2013年3月23日土曜日

宇宙は138億歳? 通説より1億年高齢


宇宙は138億歳? 通説より1億年高齢 

(CNN) 欧州宇宙機関(ESA)と米航空宇宙局(NASA)が、誕生から間もない宇宙の姿をかつてない精度で描いた地図を作成し、21日に発表した。宇宙創生の過程を解明するのに役立つと期待されている。
研究チームは宇宙誕生のビッグバンが残した光の「宇宙マイクロ波背景放射」をESAの宇宙望遠鏡「プランク」でとらえ、誕生から間もない宇宙の温度分布を色で示した。
この地図に描かれているのはビッグバンから38万年後の姿で、宇宙の歴史からみればまだ「幼少期」に当たる。新しいデータから算定した宇宙の現在の年齢はおよそ138億歳。これまで考えられていたよりも1億年ほど高齢だったという。
この地図について米国の専門家は、宇宙論にとってのヒトゲノム計画に匹敵する重要性があると評価する。
NASAの専門家によると、宇宙の光はまず高温の白熱光から始まり、目がくらむほどまぶしかったはずだという。
しかしビッグバン以降、この白熱光は急激に温度が下がり、宇宙は1100倍の大きさに広がった。温度が下がった白熱光は見えなくなったが、プランク 望遠鏡はおよそ1億度という「わずかな」温度の違いをとらえた。地図ではこのデータをもとに、平均温度を白、平均を上回る温度は赤、下回る温度を青で示している。

プランクのデータからは、宇宙に存在する「暗黒物質」がこれまで考えられていたより多いことも判明した。暗黒物質は間接的にしかとらえられない現象 で、宇宙の26.8%を占めていることが分かったという。これに対して、惑星や恒星などの観測可能な物質が宇宙に占める割合はわずか4.9%にすぎない。
宇宙の残りはさらになぞの多い「暗黒エネルギー」でできている。暗黒エネルギーはまだ観測されたことがない。しかしその量はこれまで考えられていたよりも少ないようだという。
こうした観測結果からはじき出した宇宙の膨張率(ハッブル定数)は、毎秒メガパーセク(1メガパーセクは330光年)当たり67.15キロ (67.15km/sec/Mpc)。これまでの定説では73.8km/sec/Mpcと算定されており、この差は学会で大きな注目を集めそうだと専門家 は指摘する。
プランク望遠鏡は2009年5月に打ち上げられた。今回の解析結果は最初の15カ月半のデータをもとにしている。2013.03.22 Fri posted at 12:24 JST

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