2013年9月6日金曜日

老化遅らせる遺伝子の仕組み解明


老化遅らせる遺伝子の仕組み解明 米でマウス実験
 【瀬川茂子】老化を遅らせると注目されている「サーチュイン」と呼ばれる遺伝子が働く仕組みを米ワシントン大の今井真一郎准教授らのグループが明らかにした。脳の一部でこの遺伝子が働き、老化現象を左右していることをマウスの実験で確かめた。哺乳類の老化や寿命の仕組みの解明につながる成果で、米専門誌に発表した。
 サーチュイン遺伝子は老化を遅らせ寿命を延ばす働きがあるとされ、働きを強めるサプリメントが開発されるなど注目されている。ただ、その仕組みは不明で、効果を否定する論文も出て議論になっていた。

 グループは、脳の視床下部とよばれる部分でだけサーチュインの働きを強めたマウスを遺伝子操作で作った。このマウスは人の70歳にあたる18カ月になっても、行動量の減少、体温や酸素消費量の低下、筋肉組織の乱れなど老化に伴う現象がみられなかった。
 平均寿命も普通のマウスに比べ、メスで131日(16%)、オスで77日(9%)延びた。視床下部で遺伝子が働くと特定の神経を通じて筋肉に信号が届き、筋肉が若く保たれることで老化が妨げられるという。今井さんは「長い論争に決着をつけることができたと思う」と話している。2013年9月6日15時5分 朝日

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