最古の原人の化石、エチオピアで発見 280万年前
アフリカのエチオピアで、現生人類を含むホモ属としては最古とみられる約280万年前の原人の化石を発見したと米アリゾナ州立大などのチームが4日、米科学誌サイエンス電子版に発表した。チームによると、ホモ属の起源がこれまでより約40万年さかのぼる可能性がある。
エチオピアで発見された、最古のホモ属のものとみられる下顎の左側部分の化石=サイエンス誌提供・共
化石は下顎部分で、より原始的な猿人であるアウストラロピテクスの特徴も併せ持っている。チームは「猿人から初期のホモ属への進化のギャップを埋める化石だ」と位置付けている。
チームは2013年、エチオピア北東部のアファール州で化石を発見。放射性同位体を用いた地層の年代測定などにより、280万~275万年前の化石と特定した。
化石は大人の下顎の左側で、臼歯など少なくとも5本の歯が良好な状態で残っていた。長さ約8センチ、幅約2センチ、厚さ約3センチと大きさは猿人とほぼ同じで、顎先の形は猿人に近かった。一方、顎のふくらみ具合や対称的な歯の形などホモ属に特有の形状も備えていた。
一帯ではゾウやキリンの化石が出土し、当時は草原や低木地だったようだ。カバやワニ、魚の化石もあり、川や湖もあったとみられる。
近くでは、ルーシーの愛称で知られるアファール猿人(アウストラロピテクス・アファレンシス)も見つかっている。チームは「猿人の20万年後に登場したホモ属だ」とみている。当時は気候変動によってアフリカで乾燥化が進んだとされ、環境が変化し進化が促された可能性もあるとしている。
これまでエチオピアなどで出土した複数の化石が240万年前ごろの最も初期のホモ属と考えられていた。(共同)2015/3/5 9:19 日経
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