2009年6月19日金曜日

奈良の宮大工棟梁・西岡常一の「教え」

 奈良の宮大工棟梁・西岡常一の「教え」:
 その木の成育場所から見て性質を察し、適材適所に使った。それのできるのが宮大工の棟梁だった。あと二割ほどかけたら200年はもちまっせ。二百年、三百年という時間の感覚がありましたのや。木は本来きちんと使い、きちんと植えさえすれば、ずっと使える資源なんでっせ。本来持っている木の性質を生かして、無駄なく使ってやる。

 檜の寿命は二千五百年から三千年が限度、杉だと一千年、松だと五、六百年だという。五重塔の軒を見たら分かりますけど、千三百年たってもその姿に乱れがないんです。

 明治以来ですな、経験を信じず、学問を偏重するようになったのは。先に私らがあるんです。体験や、経験を信じないんですな。本に書かれていることや論文のほうを、目の前にあるものより大事にするんですな。学者たちと長ごうつきあいましたけど、感心せん世界やと思いましたな。自分で考え、体で覚えたことは、まだなんぼでも伸びていく。日本古来の修行

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