「破骨細胞」の働き、宇宙で強まる…骨密度減少
重力がほとんどない国際宇宙ステーション(ISS)で飼育したメダカは、骨を分解する「破骨細胞」の働きが強まり、骨密度が減少していたとする研究成果を、東京工業大の工藤明教授(骨生物学)らの研究チームがまとめた。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文が掲載された。
宇宙滞在中の飛行士も骨密度が減少するが、メカニズムはわかっていなかった。人間も同じ仕組みで骨が分解されると考えられ、研究チームは「宇宙に長期滞在する飛行士の健康管理のほか、高齢者の骨粗しょう症の予防への活用が期待できる」と指摘している。
実験に使われたのは、2012年にロシア宇宙船ソユーズでISSに打ち上げられ、約2か月間飼育された後、地上に戻ったメダカ16匹。研究チームが宇宙で飼育されたメダカの喉の奥にある骨を詳しく調べたところ、地上のメダカよりも破骨細胞の働きが活発になり、骨密度が約2割減っていることがわかった。遺伝子の働きにも一部、異常が見られた。2015年09月24日
17時22分 読売
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