彗星のちりにアミノ酸、生命存在の可能性 NASA分析
ビルト2彗星に接近し、ガスやちりを集めている無人探査機スターダストの想像図=NASAジェット推進研究所提供
【ワシントン=勝田敏彦】米航空宇宙局(NASA)は17日、無人探査機スターダストが彗星(すいせい)の近くで採取して地球に持ち帰った試料から、ア ミノ酸の一種「グリシン」が見つかったと発表した。グリシンは生命に不可欠なたんぱく質をつくる物質で、地球外でも生命が広く存在する可能性を示している としている。
スターダストは04年1月、地球から約4億キロ離れたところにあったビルト2彗星に接近。彗星の核から噴き出したガスやちりを採取し、06年1月に地球に持ち帰った。
NASAのチームがこの試料を分析したところ、グリシンが見つかった。グリシンが含む炭素原子の質量の特徴から、チームは「彗星由来と考えられる」と結論づけた。
ウイルスを除く地球の生命は、グリシンを含む20種のアミノ酸の組み合わせでさまざまなたんぱく質を合成し、生命活動に役立てている。
NASAのカール・ピルチャー博士は「今回の発見は、生命の基本的な構成要素は宇宙に広く存在するという考えを支持し、『宇宙で生命は一般的なものかもしれない』とする見方を補強するものだ」とのコメントを発表した。
2009年8月18日10時35分 朝日
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