2014年1月13日月曜日

染色体異常が自己修復



 染色体異常が自己修復 iPS細胞で山中教授ら新発見
 染色体に異常を持つ患者の皮膚細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)をつくると、異常がひとりでに修復されて正常な細胞になる新現象を、山中伸弥京都大教授と米グラッドストーン研究所などのグループが発見した。染色体異常の治療法開発に役立つかもしれない。英科学誌ネイチャー電子版で13日発表した。
 新現象が見つかったのはリング染色体と呼ばれる異常。正常なヒトの染色体は棒状の2本で一対になっているが、この異常では1本が端と端がくっついて輪になる。精神や発育の遅れなどと関係するとされる。治療法は知られていない。

 同研究所の林洋平研究員らは、リング染色体を持つ病気の患者からiPS細胞をつくり、試験管の中で病気を再現しようとした。ところが、できたiPS細胞ではリング染色体が消え、2本とも正常な染色体に変わっていた。細胞が分裂する時、本来なら元と同じリング染色体を含む細胞が二つできるはずが、何らかの理由で偏りが生じて正常な染色体だけの細胞ができたために起きたと考えられている。
 林さんは「予想外の結果で非常に驚いた。リスクもあるが、染色体異常の画期的な治療法につながる可能性がある」としている。(鍛治信太郎)20141131629分 朝日

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