JAXA、暗黒物質の解明に向け観測装置を設置
現在、宇宙物理学・素粒子物理学で最も解明が急がれているのは「暗黒物質」に関する問題で、これは観測が困難な仮説上の物質で、その正体は不明となっている。
暗黒物質の存在を確かめるためには、宇宙を飛び交う電磁波、宇宙線や高エネルギーガンマ線についても詳細に調べる必要がある。
今回のミッションでは「きぼう」の船外実験プラットフォームに「高エネルギー電子ガンマ線観測装置」(CALET)を設置して長期にわたって観測する。
解明を目指しているのは、高エネルギー宇宙線・ガンマ線の起源と加速の仕組み、宇宙線が銀河内を伝わるしくみ、高エネルギー電子、ガンマ線の観測による暗黒物質の正体など。
粒子の生成・消滅という素粒子物理学と、粒子の加速・伝播という宇宙物理学のふたつの視点から、宇宙線天文台として高エネルギー宇宙現象・暗黒物質等の解明を目指す。
装置は気球実験を通じて開発されたもので、非常に高いエネルギーの電子やガンマ線、陽子・原子核成分を高精度で観測できる。銀河の外で、短時間に大量のガンマ線が観測されるガンマ線バーストと呼ばれる現象についても測定するほか、太陽活動の地球環境への影響についても調べる。
CALETによる観測は2~5年にわたって実施し、惑星間空間から銀河系外までの宇宙の広い領域で、高エネルギー宇宙現象の解明を目指す。
暗黒物質については欧州合同原子核研究機関などの国際チームが4月4日、暗黒物質の存在の跡を観測した可能性があると公表している。2013年04月08日(月)
08時22分 Response
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