動物のナスカ地上絵、新たに24点…一地区集中
*調査データを基に再現した地上絵の画像=山形大提供
南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」の研究を続けている山形大人文学部付属ナスカ研究所(所長・北川忠明学部長)は7日、新たに動物の絵24点を発見したと発表した。
2013年度の調査で見つかった動物の絵と合わせ、周辺で発見されたのは41点に上り、同研究所の坂井正人副所長は「これだけの数が集中的に描かれている地区はほかに例がない」と説明した。
同研究所によると、調査は昨年12月から今年2月に現地で行われた。新たに見つかった大部分はラクダ科の動物「ラマ」とみられる。直径約1キロの範囲に五つのグループに分けて描かれ、最も大きいもので全長約20メートル。丘の斜面に描かれているなどの特徴から、紀元前400~同200年頃に描かれたとみられる。
発見された絵はナスカ市街地から約1・5キロのところにあり、以前は人が住んでいたとされる地域。従来、この時代に描かれた絵は居住地から離れたところで発見されるケースが多かったことから、坂井副所長は「地上絵がもっと身近な存在だった可能性もある。当時の人々の信仰や地上絵のイメージを変える必要がある」との見方を示した。
今後、市街地の拡大によって地上絵が破壊される恐れがあるため、同研究所はペルー政府に報告書を提出し、保護するよう求めている。坂井副所長は「地上絵が失われる危険性について、地元の人々と意識を共有していかなければならない」と話した。2015年07月08日 15時54分 読売
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