電気で生きる生物、初めて確認…理研と東大
理化学研究所と東京大の研究チームは25日、電気をエネルギー源として直接利用し栄養分を合成する微生物を確認したとスイスの科学誌で発表した。
*
A.ferrooxidansの顕微鏡像
太陽光を使う植物の「光合成」、メタンなど化学物質を利用する細菌の「化学合成」に加え、生物の第3のエネルギー利用法が見つかったことになり、理研の中村龍平チームリーダー(物理化学)は「光が届かず、利用できる化学物質もない場所で、新たな生物圏が存在する可能性を示すものだ」と話している。
深海の熱水噴出孔には独特の生態系があり、これまで化学合成細菌が見つかっている。さらに、周辺の岩石には、熱水と触れることで電流が生じているため、研究チームは、噴出孔周辺にすむ「鉄酸化細菌」の一種に着目。ガラス電極の上に置いて0・3ボルトの電圧をかけ、二酸化炭素や水、アンモニアなどを加えて観察したところ、8日間で菌の数が2割増え、栄養となる糖分が作られた。この細菌は化学合成も可能ながら、体内で電圧を1ボルト以上に高め、微弱な電気エネルギーを活用する仕組みを持ち、研究チームは「電気合成」をしていると結論した。2015年09月25日
19時03分 読売
0 件のコメント:
コメントを投稿