宙に浮く画像を手で操作、「ディスプレア」が映す未来
(CNN) 情報端末にはボタンもスクリーンも存在しなくなり、ユーザーは宙に浮かんだ双方向イメージを操作するようになる――。霧と空気でできたハイテク画面「ディスプレア」はそんな未来を指向している。
ディスプレアを開発したのはロシアのデザイナー、マックス・カマニン氏。この技術を「視覚化技術の次のステップ」と位置付ける。テレビやモニター端
末などに飽きたという同氏は、物理的な機器に映像を映し出す方法以外で情報の表示ややり取りができる技術を発明したいと考えた。
その解決策として考案したのが、霧でできたシートの上に立体イメージを照射する技術だった。ホログラムのような像を浮かび上がらせるこの霧は、雲を形成するような極小の水滴でできていて、紙やガラスを通しても湿ることはないという。
空気と水と光で構成する技術について同氏は、「すべては既に自然界に存在していて、人間の創作は自然から来ていると気づいた。それをよく観察すれば答えは出る」と解説する。
目に見えない画面上に浮かぶイメージは、1500種類の手の動きに反応する。その多くは、タッチスクリーン画面上で指を動かして行う拡大や縮小などの動作に似ていて、直感的に操作できるという。
この技術は現在、米グーグルやコカコーラ、ペプシといった大手企業が広告に採用しているが、例えば医療などの実用分野にも応用できるとカマニン氏は言う。
「心臓外科医が患者の心臓の画像を宙に浮かべ、そのまま手を洗わずにそれを拡大して、情報を検索することもできる」(同氏)
タッチスクリーンの衛生問題も懸念される中、ディスプレアを使えば、例えば公共の場に端末を置いて時刻表やレストランのメニューなどの情報を引き出
すといった用途も考えられる。「将来的には大画面を作り出して大勢の人が同時にディスプレアを使い、ゲームをしたり情報を検索したりできるようになる」と カマニン氏は予想する。
いずれは香りなどのさまざまな知覚の提供も模索する意向だという。ただ当面は、画質や反応速度を向上させるため、現在の技術をさらに改善する必要があると同氏は話している。2014.01.03
Fri posted at 11:32 JST
0 件のコメント:
コメントを投稿