。」と書き込み、「一緒に平和な米国を取り戻そう」と呼び掛けた。
 レンズにレノンさんの血が付着した眼鏡の写真に添えた文章では、1980年12月8日にレノンさんが射殺されて以降も、米国で銃によって多くの命が奪われたことを指摘している。2013324 1027分 東京新聞

2013年3月23日土曜日

宇宙は138億歳? 通説より1億年高齢


宇宙は138億歳? 通説より1億年高齢 

(CNN) 欧州宇宙機関(ESA)と米航空宇宙局(NASA)が、誕生から間もない宇宙の姿をかつてない精度で描いた地図を作成し、21日に発表した。宇宙創生の過程を解明するのに役立つと期待されている。
研究チームは宇宙誕生のビッグバンが残した光の「宇宙マイクロ波背景放射」をESAの宇宙望遠鏡「プランク」でとらえ、誕生から間もない宇宙の温度分布を色で示した。
この地図に描かれているのはビッグバンから38万年後の姿で、宇宙の歴史からみればまだ「幼少期」に当たる。新しいデータから算定した宇宙の現在の年齢はおよそ138億歳。これまで考えられていたよりも1億年ほど高齢だったという。
この地図について米国の専門家は、宇宙論にとってのヒトゲノム計画に匹敵する重要性があると評価する。
NASAの専門家によると、宇宙の光はまず高温の白熱光から始まり、目がくらむほどまぶしかったはずだという。
しかしビッグバン以降、この白熱光は急激に温度が下がり、宇宙は1100倍の大きさに広がった。温度が下がった白熱光は見えなくなったが、プランク 望遠鏡はおよそ1億度という「わずかな」温度の違いをとらえた。地図ではこのデータをもとに、平均温度を白、平均を上回る温度は赤、下回る温度を青で示している。

プランクのデータからは、宇宙に存在する「暗黒物質」がこれまで考えられていたより多いことも判明した。暗黒物質は間接的にしかとらえられない現象 で、宇宙の26.8%を占めていることが分かったという。これに対して、惑星や恒星などの観測可能な物質が宇宙に占める割合はわずか4.9%にすぎない。
宇宙の残りはさらになぞの多い「暗黒エネルギー」でできている。暗黒エネルギーはまだ観測されたことがない。しかしその量はこれまで考えられていたよりも少ないようだという。
こうした観測結果からはじき出した宇宙の膨張率(ハッブル定数)は、毎秒メガパーセク(1メガパーセクは330光年)当たり67.15キロ (67.15km/sec/Mpc)。これまでの定説では73.8km/sec/Mpcと算定されており、この差は学会で大きな注目を集めそうだと専門家 は指摘する。
プランク望遠鏡は2009年5月に打ち上げられた。今回の解析結果は最初の15カ月半のデータをもとにしている。2013.03.22 Fri posted at 12:24 JST

2013年3月20日水曜日

脳卒中になる確率予測


脳卒中になる確率、簡単に予測できる算定表開発
 40~60歳代の日本人が今後10年間に脳卒中になる確率を自分で簡単に予測できる算定表を、藤田保健衛生大学の八谷寛教授(公衆衛生学)らの研究チームが開発した。
 年齢や血圧などの数値を点数化し、合計点数を求めると確率がわかる。健康への関心を高めることにも役立ちそうだ。
 算定表は、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄の5県で1993年に40~69歳だった男女計1万5672人を平均14年間追跡した大規模調査に基づく もので、実際に脳卒中になった人(790人)の危険因子を調べ、発症確率を求めた。年齢、性別、喫煙、肥満度、糖尿病の有無、血圧と降圧薬を内服している かを自分でチェックし、点数を合計して表と照らし合わせる。同時に血管年齢もわかる。(2013年3月20日10時40分  読売新聞)

2013年3月18日月曜日

海底1万m、原始の生態系発見


海底1万m、原始の生態系発見 マリアナ海溝で
 観測装置のカメラで撮影したチャレンジャー海淵の水深1万900メートルの海底。右下にいるのはカイコウオオソコエビ(海洋研究開発機構提供)
 世界で最深の太平洋マリアナ海溝の水深1万900メートルにある海底の泥の中で、原始的な微生物が活発に活動し、乏しい栄養の環境に適応した生態系が存在していることを海洋研究開発機構などのチームが見つけ17日、英科学誌電子版に発表した。
 従来の「深海ほど生物の活動が低下する」という考えを覆す発見。海洋機構の北里洋領域長は「生命の起源を解明する鍵ともいわれる、極限環境の生物の理解につながる成果だ」としている。
 チームは、超深海の水圧に耐えられる観測装置を開発。海溝最深部となるチャレンジャー海淵の泥を採取したりして分析し、水深約6千メートルの平原の海底と比較した。
(共同)2013318 0306分 東京新聞

2013年3月14日木曜日

星の大量発生、従来説より早い


星の大量発生、従来説より早い「120億年前」
 米カリフォルニア工科大などの国際チームは、宇宙誕生(137億年前)から約11億年後に「星のベビーブーム」が始まり、その6億年後にピークを迎えていたことが分かったと発表した。
 星の誕生のピークは、従来の説より10億年早い。宇宙の進化を考える重要な手がかりになると期待され、英科学誌「ネイチャー」電子版に14日掲載される。

 同チームは、南米チリに建設している電波望遠鏡「アルマ」のアンテナ66台(現在は57台稼働)のうち、設置が早かった16台を使って2011年から観測。銀河系の500倍のペースで星が誕生している、特殊な銀河26個を詳しく調べた。
 その結果、こうした銀河は100億~126億年前のものだと判明した。星が最も盛んに誕生したのは約120億年前で、宇宙誕生から17億年後だという。 (2013年3月14日03時04分  読売新聞)

2013年3月13日水曜日

火星にかつて「生命が存在可能な環境」


火星にかつて「生命が存在可能な環境」 NASA
 (CNN) 米航空宇宙局(NASA)は12日、火星探査機「キュリオシティ」の探査の結果、火星にかつて生命の存在が可能な環境があったことが分かったと発表した。
キュリオシティのプロジェクトを担当する科学者のジョン・グロツィンガー氏は米カリフォルニア州で同日記者会見し、「我々が発見した生命存在可能な環境は、安全に生命を維持することができ、もしそこに水があったとしたら、飲むこともできていたはずだ」と語った。

 発表によると、キュリオシティが火星の岩石を掘削して回収した粉末試料を分析した結果、生命の存在に必要な硫黄、窒素、水素、酸素、リン、炭素など の化学物質が豊富に含まれていることが分かった。グロツィンガー氏はこの環境について、「微生物が存在し、恐らくは繁殖していた可能性のある環境」と定義 している。
粉末の色は緑がかった灰色で、それほど酸化していないことを示しており、そこに存在していたかもしれない有機物を維持することが可能だったとNASA研究者は解説する。この試料の20~30%は、水のある場所に形成されるスメクタイトという粘土鉱物の一種だったという。

 キュリオシティが探査を行っている「イエローナイフ・ベイ」という場所にはかつて、わずかに塩分を含んだ液体の水があったと思われるという。
火星には2004年に探査機「オポチュニティ」が着陸して別の場所で探査を実施しているが、こちらで見つかった岩石は酸性の水があったことを示す赤鉄鉱で構成され、生命の存在には適していなかった。
 
 今回見つかった鉱物の状態からは、火星に存在していた生命が微生物の形を取り、鉱物をエネルギー源としていた可能性があることも分かった。
現代の微生物学では、岩石からエネルギーを摂取できる微生物の存在が確認されている。しかし地球外環境でこうした形の生命維持の可能性が指摘されたのは今回が初めてとみられる。
 キュリオシティは次回は5月以降に2回目の掘削を行う予定。1回目の試料には、火星の別の場所で採取された物質が混入していた可能性もあり、研究チームは次の結果に期待を寄せている。2013.03.13 Wed posted at 10:07 JST

2013年3月12日火曜日

メタンハイドレート


メタンハイドレートからの天然ガス生産試験に成功 海底からは世界初

 メタンハイドレートからのガス分離作業を開始した地球深部探査船「ちきゅう」=12日午前10時20分、愛知県沖で共同通信社ヘリから

 経済産業省は12日、愛知県沖の深海で進めていた次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」から天然ガスを取り出す生産試験で、ガスの生産を確認したと発表した。海底からの試験成功は世界初で、将来の国産天然ガス資源として期待される。

  試験は、経産省資源エネルギー庁の委託を受けた独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)などが、同日午前5時40分から地球深部探査 船「ちきゅう」を使って実施。愛知県の渥美半島沖の水深、約1千メートルの海底から約330メートル掘り進んだメタンハイドレートの層で、水とメタンガス に分解して採取する作業を始め、同9時半ごろにメタンガスの生産を確認した。

 今後、約2週間に渡り、日量で数千~数万立方メートルの試験生産を見込んでいる。

 メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンが氷状となったもの。これまでカナダの永久凍土からガス化して採取した例があるが、海底から の採取に成功すれば世界初となる。今回の試験海域には10年分以上のメタンハイドレートが埋まっているとの推定もあり、政府は平成30年度をめどに実用化 に向けた技術の確立を目指す構え。茂木経産相は同日の閣議後会見で「わが国周辺の資源を活用できる時代が来るようになる」と商業生産に意欲を示した。

  【メタンハイドレート】 天然ガスの主成分となるメタンガスと水が低温・高圧の環境下で結晶化した氷のような形状をした物質で、永久凍土地帯や大陸縁辺部 の海域に存在する。火をつけると燃えるため「燃える氷」といわれる。燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量は石炭に比べると半分程度と少なく、地球温暖化対 策にも効果的な新たなエネルギー資源として注目されている。カナダ北部で2002年に陸地での生産は成功していたが、海底下の地層から取り出すには膨大な 費用や高度な技術が必要で、困難とされていた。2013.3.12 11:59 産経ニュース

オンライン授業の衝撃:下


(教育をタダにする オンライン授業の衝撃:下)自宅で受講、教室で「宿題」
 ただ1人の著名教授が、インターネットで10万人に教えることが可能になれば、他の教授や大学は生き残れるのか――。そんな疑問に、カリフォルニア州・サンノゼ州立大学の講師オスロー・ガディリ氏は「大丈夫だ」と胸を張った。
 「電子回路解析入門」の講座が開かれている教室のドアを開けると、学生が3人1組で問題を解いている。ガディリ氏は講義をせず、教室を巡回。問題を解けずに頭を抱える学生を見つけ、立ち止まった。「講義の動画を見てきましたか? ヒントはそこにありますよ」

 あちこちで学生がパソコンを開き、動画を再生。流れてきたのはガディリ氏ではなく、名門マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授の声だった。
 学生は授業の前にMITの講義動画を見てくるように指示されていた。教室では、動画の内容に沿った練習問題を解いているのだ。
 オンライン動画を使い、従来は教室で受けていた「講義」を自宅で学び、自宅でしていた「練習問題」を教室でする。こうした手法は「反転授業」と呼ばれ、米国で急速に広がる。

 反転授業の利点は、理解度の異なる学生がそれぞれのペースで課題に取り組めることだ。「私の役割は学生一人ひとりの理解度をきちんと把握して助言し、学 費分の学習効果を得てもらうこと」とガディリ氏。MITの授業は高品質だが、難易度が高い。理解できない学生もいるので、大学が補助動画や教材を用意して 学習を助けている。
 成果は上々だ。電子回路解析入門は必修科目だが、これまでは4割の生徒が落第し、大学の悩みの種だった。反転授業の導入で、落第率は1割に減った。

 MITの教材を提供するオンライン教育機関「エデックス」は今春、コミュニティーカレッジ(公立の2年制大学)2校にも、同様の仕組みを導入する。エ デックスのアガルワル学長は「数百年もの間、教員は教壇からの講義を続けてきたが、オンライン講座をうまく利用すれば大学教育をより効果的なものにでき る」。
 潮流に乗り遅れてはならない――。そんな危機感で世界の大学が動き出している。エデックスへの参加を申し出ている大学は140に及ぶという。

 日本の大学も例外ではない。東京大、京都大、早稲田大などが2005年に教材を無料公開する団体をつくり、いま23大学が計3千科目の教材を公開する。
 人気を集めているのが、京大の生体肝移植の動画。海外からのアクセスもあり、インドの医学生から研修の申し込みも来た。だが日本全体での広がりはいま一つ。「授業とは入試を突破し、授業料を払った者だけが見られる」と考える教員も多く、テキストだけの公開が大半だ。
 そんな中、東大が2月22日、「国際化戦略の一環」として、日本勢で初めて、教授と受講生が双方向で授業を進める本格的なオンライン無料講座「ムーク」 への参入を表明。今秋にも、教授2人の講義を世界に発信し、「米国の一流大に引けを取らない」と、アピールしていきたいという。
 「個人にも大学にも厳しい競争の時代が始まる」と、教育のオープン化に取り組む飯吉透・京大教授は言う。「無料オンライン授業は情熱増幅装置だ。本人の 意欲でどこまでも学べるから、生まれた条件を超えて真に力のある者が頭角を現す。大学側も、学生の意欲や能力を伸ばす実力がなければ優秀な人材を集められ ず、生き残れなくなるだろう」
 (金成隆一)

 ■「国境超えた人材獲得競争、激化」 東大・吉見俊哉副学長
 世界中の大学で、国境を超えた人材の獲得競争が始まっている。グローバル化が進み労働力の流動化が激しくなる中、頭脳もボーダーレス化しつつある。東大 もこれまでのエリートだけでなく、世界を相手にするトップ大学として地球市民としてのエリートを育成していかなければならない。
 まだ少ないが、東大に合格しても、東大を蹴ってハーバード大などに進学する若者が出始めている。東大は国内の評価は高いが、世界となるとポテンシャルが十分に理解されていない。放っておけば、頭脳流出は加速するかもしれない。
 無料で誰もがアクセスできるムークは、世界中の名門大学が教育力を披露し合うフラットな舞台となる。世界中から、東大を志望するかもしれない大勢の若者が見にくるだろう。力を示せば、世界の優秀な若手の関心は集まる。

 東大には、世界的に見てもアメリカの名門大学に対抗できる教授がたくさんいる。この実力は「グローバルキャンパス」ともいえるムークに出ても十分に通用すると思う。
 もちろん、頭脳獲得競争自体は大いに問題がある。ローカルな価値を売り物にする大学なら、こんな舞台には乗らず、地域に根ざして地域の価値を守って欲しい。だがグローバルなトップ大学であることを運命づけられている大学は、それだけではすまない。
 今回のムーク参入は、相当早く動いたと思う。ムーク誕生から1年たっているが、香港は別としてシンガポールと同じスピードで動いている。ソウルも北京もまだ動いていないが、何らかの形で参加するのは時間の問題だと思う。
201338日 朝日

オンライン授業の衝撃:中


(教育をタダにする オンライン授業の衝撃:中)優秀な受講生、企業に紹介
 新しい情報技術を生んできた米カリフォルニア州のシリコンバレー。ここで今、世界の大学の存在意義を揺るがしかねない動きが進んでいる。
 同州にあるスタンフォード大学の人工知能研究所長を務めていたセバスチャン・スラン教授は終身教授の地位を捨て1年前、一流の授業をオンラインで世界に無料発信する会社「ユダシティー」を設立した。
 きっかけは2011年、自身の講座をネットで無料配信したこと。「自動操縦車の開発で知られる著名な人工知能学者の授業がタダで受けられる」と、190カ国・地域から16万人の受講生が殺到した。恵まれない境遇から教育機会を得て喜ぶ声に心を動かされた。

 「200人だけに教えるスタンフォードの教室にはもう戻れないよ。大学よりも、世界中の受講生の方が私を必要としているんだ」
 名門大に身を置いたスラン氏には、大学の制度疲労がくっきりと見える。「社会の先端技術は5年で変わるのに、教授は相変わらず自分の研究テーマを教えて いる。高等教育は壊れている」「大学が育てている人材と、企業が求める人材にミスマッチがある。新卒の若者が入社後に学び直さないといけないなんて悲しい でしょう」
 ユダシティーのビジネスモデルは人材紹介企業だ。
 受講生のオンライン講座の成績をコンピューターに保存し、提携先の企業に送る。企業側は科目別成績を基に人材を見つけて声をかけ、採用に至ればユダシティーに仲介料を払う。

 設立後の1年間で「ウェブ制作」「起業方法」など約20講座を公開、100万人以上の受講生を集めた。提携企業は米国を中心に350社。グーグルやアマゾン、大手銀行などが名を連ねる。昨年末までに数千人が履歴書を寄せ、20人以上の仲介に成功した。
 このビジネスモデルが当たり前になれば、既存大学の存在意義を揺るがしかねない。必要なのは優れた授業をする講師で、大学の名前や権威ではないからだ。
 ユダシティーの講師陣は、スラン氏が「教えるうまさ」で選んだ約20人。企業のエンジニアや起業家たちが並び、大学教授は半数くらい。各地の大学の教授数百人が参加を打診してきたが、「98%は断った」という。
 「物理学入門」を教えるのは大学を3年前に卒業したばかりのアンディさん(25)。一つの動画が数分単位と短いのが特徴で、500本の動画に、受講生に 解答を求めるクイズが245問もある。「彼は質問を繰り出して受講生の脳に入り込み、考えさせることが実にうまい。人が学ぶのは、教授の講義を聴いている ときではなく、自分の力で考えている瞬間なんだ」とスラン氏。

 同じビジネスモデルで注目されるもう一つの企業が「コーセラ」。出資者には、グーグルやアマゾンを支えた大物ベンチャー投資家ジョン・ドーア氏らが名を連ねる。
 理系に特化して少数精鋭の講師陣が授業を提供するユダシティーと違い、米国や香港、イタリア、ドイツなど17カ国・地域の62大学から配信された325の講義を無料で提供する。受講生285万人の3分の2は米国外の居住者だ。
 昨年末、人材紹介業に本格参入。創業者で、スタンフォード大学教授のダフニー・コラー氏は「日本のグローバル企業も日本人学生だけに関心があるわけでは ないだろう。私たちはインドや中国、ブラジルの優秀な学生を紹介できる」と話す。人文から芸術まで幅広い講義を提供し、企業からの「この講義の成績トップ 10の紹介を」という要請に応じているという。

 ■地球規模で「ノート」貸し借り 学ぶ人、ネット上で教え合う
 世界に散らばる受講生たちは、インターネットのフォーラムで、同じ講座で学ぶ人々と教え合っている。それが、受講生が24時間、質疑や討論を繰り返す「グローバル教室」だ。
 ある日の午前6時39分(米太平洋時間)、日本人名の受講生が英文法に関する質問を書き込むと、17分後にパリの男性(25)が、さらに25分後にも別の学生が回答を寄せた。57歳の女性は「私も同じ疑問を持っていたのよ」と感謝した。
 質問だけではない。昨年12月8日午後、ある女性が「みんなの役に立つといいな」と3週間分のノート71枚を公開すると、イランやクロアチア、ブラジル、ガーナ、インドネシアなどから利用者が殺到した。

 昨年11月には米国の受講生が「誰でも編集できる講義ノートを作ろう」とネット上でノートをとり始めた。年配の女性が「やり方さえわかれば参加したい」 と書くと、31分後に「登録は不要。クリックして書き加えるだけだよ」と助言が届いた。ノートは講座の閉講までに92ページに増え、通算6千人が活用。地 球規模でのノートの貸し借りだ。
 ユダシティーは、こうしたフォーラムへの貢献度も企業に開示する。スラン氏は「仲間の生産性を上げる人材は活躍できる。数学などの知識はハードスキルだ が、仲間に貢献する力はソフトスキル。大学は後者を測れないが、我々にはできる。企業に『チームワークもできる人材だ』と紹介する」と話す。 (金成隆一) 2013年3月7日 朝日

オンライン授業の衝撃


(教育をタダにする オンライン授業の衝撃:上)学びの革命、世界が舞台
 体を張った物理学の講義で知られる、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の名物教授ウォルター・ルーウィン氏(77)は、無料オンライン講座「ムーク」の誕生を歓迎している。
 「15世紀の印刷機の発明に匹敵する革命だ。私の目的は、地球上の10億人に教育を提供することだ」
 一度は退職したが、MITが米ハーバード大と昨春から始めたムーク「エデックス」の講座に復活し、先月から初級の物理学を教える。
 最初の動画で、受講生にこう呼びかけた。
 「もし君が物理嫌いな学生でも、それは君のせいじゃない。運悪く腕の悪い先生に当たっちまっただけだ。私が君を物理大好き人間にしてみせる。君たち全員だ。人生が変わること請け合いだ」

 ショーのような授業で知られる。教室の中央の天井からつり下げた鉄球を持って教室の端へ。そして、顔の高さまで引き上げて放す。鉄球はものすごい勢いで戻ってくるが、顔すれすれでぴたりと静止。エネルギー保存の法則をわかりやすく見せているのだ。
 ムークでは、教員が講義の動画やスライド、資料を配信し、受講生は名前やメールアドレスを入力すれば誰でも無料で受講できる。大学の講義を単に撮影した 動画ではなく、メリハリをつけて10分程度に編集され、ミニテストで理解度を確認しながら進める形式が多い。週に5~10時間ほど、3~4カ月間受講し、 宿題や試験で基準に達すれば修了証を入手できる。

 英語による講座が多いが、人気講座は利用者らが勝手に字幕を付けて拡散するため、10を超す言語で見られる動画もある。こうして、世界のすみずみまで一流大の授業が広がり、あらゆる地域の意欲ある受講者とつながっていく。1年間で受講生は計450万人を超えた。
 オンライン教育そのものは新しくない。ただ、従来は教材を売る「商売」で、受講者は限られ、大学にとってはさしてもうからないサイドビジネスだった。
 そんな中、2001年にMITが授業の無料公開を発表する。きっかけは教材のオンライン化に乗り遅れた「後発組の焦り」。当時の学長が挽回(ばんかい) 策の考案を命じたが、どう試算しても収益は伸びない。諦めからひねり出されたのが、無料という突拍子もないアイデアだった。少なくとも「世界に役立つ知識 を広める」との大学理念には合致していた。

 事態は誰も想像しなかった方向に展開していく。
 初年度に参加したのは1千人の教員のうち約50人。「仕事が増える」「なぜ自分の教材を無料で見せねばならないのか」と抵抗が強かった。だがその後、優 れた教材をネットで見た優秀な学生が入学してきた。人目にさらされる緊張感から教材の質も上がる。参加する教員は次々と増え、利用者の規模も拡大した。
 そして12年。大学と受講生が双方向でやり取りしながら授業を進めるムークを、ハーバード大と一緒につくった。受講生の学習履歴を回収できるようになると、人材獲得の有力な手段として注目を集め始める。

 現在、MITが提供する講座は、「世界の貧困の諸課題」「生物学入門」「コンピューターサイエンス入門」など計7講座。当初からオンライン教育に携わっ てきたMITの宮川繁教授は「真のインパクトが見えるのはこれから」と話す。「平和賞や文学賞を除けば、ノーベル賞の受賞者には今も先進国の出身者が多 い。これは教育環境の差によるものだ」
 ムークでは、優秀な人が世界のどこにいるのかがわかる。教育機会を得られなかった発展途上国の人も、医療など最先端の研究に携わるようになる――そんな時代がそこまで来ている。

■24歳、三つの仕事しながら
 ムークの受講生は世界中で自発的に学習会を開いている。夜7時。米サンフランシスコのバーに初対面の男女7人が集まっていた。
 米フロリダ出身の女性リンジーさん(24)は、びっしり書き込んだ分厚いノートを持参。小さな村で、7人きょうだいの長女として家畜の世話をしながら育ち、高等教育を受けるなんて考えたこともなかった。でも今は三つの仕事を掛け持ちしながら、毎晩ムークで勉強を続ける。
 「私でも名門大学が求める水準をクリアできると証明したくてノートを取り続けたら、スタンフォード大の最終試験で95%もとれたの。将来の雇用主にも堂々と見せられるわ」
 そう話すと、周囲から拍手が起こった。とくに熱心に祝福していたのがメキシコ移民の女性ガブリエラさん(26)。米国のNPOへの就職をめざし、論理的に英語で意見を伝える方法をムークで学んでいる。
 その翌日。米シリコンバレーで学習会があり、10人が集まった。米国人が3人、中国人4人、インド人3人。多くはIT技術者だ。「先端技術は勉強を続けないと、すぐに時代遅れになる。無料のオンライン教育は最高の武器」と口をそろえた。
 (金成隆一)
 
◆キーワード
 <ムーク> 英語表記はMOOC(Massive Open Online Courses)。ウェブサイトで公開され、世界中の人が受講することので きる大規模講義。受講料は基本的に無料。米国の大学や企業が提供する例が多く、受講者は急速に増えている。大学と受講者には双方向性があり、受講者は映像 で講義を見るだけでなく、宿題や試験を経て、水準に達すれば修了証を受け取ることができる。大学や企業は、受講者の得意分野や成績を把握し、優秀な人材の 獲得につなげる。

■代表的なムークと主な講義(開講予定含む)
 【エデックス(edX)=2012年5月開校】
 https://www.edx.org/
 12大学24講座を公開、受講生70万人超
 ハーバード大「正義論」「著作権」、MIT「生物学入門」「世界の貧困」、UCバークリー「人工知能」
     *
 【コーセラ(Coursera)=2012年4月開校】
 https://www.coursera.org/
 62大学325講座を公開、受講生285万人
 コロンビア大「金融工学とリスクマネジメント」、プリンストン大「アルゴリズム」「世界史」、東京大「戦争と平和の条件」
     *
 【ユダシティー(Udacity)=2012年1月開校】
 https://www.udacity.com/
 授業力で選ばれた教員や著名人ら約20人が20講座を公開、受講生100万人超
 著名学者スラン氏「人工知能入門」「ロボット人工知能」、著名起業家ブランク氏「スタートアップの起業方法」、物理好きの若者アンディ氏「物理学入門」
201336日 朝日

2013年3月8日金曜日

イルカは互いに「名前」で呼び合う?


イルカは互いに「名前」で呼び合う? 音の調査で判明
(CNN) イルカはそれぞれが固有の「名前」を持ち、離ればなれになるとその名を呼んで相手を探す――。米英などの学術チームがそんな研究結果を発表した。

研究チームは、1984年から2009年にかけて米フロリダ州のサラソタ湾付近で録音された野生のバンドウイルカ約250頭の鳴き声を調べた。
イルカは口笛のような音を出すことが知られているが、調査の結果、それぞれの個体が個々を識別する特有の音を持っていて、親子や親しい仲間同士でこ の音をまねしていることが分かった。研究者の1人、ランドール・ウェルズ氏によれば、この音は名前の役割を果たしているという。
イルカが親しい相手と離ればなれになった時に、仲間が使っていたこの音を再現していることも分かった。特定の相手と再会したい時に、その相手に固有の音を発していると解釈できるという。

一方、たまたますれ違っただけのイルカ同士では、音をまねる行動は確認されなかった。
この調査は米サラソタ・イルカ研究所とスコットランドのセントアンドルーズ大学、ウォルト・ディズニー・ワールドリゾートなどの研究チームが実施し、学術誌に先月発表した。2013.03.08 Fri posted at 11:03 JST

インベーダー撮影?


宇宙望遠鏡がインベーダー撮影?…ネットで話題


ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたインベーダーのような画像(中央、NASA提供)
 【ワシントン=中島達雄】ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像の中に、1970年代後半に大ヒットしたテレビゲーム「スペースインベーダー」に登場する侵略者(インベーダー)のようなものが写っていると、ネットなどで話題になっている。
 「侵略者」は、望遠鏡の赤外線カメラが20億光年離れた銀河団「アベル68」をとらえた画像に写っている。米航空宇宙局(NASA)によると、そ の正体は、この銀河団の背後にある「渦巻き銀河」。地球に届く途中の光が銀河団の重力で曲げられて、たまたま「侵略者」の形に見えているという。(2013年3月8日11時06分  読売新聞)

2013年3月2日土曜日

拒絶反応、薬飲まず抑制


拒絶反応、薬飲まず抑制 肝移植、白血球を操作 北大・順大チーム
 臓器移植後に起きる拒絶反応を免疫抑制剤を飲まずに抑える手法を、北海道大と順天堂大のチームが開発した。患者と臓器提供者の免疫をつかさどる白血球を 操作した。生体肝移植を受けた10人に行い、4人が最長で半年間、薬を中止し、6人で減量することに成功した。新たな治療法として確立すれば、患者の負担 は大幅に減らせると期待される。

 移植手術を受けた患者は通常、拒絶反応を抑える薬を生涯飲み続ける必要がある。免疫力が下がるため、感染や発がんのリスクが高まるほか、腎障害などの重い副作用もある。
 拒絶反応は、患者の白血球の一種、T細胞が移植臓器を「異物」と認識して攻撃して起こる。北大の藤堂省(さとる)・特任教授、順天堂大の奥村康(こ う)・特任教授らは、移植の手術前に患者と提供者の血液から白血球を取り出して一緒に培養。特殊な薬剤を加えて、患者の白血球が提供者特有の成分を患者自 身のものと勘違いするようにした。培養した白血球は移植から2週間後に患者に戻し、段階的に薬を減らした。

 2010年11月から、肝炎や胆管炎で肝硬変になった30~60代の10人に行い、4人は手術から18~21カ月後に薬を中止できた。4人は2月末現 在、半年~1カ月半、薬なしで生活している。ほかの6人も薬を減らすことができ、1人を除いて、中止できる見込みがあるという。

 5月の米国移植学会で成果を発表する。
 肝移植は国内で年500例前後行われ、5年後の生存率は約80%。薬を使わずに拒絶反応を確実に抑えられれば、生存率や生活の質の向上が期待できる。
 移植から何年も経って起きる拒絶反応もあるため、長期間、有効性や安全性を調べて、治療法として確立させたい考えだ。順天堂大は5年前から東京女子医大と、今回の手法を生体腎移植で行い、薬の大幅な減量に成功していた。
 また、この手法は、白血球が自分自身の体を「異物」と勘違いして、攻撃することで起きるリウマチなど自己免疫疾患の治療にも使える可能性もある。
 順天堂大の奥村特任教授は「自分を攻撃する白血球に異物ではないと教え込ませれば、理論的には治せる」と話す。(阿部彰芳) 2013年3月2日 朝日

2013年3月1日金曜日

「光速」に迫る速さで回転


超大質量ブラックホール、「光速」に迫る速さで回転 英科学誌

(CNN) 地球から6000万光年彼方の超大質量ブラックホールが、光速に近い速度で回転していることを突き止めたと、米大学の研究者らが28日付英科学誌「ネイチャー」で発表した。
研究の対象となったブラックホールはNGC1365という棒渦巻き銀河の中心部にあり、直径は300万キロ以上。質量は太陽の約200万個分あり、表面が光速に近いスピードで回転しているという。
研究チームは米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡「NuSTAR」と、欧州宇宙機関(ESA)のX線観測衛星「XMMニュートン」を使ってこのブ ラックホールの高エネルギーX線を測定。ここから回転速度をはじき出した。同じような試みはこれまでも行われたが、速度を決定的に算出できたのは今回が初 めてという。2013.02.28 Thu posted at 15:58 JST