2014年7月17日木曜日

もうひとつの地球、「発見の日は近い」

もうひとつの地球、「発見の日は近い」 NASA
500光年先に浮かぶ地球と同じ大きさの惑星(想像図)=NASA AMES/SETI INSTITUTE/JPL-CALTECH提供

(CNN) 広い宇宙の中から地球に似た惑星を探し出し、そこに生命が存在する手掛かりをつかむという目標は、意外と早く達成されるかもしれない――。米航空宇宙局(NASA)でこのほど開かれた地球外生命探査についての会合で、科学者らの見解が一致した。
米マサチューセッツ工科大学の惑星科学者、サラ・シーガー教授は「科学技術の面で、もうひとつの地球と生命存在の証拠を発見できる段階はすぐそこまで近づいている」と話す。

「われわれの銀河には少なくとも1000億個の惑星がある。わずか5年前には分かっていなかったことだ」――米メリーランド州にある宇宙望遠鏡科学研究所(STSI)のマット・マウンテン所長は、そう指摘する。
マウンテン所長によると、これは2009年に打ち上げられたケプラー宇宙望遠鏡の観測によって判明した。恒星の前を惑星が横切ることで生じる光の変化が手掛かりになった。
ケプラーの観測では最近、恒星から適度な距離があり生命存在の可能性がある「ハビタブルゾーン」に、地球とほぼ同じ大きさの惑星が初めて発見されている。
こうした観測の基礎を築いたのは、1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡だ。NASAはその後継機として、2018年にジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を打ち上げる。

ハッブルが高度約600キロの軌道上を周回しているのに対し、ジェームズ・ウェッブの軌道高度は約150万キロと、地球から月までの距離の約4倍に及ぶ。
マウンテン氏によれば、科学者らはこれまでの観測で、太陽から200光年の圏内にある恒星の位置をすべて把握している。この情報を基に観測を続ければ、新たに多数の惑星が発見される見通しだ。
「基本的にはすべての恒星に惑星がある」と、シーガー氏は説明する。恒星が発する光の一部は、その惑星の大気を通過する。通過した光をジェームズ・ウェッブでとらえて分析することにより、大気の成分を推定することができる。大気中に生物から発生したとみられる気体が含まれていれば、惑星に生命体が存在することになる。

ハビタブルゾーンの惑星には液体の水が存在する可能性があるという=ESO提供

恒星の近くで地球サイズの惑星を発見するのは、「サーチライトのそばでホタルを見つけるようなもの」といわれるほど困難な作業だ。しかし、もうひとつの地球を見つけようとする科学者らの意志は固い。

NASAのボールデン長官は「無限に広い宇宙の中で、人間だけが唯一の生命体である可能性は非常に低い。私はそう考えるグループのひとりだ」と話している。2014.07.16 Wed posted at 12:14 JST

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