余震M5以上400回 年平均の3倍超
海域で発生した主な地震の余震回数比較 (マグニチュード5.0以上)6日正午現在
マグニチュード(M)9.0を記録した東日本大震災で、M5以上の余震が400回に迫ろうとしている。過去10年に日本全体で起きたM5以上の地震は年平均120回程度で推移したが、大震災から1カ月足らずで3年分を超えた。気象庁が示す余震域の外側でも、東日本の内陸部で誘発されたとみられる地震活動が続いている。専門家は、東日本全域で広い意味での「余震」が1年近く続くとみて注意を呼びかけている。
6日までに東日本太平洋沖の震源域(長さ500キロ)周辺で発生したM5以上の余震は394回(同日午後5時現在)。このうち M6以上は66回、M7以上は3回。最大震度4以上を観測した余震は90回だった。気象庁地震予知情報課は「観測史上最多。過去の大きな地震と比べても群を抜いて多い」と話す。
中部地方以東の内陸部でも長野県北部(M6.7)や静岡県東部(M6.4)など大震災に誘発されたとみられる地震が起きた。富士山や長野・岐阜県境にある焼岳などの火山周辺でも地震活動が活発化している。
名古屋大の田所敬一准教授(地震学)によれば、これらの誘発地震には(1)東日本大震災の断層の走向と似ている(2)東西方向に引っ張られて起き る「正断層型」--などの共通点がある。大震災後、牡鹿半島(宮城県)が、震源のある東南東方向に約5.3メートル移動するなど大きな地殻変動があり、日本列島を引っ張る力が東日本内陸の地震を誘発している可能性があるという。
東京大地震研究所は「M9クラスの地震では、最大の余震が1年以上先に起こることも考えられる。誘発地震も含めた広い意味での余震は東日本全域で起こると考えて備えてほしい」としている。【八田浩輔、飯田和樹】毎日新聞 2011年4月7日2時30分(最終更新 4月7日2時55分)
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