2010年9月8日水曜日

敬老の日

敬老の日
 日本には他国に例を見ない日本独自の素晴らしい国民の祝日があります。敬老の日は、長い間社会の為に尽くしてきた高齢者を敬い、長寿を祝う日です。また、それとともに高齢者の福祉について関心を深め、高齢者の生活向上に努めるよう若い世代に促すという気持ちが込められています。1965年に「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」と法律で定められました。

 長寿のお祝いは数え年で61歳(満60歳)になる「還暦」からお祝いするのが習わしとなっています。還暦には自分の生まれた年の干支が一巡し「赤ちゃんに戻る」という意味で、赤いチャンチャンコとずきんを贈るという風習があります。

 起源を辿ると、兵庫県多可町の門脇政夫村長(当時)と山本明助役が1947年(昭和22年)に提唱した「としよりの日」が始まりです。「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」と、農閑期に当り気候も良い9月中旬の15日を「としよりの日」と定め、敬老会を開きました。
 これが1950年(昭和25年)からは兵庫県全体で行われるようになり、後に全国に広がったわけです。その後「としより」という表現は良くないということで1964年(昭和39年)に「老人の日」と改称され、1965年(昭和40年)に国民の祝日「敬老の日」となりました。
 さらに、2003年までは毎年9月15日を敬老の日としていましたが、2001年の祝日法改正、いわゆるハッピーマンデー制度の適用によって、2004年からは9月第3月曜日になりました。因みに今年は9月20日ですね。
 このため、「母の日」のように外国から輸入されたような記念日と違い、日本以外の諸外国にはないことになります。ただし、五節句のひとつである9月9日の重陽と主旨が類似しています。

 さらに起源を遡ればこんな説もあるようです。593年の9月15日に聖徳太子が大阪の四天王寺に「非田院〔ひでんいん〕」を設立したと言われています。「非田」とは「慈悲の心をもって 貧苦病苦の人を救えば、福を生み田となる」という意味があります。非田院は、身寄りのない老人を収容する、今でいう老人ホームのような施設でした。敬老の日はこの「非田院」の設立にちなむと考えられています。

 一年一度のこの日ばかりではなく、常日頃この精神を忘れることなく、たとえば電車のなか、歩行中、エレベーター、建物の出入り口、買い物中等々ちょっとした場で、弱者への思いやりが自然な行動となって現れる社会であって欲しいですね。かつての日本はそうだった。Be a gentleperson!

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