2016年2月5日金曜日

「銀河風」撮影成功

激しく噴き出すガス「銀河風」、鮮明に撮影成功
*すばる望遠鏡が捉えた合体した銀河。白く光る銀河からガス(赤い部分)が噴き出している(広島大、国立天文台提供)
 銀河同士が合体する際に、30万光年もの広範囲にわたって激しく噴き出すガス「銀河風」を鮮明に撮影することに成功したと、広島大や国立天文台などが発表した。
 ガスは複雑な形で広がっており、銀河の進化を探る研究に役立つと期待される。論文は米科学誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に近く掲載される。

 宇宙には銀河が数千億以上あるとされ、頻繁に衝突や合体を繰り返している。合体後は銀河内のガスが急激に圧縮され、巨大な星が大量に作られる。この際、寿命の短い星が爆発するなどして、ガスが銀河の外に吹き飛ぶ銀河風が発生する。
 広島大の吉田道利・宇宙科学センター長らは、国立天文台の「すばる望遠鏡」(米ハワイ州)に独自開発した特殊フィルターを装着。地球から約3億5000万光年先にある合体中の銀河を観測した。ガスの状態から、約10億年前に始まった合体の最終段階にあたる約8000万年前以降に、星の大量生成が3回以上起きていたことがわかった。


 地球がある天の川銀河は、隣のアンドロメダ銀河と数十億年後に合体する可能性があり、吉田センター長は「将来の姿の予測につながる可能性がある」と話す。20160205 1321分 読売

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