2010年10月30日土曜日

南米アマゾン「新種の宝庫」 10年で動植物1200種

南米アマゾン「新種の宝庫」 10年で動植物1200種
アマゾンで見つかった新種のカエル。鮮やかな体色が目を引く=WWF提供
 南米アマゾンの熱帯雨林では、新種の動植物がこの約10年に少なくとも1200種見つかっている――。名古屋市で開かれている国連地球生きもの会議の会 場で26日、世界自然保護基金(WWF)が調査結果を発表した。ほぼ3日に1種のペースで発見されており、「地球上で最も生物多様性に富んだ場所の一つだ と裏付けられた」としている。

 調査によると、1999年~2009年の約10年間にアマゾンで見つかった新種の植物と脊椎(せきつい)動物は1220種にのぼる。植物が637種、魚 が257種、両生類が216種、爬虫(はちゅう)類が55種、鳥が16種、哺乳(ほにゅう)類が39種だった。クモなどの無脊椎動物も加えれば、新種の生 物の総数はさらに膨らむという。
 鮮やかな赤や黄色、青色の模様があり、「アマゾニカ」と名付けられたカエルは湿った森に分布、99年に新種として報告された。しかし、農地拡大で生息場所が減り、生存が脅かされている。

 赤茶色をした野鳥は「タイランチョウ」と呼ばれるグループの一種で、07年に新種として報告。目の下部に黒い帯がある新種の魚は、観賞用の熱帯魚として知られる「シクリッド」の一種。同グループに属する他の魚に比べて頭や口が大きいのが特徴で、08年に新種報告された。
 WWFは「この数十年間でアマゾンの熱帯雨林の17%以上が人間活動で破壊された」と指摘。「アマゾンの森は生物多様性を守るために重要なだけでなく、二酸化炭素の吸収源としても大きな役割を果たしていることを忘れないでほしい」と訴えている。2010年10月26日15時0分 朝日(山本智之)

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