2008年7月10日木曜日

5年前に書いたものです2


新たに移った大学の広報誌?コラムへの「趣味」に関する原稿依頼を受けての対応だったと記憶しています。 


時は流れて---
   

趣味は?と問われて答えに窮する近頃だ。かつては、粉雪にまみれながらの山スキー、夏場は地下足袋草鞋で日高の沢登り、薮をこぎガレ場を越えてピークを踏んだ。満天の星空の下、焚き火を囲んで酒を酌み交わしながら、仲間との語らいに酔い、天下国家を論じ自然への畏怖に想いを馳せた。また、スクーバダイビングは、人知の及ばぬ感動的な海の美しさと、その恐ろしさも同時に教えてくれた。

昨今は静的になってきた。幸い国際会議で発表する機会を多く得てきた。論文上の知り合いと、対面を果たすたびに興奮した。あたかも旧知のごとく、一献傾けたものだ。どうしても世界との比較に目が向く。俄仕立てピカピカの愛国者に変貌し、議論は研究・教育は申すに及ばず、文化・歴史、生き方の問題、時には政治や官僚制度、生活の質に及ぶ。

書物で出会った土地を訪れるのが楽しい。これが、レ・ミゼラブルのマドレーヌ寺院なのか、時空の変遷を想うなー。今、ヴェルサイユ宮殿の中にいる、あのダルタニヤンはここで活躍したってわけか。

ここが牢獄シャトー・ディフ、モンテクリスト伯爵の舞台だ。そして今、エピローグのそのホテルの、もしかしたらその部屋に泊まってる!大デュマと同じマルセイユ港の風景を見ているに違いない。

マッターホルンが聳えてる、ウインパーの切れたザイルとピッケル、ザックがある――DNAがこびりついているかも知れない現物をいま目の当たりにしている。ひとり静寂の中でじっと佇んでいると結構感傷的になり、ジンと迫り来るものがある。百聞は一見に如かずだ。帰ったらもう一度読み返そう。

映画の舞台も面白い。次はカサブランカだ、男の美学As time goes byさ!もっと時間(と給料)を!?やりたいことは山とある。

センチメンタルジャーニィーもまた良し、流離いの風来坊、素浪人気質は治るべくもない、風の吹くまま、気の向くままに。でも「世界平和」の4文字はいつも連れて行く!多様な世界、どこか非日常的な場に、ささやかながらお役立ちの場を探るためもある。

2003.9記)

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