2010年7月10日土曜日

宇宙帆船「イカロス」、ゆーっくり加速 微量の太陽光で

宇宙帆船「イカロス」、ゆーっくり加速 微量の太陽光で

宇宙空間に帆を広げたイカロス=宇宙航空研 究開発機構提供
 宇宙帆船「イカロス」が太陽の光を帆に受けて加速することに成功したと、宇宙航空研究開発機構が9日、発表した。帆に1カ月間浴び続けた光の力で、秒速 約10メートルの速度変化を確認したという。
 イカロスの帆は表面にアルミが吹き付けられ、鏡のように光を跳ね返す。この力を利用してヨットが風を受けるように進む。
 光の力は極めて弱い。宇宙機構によると、イカロスが受けた力は、地球上で0.114グラムのものを持ち上げるのと同程度。それでも遠く離れた宇宙で光の 力から受けた加速度としては「イカロスが史上最大」(宇宙機構)という。今回は太陽へ近づく軌道制御をした。今後は帆に光が当たる角度を変え、太陽から遠 ざかる軌道制御ができるか確かめる。いまは金星の方向に飛んでいる。
 イカロスは5月21日、金星探査機「あかつき」とともに打ち上げられた。(小宮山亮磨) 2010年7月10日7時51分 朝日

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