お雑煮(古くは、大晦日の夜から一日が始まるため既に新年であり、正月の食事をとる家庭もある)
神社仏閣や各地方では伝統的な行事が行われ、その他にも年越しを祝うイベントが行われる。雑煮の調理法は地域ごとに特色がある。また土地の特産物を入れるなど、地方によって特色がある。同じ地域においても差があるが、例えば
• 関東では削り節のダシで鶏肉を使用。
• 千葉県東北部では、地元の濃口醤油と海でとれるハバノリをかける。
• 海でとれた魚やその加工品を入れるのは、岩手県・富山県など各地にある。
• 島根や鳥取の一部では、小豆汁に餅を入れたものを雑煮と呼ぶ場合もある。
• 博多の雑煮。ダシは飛び魚(あごだし)。具はブリ、鰹菜、人参、大根、椎茸、ゴボウ、里芋、丸餅、紅白かまぼこ、ウズラの卵など。縁起物の栗の箸(栗はい箸)で食べる。
• 長崎県島原市の具雑煮のように、季節や風習にとらわれずに通年食べられる物もある。
• 沖縄県には現在も正月に雑煮や餅を食べる風習はなく、祝時の汁物としてはイナムドゥチや中身汁がポピュラーである。しかし同じ琉球文化圏に属する鹿児島県奄美地方においては比較的普及している。
だしについては地域によって種類がいろいろある。例えば昆布、鰹節、カタクチイワシの煮干し(瀬戸内海沿岸など)、スルメ(岡山県県北地域など)などである。
汁の種類
雑煮の汁は地域によって色々なものがある。澄まし汁が68%と多く、次点は合せ味噌であり、関西は白味噌仕立てが多い(全体で12%)。
• 澄まし汁仕立て
o 塩味仕立て、薄口醤油、濃口醤油、白醤油
• 味噌汁仕立て
o 麦味噌仕立て、米味噌仕立て(あわせ味噌仕立て、白味噌仕立て、赤味噌仕立て)
餅の種類
雑煮に入れる餅は地域ごとに差異があり、日本の地方による食習慣の違いを表わす例としてよく持ち出される。
焼いた四角形の切り餅(角餅)を使う人が一番多い。餅を焼かない地域は、関西地方、広島を除く中国地方が多い。
丸餅を使う地域は、糸魚川静岡構造線から西側(愛知・岐阜・三重・鹿児島は除く)である。北海道・富山・石川・福井は混在している。北海道では丸餅と角餅が混在しているが、これは明治以降に移り住んだ人たちによって全国各地の雑煮が持ち込まれた ためであり、現代の北海道では角餅・すまし仕立てに統一される傾向にあるとも言われる。また、丸餅を使っていた関西・中国・四国の地域でも角餅を使う地域 が広がっている。
香川県や岡山県真鍋島のように、小豆の餡(あん、餡子)を入れた餡餅(あんもち)を入れる地域もある。
一方、「餅を使わない雑煮」を作る地方もあり、里芋や豆腐が餅の代替となる。こうした雑煮は稲作の盛んでない山間部や島嶼部に残っている。
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