2012年7月18日水曜日

原価例

原価例概数でもかまわないので把握してみたいと思った。
*マンションの場合
一生に一度の大きな買い物である自宅。例えばマンションの原価はどうなっているのか?各種条件により千差万別ではあろうが、金子哲雄氏による、一例の試算結果はこうなる。

「77.33m2で5520万円のマンションの場合、物件価格の約1割の500万円が土地代、材料費が552万円、内装の費用が110万円で、合計1162万円がマンションの原価と言うことができます。この原価に建設会社に支払う工賃602万円が加わり、これらを5520万円から原価(1162万円)と工賃(602万円)を引いた3756万円がデベロッパーの粗利益になります」

・・とはいえ、まだまだ費用はかかる。
「ここから営業マンの人件費や宣伝広告費、建設資金の借入金利などの負担が必要になりますし、建築資材の変動リスクや売れ残る可能性などを考えると原価率は低くて当たり前。一種の保険料として原価を低く設定しておく必要があるんです」
 実際、大手デベロッパーの営業マンによれば、「売れ残ったときは大損ですよ。ほとんどバクチみたいなもの」とのこと。景気にも左右されるし、確かに特別おいしい商売ではなさそうだ。

*自動車の場合
 自動車の原価はどうだろう?かつて輸送機器メーカーに勤務した経験もある坂口孝則氏による試算は以下です。
 「自動車は製造原価に占める外部調達費がすごく高くて、例えば100万円の自動車の場合、60万円程度が仕入れ原価となります。残り40万円のうち20万円が組み立て費や開発費などで、残りの20万円がメーカーと販売会社の利益になるような構造になっています」

・・100万円の自動車を売って利益は1割!? 案外儲からないビジネスだ。
 「ここにはカラクリがあって、先ほど紹介したのは基本モデルの場合で、オプションをつけることで利益率が劇的に変わる。例えば、20万円のカーナビの原価は2万円程度、ドアミラーにつけるウインカーのLEDは1つ100円くらいなのに付属品や組み立て作業などのセットで5万円くらい高くなるというふうに、自動車はオプションで儲けるビジネスで、特においしいのは革シート。4万円くらいで調達したものを30万円くらいでつけていますから」・・・結局、自動車メーカーにとってもサイドメニューが生命線のようだ。
*パソコンの場合
 景気がよさそうな家電量販店が販売する電化製品の原価はどのくらいなのでしょうか?上記坂口氏の試算です。
「例えば、26万円のパソコンの場合、CPUやハードディスク、液晶などの材料費が8万5000円、開発や組み立てにかかるコストが6万円、宣伝広告費や諸経費が2万円で、これにメーカーの利益1万5000円を乗せた18万円が家電量販店が購入するパソコンの仕入れ原価です」

 家電量販店はボロ儲けかと思いきや、宣伝費や人件費など7万5500円の諸経費を加えると25万5500円となり、家電量販店の利益は4500円!えぇ~、こんな薄利でやっていけるのか?

「だから家電量販店はメーカーから販売協賛金のほか、『隣の量販店が安売りしたからウチも下げざるを得なかった』と言って値引き協力金や追随金など、さまざまな名目でメーカーに費用を求めて何とか利益を出している状態。一方で家電メーカーは家電やパソコンでは儲からなくなってきていて、今後は産業用も含めた電池くらいしか儲ける商品はないのでは?」
http://nikkan-spa.jp/1800による)

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