2011年12月14日水曜日

「神の粒子」、99・98%の確率で見つけた

「神の粒子」、99・98%の確率で見つけた
 世界的な素粒子物理の研究機関である欧州合同原子核研究機関(CERN)は13日、宇宙の物質を構成する素粒子に質量を与える「ヒッグス粒子」を99・98%の確率で見つけたと発表した。

 ヒッグス粒子は、宇宙の成り立ちを説明する素粒子物理学の標準理論に欠かせない存在で、世界の物理学者が40年以上にわたって探索してきた。最終結論は、来春以降にさらにデータを収集したうえで下すという。
 発表したのは、東京大学や高エネルギー加速器研究機構など日本の15機関も参加する「ATLAS」実験グループと、欧米を中心とする「CMS」実験グループ。
 両グループは、2010年から本格稼働したCERNの「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」という実験装置を使い、原子核を構成する「陽子」と よばれる粒子を光速近くまで加速。二つの陽子を正面衝突させ、中から飛び出してくる様々な種類の粒子からヒッグス粒子の痕跡を探していた。

 ATLASグループによると、10月末までのデータを分析した結果、素粒子の質量を示すGeV(10億電子ボルト)で、126GeV(陽子約 130個分)前後の質量を持つ、未知の粒子とみられるデータが含まれていることが判明した。今回は、物理的な重要性を考慮してあえて厳しく見積もることも 試み、その結果は98・9%だった。ヒッグス粒子の存在が確認されたと断定するには、99・9999%の確率に達することが必要だという。CMSグループ もヒッグス発見をうかがわせる結果を得たと発表した。(2011年12月13日23時52分 読売新聞)

0 件のコメント: