2011年2月27日日曜日

地震と免震構造 3/3

地震と免震構造 3/3 地震・雷・火事・親父

免震構造のデメリット
 全てが耐震構造よりも優れているような免震構造ですが、もちろんデメリットもあります。
一番のデメリットはコストが高いことです。

 耐震構造では必要としない免震装置を生成する積層ゴムや、免震継手の価格や工事費は一つのマンションで億単位になります。

 また、この積層ゴムは消耗品であり、耐用年数がくれば交換しなければなりません。メーカーによっても異なりますが、積層ゴムの耐用年数は40年前後と言われています。
 しかし、免震構造の歴史は浅い為、本当に40年持つのか疑問視する声もあります。耐用年数がきて積層ゴムを交換するときには、何千万、何億のお金が必要となります。そのお金はもちろん、入居者の管理費や修繕積立金から賄われるのです。

 次に免震構造は優れた工法ですが、施工するのにも建築・設備共に高い技術を要します。歴史が浅い為、免震のノウハウを持っている施工会社はまだまだ少ない状態です。設計で免震構造になっていても、施工会社がしっかりしていないと免震構造にきちんとなっていない建物もあるといいます。

もう一つは
 免震構造(免震工法)は“横揺れ地震に対応しているが、縦揺れ地震には対応していない”ことです。
 都市直下型地震は縦揺れ地震といわれています。コストが高いことと、高い技術力を要することが、免震構造マンションがなかなか増えない要因といえます。

 よく目にする免震構造マンションですが、新築マンション全体の約5%程しかないのも、コストが高いことと、高い技術力を要することが要因といえます。戸建てについても免震構造があまり普及していないのは、コストがネックになっているようです。

 ーーとはいえ免震構造は非常に優れた工法であるのは間違いありません。今後、間違いなく日本で主流の構造となっていくでしょう。

 耐震構造の条件は満たしていることになる我が家(耐震偽装がなされていなければ――)、余程のことがない限り家の倒壊は免れそうだ(隣地からの外部要因は不明)。だがしかし、あまり考えたくはないが、激しい揺れに襲われると最悪の場合、地獄絵を見る想定も成り立つ。窓ガラスが飛び散り、書棚、食器棚、タンス、ダイニングボード、家具類、ガラスキャビネットなどが倒れて、それらの下敷きになる可能性がないとは云えない。また、時間帯によっては火災の危険性も無視できない。
 いつ何時、どのぐらいの規模で、どこに発生するかは、現状では(ナマズに聞かない限り)予測不可能な状況で、結局のところ結論は平々凡々とは云え、運を天に任せて現状維持か、厳しい条件を満たしてでも、免震構造の建物という選択肢に拘りを持つか――であろう。
免震構造マンション例

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