北極星、これまでの推定より近かった
北極星を回る星の筋。地球の自転と長時間露光により、このような写真が撮れる。
Photograph by James Forte, National Geographic
北極星は大昔から船乗りたちを導いてきた。だが最新の研究から、この星と地球との距離が、これまでかなり過大に見積もられていた可能性があることがわかった。
北極星(ポラリス)が発する光の量を調べてきた国際研究チームの発表によると、北極星は実際には、従来考えられていたよりも30%太陽系に近く、約323光年の距離にあるという。
研究チームは、ロシアにある口径6メートルの望遠鏡を使い、北極星の光のスペクトルの分析と、表面温度と本来の明るさの変化のデータから、太陽系とこの星の距離を計算することができた。
その結果によると、これまで認められてきた434光年という数字は大幅に修正されることになる。従来の数字は、1990年代に星の位置を測定した欧州宇宙機関(ESA)のヒッパルコス衛星により得られたものだ。
カナダのノバスコシア州ハリファックスにあるセントメリーズ大学の天文学者で、今回の研究を率いたデイビッド・ターナー(David Turner)氏は、北極星が近かったという新発見は「ヒッパルコス衛星による最も確実と考えられてきた成果の1つに対するものであり、まったく予期せぬ ことだった」と話す。
北極星(ポラリス)が発する光の量を調べてきた国際研究チームの発表によると、北極星は実際には、従来考えられていたよりも30%太陽系に近く、約323光年の距離にあるという。
研究チームは、ロシアにある口径6メートルの望遠鏡を使い、北極星の光のスペクトルの分析と、表面温度と本来の明るさの変化のデータから、太陽系とこの星の距離を計算することができた。
その結果によると、これまで認められてきた434光年という数字は大幅に修正されることになる。従来の数字は、1990年代に星の位置を測定した欧州宇宙機関(ESA)のヒッパルコス衛星により得られたものだ。
カナダのノバスコシア州ハリファックスにあるセントメリーズ大学の天文学者で、今回の研究を率いたデイビッド・ターナー(David Turner)氏は、北極星が近かったという新発見は「ヒッパルコス衛星による最も確実と考えられてきた成果の1つに対するものであり、まったく予期せぬ ことだった」と話す。
*天の灯台、北極星
北極星がよく知られているのは、この星が北半球から見た空の中で、地軸の北極方向に固定した位置を保っているからだ。ほかの星は、北極星を中心に回っているように見える。天の北極を指し示すこの星が、4日周期で暗くなったり明るくなったりすることは以前から知られていた。明るさを変化させるケフェイド変光星と呼ばれるグ ループに属する。北極星は、ケフェイド変光星の中で最も太陽系に近く、最も明るい星と考えられている。
またこの星は、研究者が数十億光年という宇宙的な距 離を測定するための、一種の宇宙論的物差しとしても利用されている。そのため、北極星までの本当の距離を確実に把握することは、宇宙の理解のためにきわめて重要なのだとターナー氏は強調した。
例えば、宇宙の膨張を加速する原因と考えられている謎の力、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)の研究も、北極星のような星のデータに左右される。
*北極星の周囲を回る未知の天体?
今回の研究では、北極星を取り囲むように見えるいくつかの恒星の位置も測定した。これらの星がみな、元は1つの星団に属していたけれども現在は離れ離れになったものであると示唆する証拠も明らかになった。
「この星系には、いくつかのケフェイド変光星のほかに2つの恒星が含まれることが知られている。だが、まだ未知の天体が北極星の周りを回っている可能性もある。例えば公転する巨大な惑星などが考えられる」。
「北極星には間違いなく、まだ奇妙な点がいくつか残っている。そのため、この星は今後何年も研究対象であり続けるはずだ」とターナー氏は話している。研究結果は「Astrophysical Journal Letters」に掲載の予定。Andrew Fazekas for National Geographic News 2012年12月05日毎日
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