塗る太陽電池、実用化めど
ビルの壁や車のボディーで使える「塗る太陽電池」の実用化のめどが立った。量産もしやすく、2013年春ごろに出回ることになりそうだ。従来のガラス板で挟む結晶シリコンではなく、炭素化合物を使う。乾いて固まると「半導体」の役割を果たすようになり、配線を施せば、光に反応して電気を起こす。
煙突や高速道路の屋根など丸みがある物のほか、衣服など曲がる素材に対応できる。通常の太陽光パネルはガラス込みで厚さは数センチ必要だが、この方式だと1ミリ弱で済む。重さも同じ面積なら、結晶シリコン系の10分の1未満に抑えられるという。
塗る太陽電池は、変換効率が課題とされ、世界中で開発が競われてきた。三菱化学は成分や構造を見直し、変換効率10.1%と10%超えに成功。結晶シリコン系の約20%には及ばないが、薄型として市販される膜状シリコン系の太陽電池の水準に追いついた。 2011年7月19日15時21分 朝日
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