2013年12月20日金曜日

葉の成長のカギ解明


葉の成長のカギ解明、細胞内の流れに違い 理研など
 【西川迅】細胞内の「流れ」を変えることで植物の葉の大きさを人為的に変えることに、理化学研究所千葉大学の研究グループが成功した。将来、食糧やバイオ燃料の増産などに役立つ可能性がある。
 植物の細胞内部では、ミトコンドリアや細胞質などが活発に動く「原形質流動」と呼ばれる現象がみられるが、その役割は謎だった。
 研究グループは、細胞内を動き回って原形質流動を引き起こすたんぱく質ミオシンに注目。アブラナ科のシロイヌナズナを使い、遺伝子操作で別の植物のミオシンに置き換えて「高速型」と「低速型」を作成した。
 原形質流動の速さによる成長の違いを調べたところ、通常のシロイヌナズナよりも高速型は葉の面積が4割大きく育った。低速型では3割減ったという。
 詳しく調べると、高速型の葉の細胞の数は通常型と同じだったが、細胞のサイズが大型化していた。植物の成長にかかわる物質がミオシンで効率的に輸送されることで、細胞の成長が促進された可能性があるという。
 葉や根は高速型のミオシンで成長を促す一方で、茎は「低速型」で背丈を低くして風に強くするなど、植物の人工的なデザインも理論的には可能になる。
 米科学誌デベロップメンタル・セルの電子版に掲載された。2013年12月19日09時11分 朝日

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