クレーター中心部の斜長岩が露出した「丘」=宇宙機構提供
月面は「マグマの海」だった…かぐやが観測
月の地下は、マグマが冷えてできた「斜長岩」の層が広がっていることが、宇宙航空研究開発機構の探査機「かぐや」による観測で分かった。
誕生後間もないころの月が、マグマの海に覆われていたことを裏付ける有力な証拠になるという。英科学誌ネイチャーに発表した。
今年6月まで月を周回していた「かぐや」が調べたのは、隕石(いんせき)が月に衝突して地表がえぐれているクレーター内の丘69か所。特定の波長の光を月に当て、その反射光を分析して岩の組成を調べた。その結果、直径30キロ・メートル以上ある、深くえぐれた大型のクレーターの中心部ではすべて、純度100%近い斜長岩が露出していた。地下約4~30キロ・メートルの深さで、月全体に斜長岩が広がっているらしい。
「マグマの海」説は、アポロ宇宙船が持ち帰った岩石の分析などから提唱されたが、採取場所は地球から見える月の表側の数か所に限られていた。(2009年9月12日23時06分 読売新聞)
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