臓器まで透ける金魚 人の病気研究用、三重大など作製
体内の臓器や筋肉が透けて見える金魚を作製することに三重大の田丸浩准教授、名古屋大の秋山真一特任助教らが成功した。同時に開発した金魚の遺伝子組み 換え技術と合わせれば、人の病気を金魚で再現して発症のしくみを解明したり、特定のたんぱく質を光らせて、体内での働きを調べたりできる。横浜市で12日 まで開かれていた日本分子生物学会で発表した。
田丸さんらは、研究用に広く普及するインド原産のゼブラフィッシュを実験に使っていたが、生後半年でも体長が2~3センチと小さく、血液の成分やたんぱく質の性質を調べるには、不十分な量しか確保できなかった。
金魚が、飼育や入手が簡単で体も早く大きくなることに注目。国内有数の金魚の産地、愛知県弥富市の養殖業者の協力で金魚の突然変異体を収集した。その中から、透明度の特に高い個体を選び出して掛け合わせ、約2年かけて、内臓が透けて見える金魚をつくり出した。
また、金魚の受精卵に、発光たんぱく質の遺伝子を組み込み、成長した金魚で特定の遺伝子が働く場所を光らせることにも成功した。
田丸さんは「体が大きいので、病気などによる内臓の変化も観察しやすい。金魚に作らせたたんぱく質の働きを生体で調べ、取り出して創薬につながる研究に利用することも簡単になる」と話した。(林義則) 2009年12月14日15時1分 朝日
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