2014年9月12日金曜日

大型肉食恐竜:、泳いでいた?

大型肉食恐竜:スピノサウルス、泳いでいた?
水中で過ごしていた可能性が出てきた大型肉食恐竜「スピノサウルス」の骨格のイメージ図。大きな背中の「帆」が特徴だ=サイエンス提供
 大型の肉食恐竜「スピノサウルス」が水中を泳いでいた可能性があることを、米シカゴ大などの研究チームが骨格化石の分析から明らかにし、11日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。恐竜が水中でも過ごしていた可能性を示す研究は初めて。

 研究チームは、モロッコの白亜紀後期(9700万年前ごろ)の地層から発掘されたスピノサウルスの頭骨や脚などの化石を分析した。
 その結果、体長は15メートルを超え、ティラノサウルスより大きかった可能性があることが分かった。口の先端はワニ類と似た形状だったほか、鼻の穴は後方にあり、口に水を入れたまま呼吸するのに向いていたと考えられるという。また、骨盤は他の大型肉食恐竜の半分しかなく、後ろ脚が短かった。

 このような体格は後ろ脚で全身の体重を支えることが難しい一方、泳ぎが上手だったと推測される。後ろ脚の指は平べったく、水かきを持っていた可能性があり、背中の大きな帆は水中でも目立つように進化したのかもしれないという。
 これらの特徴からチームは「スピノサウルスは、陸上よりも水中で過ごす時間が長い恐竜だった」と結論付けた。恐竜時代、水中で過ごす大型生物には首長竜や魚竜がいたが、いずれも恐竜とは別の種類。


 真鍋真・国立科学博物館生命進化史研究グループ長は「スピノサウルスの仲間が、魚を食べていたことは知られていた。水中生活に適応するため大型化したのかもしれない」と話す。【永山悦子】毎日新聞 20140912日 0730分(最終更新 0912日 1004分)

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