2011年3月25日金曜日

地震酔い

地震酔い
 昨日の朝も震度5弱、一日中余震の頻発でウンザリしている。
 東北関東大震災以降に、地震でもないのに揺れている感じがする、目まいがする、吐き気がするといった症状を訴える人が急増している。病気ではなく、地震が相次いでいるために「地震酔い」している可能性があるのだという。これは医学的には「下船病」という症状と見られるようだ。

 今回の地震は余震の回数が多い上、発生が長期化している。気象庁によると、マグニチュード(M)5.0以上の余震は、11日の本震から10日間で315回。これまで多いとされてきた1994年の北海道東方沖地震(M8.2)の98回をはるかに上回る。大抵は1週間で収まるが、10日以上たっても活発な状態が続く。

 「立っていても座っていてもなんとなく揺れてる気がする」「目眩がひどい。座っててもグラグラすることがある」「書き物をしてるとグエ~ッ。料理してるとグエ~ッ。キモチワルイ」。
しかし、この症状は、車酔いや船酔いなど乗り物酔いと同じようなもので、めまいや吐き気、手足が冷たくなったり、冷や汗なども出たりする。

めまいの専門家、聖マリアンナ医科大学病院耳鼻咽喉科の肥塚泉教授によれば、人間の脳には「速度蓄積機構」というシステムがあり、自分が直前に体験した加速度や回転の情報を蓄えている。個人差はあるが、直前のそうした情報が残っているため起きる。地震は人体に与える刺激が強いため揺れている感覚が残りやすい。さらに、今回は地震が繰り返し起こっている。

 「大震災のショックで、多くの人は揺れに対するストレスを溜めている。ストレスに対抗するためホルモンが分泌されるものの、このホルモンは耳に良い方向には働かない。こうしたことによって目まいなどの症状を訴える人が増えているのではないか」と肥塚教授は説明する。

 乗り物酔いは車から降りれば治ると同じように、「地震酔い」の症状が出ても特に心配する必要は無いという。今後も地震が続いたとしても、ほとんどの人は揺れに体が慣れてきて「地震酔い」しなくなってくる。苦しければ乗り物酔いの薬を飲むという方法もあるが、できるだけリラックスするようにし、運動したり、違った景色を見たりしてこれまでの感覚をリセットする。そういったことが効果的だと肥塚教授はアドバイスしている。

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