2009年1月5日月曜日

年頭エッセイから

 年頭エッセイから

 「賢い国民の幼い国家」と題する曽野綾子の年頭エッセイ(Sapio 1/29号)からの抜粋です。正確な意味合いのためには本文を当たって下さい。



 教育には強制の面と、自己の選択によって自由に興味を伸ばす面と二つがある。
 幼児から始める教育の大切さは、問答無用に、常識的な社会の規制に従わせることだ。

 その後に成人教育が続く。すべての教育責任は自分になる。教育するのは親でもなく、教師でもなく、社会構造でもない。従って教育も強制ではなく、自発的なものになり、自分を磨く者は自分だけになる。

 ---- こうした残酷さを基本的に内蔵する人生を生きるには、やはり厳しさに耐える訓練と、哲学を学ぶことが必要なのである。

 今、人々は与えられることだけを求める。魂の幼児性である。しかし真の大人は、与えられる楽しさと同時に人に与える幸福を知っている。

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