未知の系統の人類、4万年前シベリアに DNA調べ判明
約4万年前のロシア・シベリア南部に、これまで知られていなかった系統の人類が生存していたことを、ドイツなどの国際研究チームが突きとめた。いまの人 類と、絶滅したネアンデルタール人は約47万年前に枝分かれしたとされるが、DNAの解読結果からさらに古い、いまより104万年前に共通の祖先から分か れていることがわかった。
英科学誌ネイチャー電子版に発表する。
カザフスタンとの国境に近いロシアのアルタイ山脈にある「デニソワ洞穴」から2008年に発掘された人の小指の骨の化石を分析した。4万8千年~3万年 前の地層にあった。研究チームはこの骨の粉末30ミリグラムから細胞内の小器官であるミトコンドリアのDNAを抽出し、塩基配列を解読した。
その結果、この指の主は、いまの人類やネアンデルタール人と異なる未知の人類とわかり、「デニソワ人」と名づけた。
デニソワ洞穴では石器などが見つかり12万5千年前から人類がすんでいたことがわかっており、インドネシアで10万年前まで生存した人類など多様な人類 が同一時代にユーラシアで共存していたことになる。ただ、デニソワ人がどういう姿をしていたかまではわからなかった。
人類の祖先はアフリカから広がったとされ、いまの人類は5万年前にアフリカを出たと考えられている。
国立科学博物館の馬場悠男名誉研究員は「人類の進化や拡散がより詳しくわかる成果で、大きな進歩だ」と話している。(松尾一郎) 2010年3月25日12時13分 朝日
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