9日は長崎原爆の日:核なき世界は笑顔あふれ 65回目の夏
平和祈念像前は世界の子供の笑顔がプリントされた傘で彩られた=長崎市の平和公園で7日午後2時5分、下原知広撮影
長崎市は9日、65回目の「原爆の日」を迎える。長崎市の平和公園では平和祈念式典が開かれ、田上富久市長が原爆犠牲者への追悼と核兵器廃絶の決意を表明する。核保有国の英仏、核兵器保有が確実とされるイスラエルの初参加も決まっている。米国は、出席するかどうかを長崎市に回答していない。長崎の被爆者の平均年齢は76歳を超え、被爆の記憶の継承が一層の急務となっている。
式典には、過去最多の32カ国の政府関係者を含む約6000人が参加予定。菅直人首相や各政党代表のほか、天野之弥・国際原子力機関(IAEA)事務局長も参加する。また、外国人被爆者代表として在韓被爆者2人も参列する。
田上市長は平和宣言で、5月に米国で開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議が核軍縮の新条約取り組み合意に至らなかったことや、日本と NPT未加盟の核保有国インドとの原子力協定交渉に対して危惧(きぐ)。日本政府に核密約などの対応への疑義を表明し、政府には核軍縮・核不拡散教育など平和の取り組みも求める。
今年は初めて式典内で長崎原爆の被爆者でつくる「被爆者歌う会『ひまわり』」が合唱を披露するため、式典は例年より5分早い午前10時35分から開始。原爆投下時刻の同11時2分に参加者全員で黙とうする。
原爆の日を前に、平和祈念式典の会場となる平和公園などでは7日、世界の子どもたちの笑顔をプリントした傘100本を開いて平和を祈るイベントが あった。東京都のアートディレクター、水谷孝次さん(59)が国内外で取り組むプロジェクトの一環。呼びかけに応じた100人が傘を一斉に開くと、平和祈 念像はさまざまな笑顔に囲まれた。【下原知広】2010.8.9 毎日
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