2009年6月28日日曜日

倍増

 倍増
 帝国ホテルのバーで、二人の詩人が偶然にいき会った。ふたりは新進気鋭の詩人で、競争意識が強かった。二人は表面的には親しそうに隅のテーブルに座ると、お互いに前に会ったときから今まで、どれだけ自分の詩が売れたかということを自慢した。
 「一年ぶりだな、前に会ってから。あれからおれの読者は二倍にもなったよ」
 「おめでとう、おめでとう!キミが結婚したのをちっともしらなかったよ!」

 患者の知恵
 病院で二人の患者が相部屋になった。医者が出ていくと、右側の男が聞いた。
 「私があれほどうめき声を上げたのに、あなたは悲鳴一つ上げなかった。しかし、あなたのほうがひどい怪我をしている。どうしてあなたは、それほど苦痛に耐えることができるのですか?」
 すると、左側の男が答えた。
 「まさかあなたは、私があんなヤブ医者に、折れたほうの足を差し出すと思っているんではないでしょうね?」

 カトリックのお仕置き
 太郎は手のつけられない悪ガキだった。すでにいくつもの小学校から受け入れを断られ、残るは近くのカトリックの小学校のみだった。しかたなく、太郎はそこに行くしかなかった。
 ある日、そこの校長から親が呼び出された。
 「私どもは、太郎少年にはもうもう感心しています。わが校の誇りです」
 びっくりした両親は太郎にたずねた。
 答えて曰く「ボク、あの学校に入ってから、もうこれはダメだと思った。だって、壁を見ると、血だらけになって十字架に打ちつけられている男がぶら下がっているんだもの」

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