ヒトとホヤ、「鼻」に共通点 甲南大など発見
*研究に使ったホヤの一種「カタユウレイボヤ」=神戸市東灘区の甲南大
ヒトの鼻の元になる組織が海に生息するホヤにもあるのを発見したと、甲南大などの研究グループが発表した。ヒトと似た感覚器がホヤにも作られていることを示すもので、ヒトなど脊椎(せきつい)動物の進化の解明につながる可能性があるという。研究論文は11日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載される。
尾索(びさく)動物のホヤは脊椎動物に近い生き物で、体の組織を作る遺伝子の働きを調べるモデル生物として注目されている。
研究グループは、受精直後のホヤの胚(はい)や幼生で働く遺伝子を調べた。すると、脊椎動物の感覚器の元になる組織で働く遺伝子が、ホヤでも確認された。遺伝子が働く領域を詳しく調べると、脊椎動物の鼻の元と同じように化学物質を感じるセンサーになったり、生殖にかかわるホルモンを分泌したりする細胞がみつかった。
甲南大の日下部岳広教授(発生生物学)は「ホヤを使った実験を進めることで、脊椎動物の進化の過程をさらに詳しく知ることにつながるだろう」と話す。(今直也)2015年8月11日14時35分 朝日
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