温州みかん
師走が近い今日この頃、もう直ぐ「こたつ&みかん」の季節がやってくる。我々がよく口にする代表的なみかんの正式名称は『温州みかん』という。ちなみにこれ「おんしゅう」ではなく「うんしゅう」と読みます。温州みかんの「温州」って、どこだろう?こんな地名日本にあったっけ?
みかんを『広辞苑(第四版)』でひいてみると、真っ先に「ミカン属の一品種の温州蜜柑のこと」と出ていた。
さて、柑橘類には土地の名前が入ることが多い。愛媛県の『伊予柑』や、宮崎県の『日向夏』などは好例だ。さらに、和歌山県を思い浮かべる人も多いだろうが、旧名は「紀州国」。温州の“う”の字も出てこない。……じゃあ、「温州」って一体どこの地名なのだろうか?
意外や意外。温州は、中国の東シナ海に面した浙江省(せっこうしょう)にある市の名前。日本ではなく中国の地名だったのだ。温州は、中国では「ウェンジョウ」と発音されており、それが日本で「うんしゅう」と読まれるようになったらしい。
でも、肝心の温州と『温州みかん』の関係はどうなのか? JA和歌山県農の広報担当者の弁によれば・・・
「このみかんは、浙江省の温州が柑橘産地であることも手伝ってか、中国原産と思われがち。しかし実際は、鹿児島県の長島地域が発祥の地だといわれています。中国の『橘録』という書物で、温州のみかんを褒める記述があり、温州みかんはそれにちなんで付けられた名前のようです」
ちなみに欧米では、このみかんを原産地である鹿児島にちなんで、「サツマオレンジ」「サツママンダリン」と呼んでいるそう。なんと、英語圏の人々の方が、正しい産地名で呼んでいたとは……。
なお、日本の全柑橘類の生産量うち、約3/4は『温州みかん』が占めているそうで、その実力を再確認させられた。
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