2011年12月20日火曜日

京劇

京劇
 かつて、ヨーロッパのある国で初めてオペラのライブに接し、いたく感動して、いっときサポーターになった。ヨーロッパ各国でのオペラ人気は絶大で、チケット入手は容易とは云えないらしいが、日本ほど敷居が高すぎることはない。音楽会なら特別なものでない限り、結構気楽にいけた。

 一方、海外にも'北京オペラ'として知られ、その独特の芸術性で高い評価を受けているという京劇、最早3年ほど前になろうか、娘(daughter in law)の計らいで京劇を鑑賞する機会があった。あまり馴染みがなかったが、貴重な経験だったので好意に甘えて出かけた。その時に調べたことを整理してみた。

 京劇は中国の伝統的な古典演劇である戯曲(歌劇の一種のこと)の1つである。清代に安徽省で発祥し北京を中心に発展したので京の名が付き、主に北京と上海の二流派がある。二つの種類の曲調を基礎にしている。唱腔は板腔体を基本とし、声腔は西皮と二黄を主要なものとする。このため京劇に代表される西皮と二黄を総称して皮黄腔ということがある。

 14世紀から広く盛んに行われた中国伝統歌劇の崑曲の要素が加味されて作られた。胡弓、月琴、琵琶、鼓を中心にした伴奏の旋律とリズムが劇の基調で歌、台詞、動作、アクションなどで成り立つ形式演劇で、歌が重視されて舞踊に近い動作は激烈ながらも美しい。

 普通は歴史小説と伝説から素材を取ったり、原曲と伝奇を改作したことで《水滸伝 》、《三国志演義》などの部分脚色が多く見られる。<八仙過海> <孫悟空> <打魚殺家> <四進士> <白蛇伝> <将相和> <楊門女将> <覇王別姫><貴妃酔酒>などがある。

 全てが1時間内外の短い演劇で、演出と演技が皆極めて叙事的な様式を使って、装置もなしで象徴的な演技形式によって、状況や行動を現わす。

 衣装は明国時の服装を基礎にした伝統劇固有の物で色と紋により人物の身分と職業などが分かる。配役は大きく、生:主役、旦:女役、浄:豪傑・悪漢、丑:ピエロ、末:端役に分かれて、それぞれ文武の2系統以外にまた細分化される。浄と丑は俳優の顔に染料で線を描くが、歴史上有名な顔の線の形式は既に決めている。

 京劇は元国時の雑劇:元曲の後に続いて、明国で清国にかけた300年の間は蘇州崑山で出来た崑曲が優位だったが、形式に偏って衰退することになるや、18世紀中葉(清国中期)には地方劇が先を争うことになった。
 その頃安徽省、湖北省など揚子江沿岸地方に南曲の婁陽腔系統を続く二黄調が盛んに行われて、安徽省の女役男俳優(高朗亭)の一団と共に北京に入ってきた。この時が1790年(高宗:乾隆帝)の80才誕生日祝い祭りが広がった年である。'徽班'という安徽省劇団が当時難解で冗長な低音の昆曲に比べて、明るくてやさしくて動作が多い二黄調を上演するや、まもなく大衆の好評を受けて流行し始めた。http://www.china7.jp/bbs/board.php?bo_table=2_7&wr_id=1

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