アルツハイマー病、9割の精度で診断 脳脊髄液を検査
【ワシントン=勝田敏彦】脳脊髄(せきずい)液中のたんぱく質の濃度を調べることで、90%の精度でアルツハイマー病(AD)が診断できることがベルギー・ヘント大など国際チームの研究でわかった。早期診断にも役立ちそうだ。米医学会専門誌に9日、発表した。
ADは、ベータアミロイドやタウと呼ばれるたんぱく質が、脳の神経細胞に蓄積して起きると考えられている。チームが、脳脊髄液に含まれるこれらの濃度を 調べたところ、ベータアミロイドの濃度が低く、タウの仲間全体の濃度とPタウ181と呼ばれるものの濃度が高いというパターンが、ADの特徴らしいことが わかった。 Dr. Alois Alzheimer
脳出血などがないのに認知機能に障害があることなどからADと診断された患者の90%からこのパターンが見つかった。軽い認知障害があり、脳脊髄液を調べてから5年以内にADを発症した人についても、全員でこのパターンが見つかった。
また、認知障害がない人の36%にもこのパターンが見つかったことから、発症前に予測し、進行を遅らせる薬を早くから投与できる可能性があることもわかった。
脳脊髄液は、背骨の間に針を刺す腰椎穿刺(ようついせんし)と呼ばれる方法で採取する。論文を掲載した専門誌は論説で「完全とはいえないが、脳脊髄液を 調べる検査はADの診断で必要な条件をほぼ満たしている。腰椎穿刺が安全かつ有用なことを知ってもらうべきだ」としている。 2010年8月10日14時24分 朝日
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