細胞の内部、生きたまま観察 北大チームが成功
最先端のエックス線装置を使って、生きた細胞の内部をナノメートル(ナノは10億分の1)のレベルで観察することに、北海道大の西野吉則教授らの研究チームが初めて成功した。7日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
従来の装置では、エックス線などをあてると細胞が壊れてしまい、電子顕微鏡でも細胞を樹脂で固めて染色するなどの処理が必要で、生きたままでは見られなかった。
研究チームは理化学研究所などが約390億円かけて開発した施設「SACLA」(兵庫県)を使い、体長600ナノメートルほどの細菌に100兆分の1秒という短い時間、エックス線を照射。エックス線で細菌が死ぬ前の姿をとらえた。細菌内部のデオキシリボ核酸(DNA)とみられる物質が集まっている様子も観察できた。細菌が分裂する様子など、微生物の生態の解明に役立つと期待される。
西野教授は「性能をさらに向上することで、より小さなものを見たり、もっと詳細に観察したりできるようになる」としている。(西川迅)2014年1月9日11時10分 朝日
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