2017年7月26日水曜日

がん抑制に「ウコン」の力

がん抑制に「ウコン」の力…抗がん剤と遜色なく
 カレーの香辛料ターメリックとしても知られる「ウコン」の成分を利用し、がんの進行を大きく抑えることにマウスの実験で成功したとする研究結果を、京都大のチームがまとめた。 抗がん作用は以前から知られていたが、効果を強める方法を開発したという。新たながん治療薬の開発が期待される成果で、神戸市で開かれる日本臨床腫瘍学会で27日発表する。

 この成分は「クルクミン」と呼ばれ、大腸がんや膵臓すいぞうがんの患者に服用してもらう臨床試験が国内外で行われている。ただ、有効成分の大半が排せつされるため血液中の濃度が高まらず、効果があまり出ないという課題があった。
 チームの掛谷秀昭教授(天然物化学)らは、排せつされにくく、体内で有効成分に変わるクルクミンの化合物を合成。有効成分の血中濃度を従来の約1000倍に高めることに成功した。人の大腸がんを移植したマウス8匹に注射したところ、3週間後の腫瘍の大きさが、治療しない同数のマウスの半分以下に抑えられた。目立った副作用も確認されなかった。
 掛谷教授は「安全性が高く、既存の抗がん剤と遜色ない効果も期待できる」とし、京大発のベンチャー企業と組んで抗がん剤としての開発を目指す方針。


 柴田浩行・秋田大教授(臨床腫瘍学)の話「これまで難しかった血中濃度を高め、効果を示したのは画期的な成果だ。今後は、注射で投与する方法の安全性を検証する必要がある」20170726 1859分 読売

2017年7月24日月曜日

脳の「掃除細胞」作製

脳の「掃除細胞」作製…アルツハイマー治療に光
 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、脳内の不要物を取り除く免疫細胞を作製することに成功したと、京都薬科大とシンガポール科学技術研究庁などのチームが発表した。
 アルツハイマー病などの治療に役立つ可能性があるという。
 この免疫細胞は、脳内の「掃除細胞」として知られるミクログリア。アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドβベータ」などの異常たんぱく質を食べ、発症や進行を抑える働きがあると考えられている。
 同大の高田和幸准教授(病態生理学)らは、人のiPS細胞から、ミクログリアのもとになる免疫細胞と、神経細胞の2種類を作製。これらの細胞を混ぜて培養するとミクログリアに変化し、試験管内でアミロイドβを食べることも確認した。論文は米科学誌電子版に掲載された。20170723 0913分 読売

呼吸もしない「常識外れの微生物」

米・地中深い泉水
呼吸もしない「常識外れの微生物」発見
*岩石の粒子に付着した微生物(緑色の点)。大きさは0.1~0.2マイクロメートルと非常に小さい
海洋研究開発機構高知コア研究所のグループが発表
 呼吸など普通の生命に必要な仕組みをほとんど持たない「常識外れ」の微生物を、地中深くの水から発見したと、海洋研究開発機構高知コア研究所の鈴木志野特任主任研究員のグループが21日付の英科学誌に発表した。地球初期の生命誕生の謎や、生命を維持できる限界を探る手がかりになる可能性がある。

 米カリフォルニア州に、マントル由来の岩石が溶け込んだ水が深さ1.2キロから湧き出る珍しい泉がある。この水は超アルカリ性、超還元性で、酸素や炭素、リンなど生命維持に必要な物質がほとんどなく、約40億年前の地球初期に似た非常に過酷な環境とされる。
 グループは、この水に住む微生物のゲノム(全遺伝情報)を解析し、27種類の微生物を特定した。この7割が、呼吸や「ATP合成」と呼ばれるエネルギー代謝など、生命の基本的な仕組みを持たない未知の微生物だった。ゲノムには複製や細胞膜合成などの機能しかなく、大腸菌の約10分の1の大きさで従来の生物では最も小さいゲノムだという。微生物は岩石に付着しており、岩石のミネラルからエネルギーを得ているとみられるが、仕組みはわかっていない。


 地球初期は酸素がほとんどない超還元的な環境だったことが知られており、この微生物が地球初期に生まれた原始的な生命である可能性もあるという。鈴木さんは「過酷な環境でも常識外れな微生物がいることが分かり驚きだ。地球外生命の手がかりになるかもしれない」と話している。【酒造唯】毎日2017722

国際宇宙ステーション、Googleストリートビューで

国際宇宙ステーション、Googleストリートビューで探索可能に
*宇宙飛行士が船内と船外の出入りに使う「ジョイントエアロック」の画像(Google Japan Blogより)
 Google720日、Googleストリートビューを活用し、国際宇宙ステーション(ISS)内部を撮影した360度パノラマ写真を公開した。地球外のストリートビュー画像を公開するのは初めて。
 ISSの内部の様子や、宇宙から見た地球の様子を360度画像で楽しめる。画像にはポップアップで注釈を表示。宇宙飛行士が体力トレーニングを行う場所、食事の内容、実験を行うエリアなどの解説を確認できる。ISSに約6カ月滞在し、20176月に帰還したトマ・ペスケ宇宙飛行士が寄稿した画像を使用した。

 ISSの内部は機材や配線などの障害物が多く、無重力空間でもあるため「Googleが通常用いる機材では撮影ができなかった」(ペスケ飛行士)という。乗組員は112時間、研究やメンテナンスに取り組んでいるため、撮影時間も限られていた。
 そこで、すでにISSに導入していたデジタル一眼レフカメラを活用。ぺスケ飛行士が、撮影した静止画を地上に送り、それらを貼り合わせて360度パノラマ画像を作成したという。
 「これまで限られた人のみが訪れたISS内部を、誰もが自由に探索できる。宇宙から地球を眺めることで、私は世界を見る視点が少し変わった。ストリートビューによって、多くのユーザーの世界観が変わることを願っている」(ペスケ飛行士)ITmedia NEWS 2017722 1320 

血液から13種類のがん診断

血液から13種類のがん診断 がんセンターなど実用化へ
* 国立がん研究センター(東京都中央区)は18日、血液から乳がんや大腸がんなど13種類のがんを発見できる診断システムの開発を始めると発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が今年度から5年間で約79億円を出資し、東レ(中央区)などの民間企業が検査方法の開発を支援する。
 がんセンターによると、血液検査での早期発見を目指すのは、日本人の罹患(りかん)者が多かったり、同センターが重点的に研究したりしている胃がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓(すいぞう)がん、大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱(ぼうこう)がん、乳がん、肉腫、神経膠腫(脳腫瘍の一種)-の13種。


 がんなどの疾患にかかると、血液中に含まれるマイクロRNAという物質に異常が起き、特定のマイクロRNAの数値が上昇したり減少したりするとされる。しかし、どのマイクロRNAがどのがんに関連しているかについては不明な点が多い。研究では各がん5千人、計6万5千人分の血液を解析し、関連するマイクロRNAを特定。数値を解析することで、がんの早期発見につなげる。産経