2015年3月8日日曜日

サバが産んだマグロ

サバが産んだマグロ、今夏にも 東京海洋大
 東京海洋大学の吉崎悟朗教授らは、クロマグロの卵と精子になる生殖細胞をサバに移植する実験に成功した。今夏にも産卵して交配が可能になり、マグロの稚魚が誕生する見込みだという。絶滅危惧種に指定されたクロマグロを養殖して安定的に供給できる技術として実用化を目指す。
近畿大学が卵からふ化させて育てる完全養殖に成功し、育ったクロマグロが一部で市販されている。ただ、マグロは卵が大人になるまでに5年ほどかかるうえ、繁殖に必要な体重約100キログラムの親のマグロを飼育する大きな専用施設も必要だ。

 サバはふ化から1年ほどで繁殖可能になる。大人になっても300グラムほどで、比較的小さな水槽でも育てられる。
 マグロは大きな分類でいうと「サバ科」に入る。吉崎教授らは、クロマグロから生殖細胞を取り出してサバのオスとメスの稚魚に移植した。移植先の稚魚はあらかじめサバの精子や卵を作らないように処理しておいた。その後、移植した生殖細胞がサバのオスの精巣やメスの卵巣に入り込み、体内で生きて増殖していることを確かめた。

 成熟するとサバのオスがマグロの精子を作り、メスがマグロの卵を産む。交配させれば、マグロの稚魚が生まれる。マグロの稚魚を量産できれば、完全養殖にとって追い風となる。稚魚を放流することで、天然の資源を増やすのにも役立つとみている。2015/1/24 14:01日本経済新聞 電子版

0 件のコメント: