2015年4月30日木曜日

脳の構造は世帯収入により差

脳の構造は世帯収入により差、裕福な家庭の子どもの成績が良くなる背景に?MITから報告
中学生を対象とした検証結果
写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Brandon Martin-Anderson/クリエイティブ・コモンズ表示-継承 2.0 一般)
 中学生では、脳において知識が保存される場所の構造に、世帯収入による違いがあることが分かった。
 米マサチューセッツ工科大学(MIT)、マクガヴァン脳研究所のアリソン・マッキー氏らの研究グループが、精神分野の国際誌であるサイコロジカル・サイエンス誌において2015年4月17日に報告している。

中学生を対象とした研究結果
 米国では高所得家庭の子どもと低所得家庭の子どもの学力差が広がっている。これまでの研究では、低所得家庭の子どもは幼いころにストレスを感じることが多く、学習する機会が少なく、話し言葉に触れる機会が少ないため、学力低下につながっていると明らかにされてきた。
 研究グループは、低所得家庭の子ども23人、高所得家庭の子ども35人、計58人の12歳か13歳の学生を対象として検証した。低所得かどうかの基準は、学食が無料か割引になる認定を受けている場合とした。
 「マサチューセッツ州総合評価システム」という学力スコアと、大脳皮質のMRI結果を比べた。大脳皮質は、思考、言語、知覚、運動指令といった機能を果たす場所である。

大脳皮質が厚さを回復させる対策を
 その結果、脳の表面に近い「大脳皮質」のうち側面から後方までに当たる「側頭葉」と「後頭葉」の厚さに違いがあると分かった。大脳皮質の部位の厚さに違いがあると、収入の差が44%に及ぶと分かった。
 研究者は、「脳は非常に柔軟であるため、今後の教育支援、家庭における支援などによって脳の差は大きくならない可能性がある」と語っている。どのような教育プログラムで学力差を縮められるか、またこれが脳構造に影響を及ぼすかについて今後研究されるようだ。

 折しも親の収入と子どもの学力との関係を検証する研究は、神経科学分野の国際誌ネイチャー・ニューロサイエンス誌にも掲載されたところ(親の学歴が高く収入が多いほど子どもの脳は発達しているを参照)。差が固定化されないような対策が必要だろう。
文献情報
Mackey A et al. Study links brain anatomy, academic achievement, and family income. Psychological Science. 2015 Apr 17.

http://newsoffice.mit.edu/ 2015430 3:00 PM Medエッジ

NASA:冥王星に雪?

NASA:冥王星に雪? 接近の探査機撮影
米探査機「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星。表面に模様が見える=NASA提供
 米航空宇宙局(NASA)は29日、太陽系の準惑星である冥王星に初めて接近する探査機「ニューホライズンズ」がとらえた冥王星の最新映像を公開した。表面の模様が見え始め、一部に明るい領域が見つかった。窒素が凍った雪で覆われた「極冠」がある可能性があるという。

 今月12〜18日に冥王星から9300万〜1億400万キロの距離で撮影した。探査機側を向いている冥王星の極域が、周囲より明るく見えた。映像では、冥王星と衛星カロンが6.4日周期でお互いに回っている様子もとらえられた。
 ニューホライズンズは2006年に打ち上げられ、今年7月14日に冥王星に最接近する。【酒造唯】毎日新聞 20150430日 1034分(最終更新 0430日 1233分)

新種恐竜、膜広げ飛ぶ?

新種恐竜、膜広げ飛ぶ? 中国で化石発見
 
膜を広げて飛ぶ恐竜「イー・チー」の想像図(DINOSTAR社提供)
 コウモリやムササビのように飛ぶときに広げる「飛膜」を持つとみられる新種の小型恐竜の化石を発見したと、中国科学院のチームが29日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 恐竜には羽毛の翼で飛ぶものもおり、鳥の起源と考えられている。飛膜を使う飛び方は途絶えたが、飛ぶために恐竜が多様に進化していた可能性を示しているという。
 化石は中国河北省にある約1億6千万年前のジュラ紀の地層で農民が見つけ、チームが分析した。ハトほどの大きさで頭は約4センチ、体重約380グラムと推定した。
 長い前脚の先端に長い指や突き出た骨があり、これらの周りに皮膚でできた膜があった。(共同)2015430 0529分 東京

2015年4月29日水曜日

アダムズ・ホテル

アダムズ・ホテル(米国・モンタナ州)

ウェディングパーティーの飾りつけ(インドネシア)

オーロラと漁師の小屋(ノルウェー)

カリブーと秋のツンドラ(カナダ)

スマトラトラ

  ナショジオから

水とCO2から合成燃料を生産

水とCO2から合成燃料を生産、車走る 独アウディ
水と空気を使って合成燃料を生産=SUNFIRE GMBH/CLEANTECH MEDI提供
(CNNMoney) 独自動車大手アウディはこのほど、東部ドレスデンの研究施設で、二酸化炭素と水からつくる合成燃料「eディーゼル」の生産を開始したと発表した。
eディーゼルは硫黄などの汚染物質を含まない透明な液体燃料。開発にはアウディと提携するクリーン技術会社、独サンファイアの技術が使われた。
まず水蒸気を摂氏800度以上に過熱して、水素と酸素に分解する。この過程には太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使う。
次に、空気中から取り込んだ二酸化炭素と水素を合わせて高い圧力をかけ、「ブルー・クルード」と呼ばれる液体を作る。
最後にこれを精製すればeディーゼルが出来上がる。単独またはガソリンなどとの混合で使うことができるという。
ドイツのワンカ教育研究相は先週、eディーゼルの最初の5リットルを自身の公用車に注入し、プロジェクトの成功を宣言した。ワンカ氏は「二酸化炭素を資源として活用する技術が普及すれば、環境保護や資源の有効利用に役立ち、グリーン経済の基礎を確立することができる」と述べた。

サンファイアの施設では今後数カ月間に3000リットル以上のeディーゼルを生産する計画だ。価格は1リットル当たり税別で1~1.2ユーロ(約130~156円)。ドイツのガソリン価格は現在、同0.6ユーロ前後となっている。2015.04.29 Wed posted at 17:28 JST

2015年4月25日土曜日

そろい踏み

そろい踏み
*平和とは『気づきmindfulness』を実践すること、すなわち自分の考えと、行動と、その行動の結果をきちんと意識することです。ティク・ナット・ハン

*「相互存在interbeing」――すなわち、あなたと私や、あなたと他の人々を隔てるものは何もなく、私たちはみな「相互に在る」ということです。ティク・ナット・ハン

*「『目には目を』を実行していたら、世界中の人が盲目になってしまう」マハトマ・ガンジー

*「蓮は大理石では育てられない。蓮は泥で育てなければならない」仏陀

*「どこで充分となるかを知っていれば、おのずと充分になる。しかし充分になるまで待っていれば、決して充分にはならない」孔子

*「すべての生命は互いに関わりあっている。私たちは相互依存のネットワークの中にあり、誰もそこから逃れることはできない。私たちはみな単一の運命の衣服に絡められている」マーティン・ルーサー・キング・ジュニア

*「あなたの敵を愛し、あなたを迫害する者のために祈りなさい。あなたを愛する者しか愛さないなら、何の報いがあるでしょう?」イエス

*「あなたを憎む人を暴力で殺せても、それで憎しみは殺せない」マーティン・ルーサー・キング・ジュニア

危機管理?

危機管理?
*先生と生徒
先生「パブロフ君、シベリアはどこにあるかな?」
生徒「アジアです」
先生「どういう方法でそこへ行けるかな?」
生徒「裁判所を通じて行くのが一番簡単です!」

*日本人と欧米人
質問者「20階から飛び降りるのと、3階から飛び降りるのではどちらの方がリスクが高いか」
日本人「20階」
欧米人「3階」
(20階から落下すれば「必ず死ぬ」ので、それをリスクとはいわない)

*医者と患者
医者「ベンツウはいかがですか」
患者「今日はベンツではなく、ポルシェで来ました」

謎の海底隆起

謎の海底隆起、300メートル超に 近くの町道は陥没
 
羅臼町役場の職員らが海底から隆起した部分(中央)を調べていた=25日午前8時12分、北海道羅臼町、恵原弘太郎撮影
 北海道の知床半島の海岸沿いに、1日の間に新たな陸地が出現した現象から一夜明けた25日朝、地元の羅臼町など関係機関の担当者が現地を訪れた。新たな陸地には海藻やウニなどの海洋生物が多数付着し、崖崩れなどではなく、「海底の隆起」だと判断した。町によると、近くの町道が幅20~30メートルにわたって陥没しており、町は同日朝、「災害対策本部」を設置した。

海底が謎の隆起、海面10m超の高さに 知床半島の沿岸
 現地確認は同町や中標津署、羅臼海上保安署、羅臼漁協などが実施。新たな陸地の規模は長さ300~500メートル、幅約30メートルで、隆起の高さは10~15メートルだった。岩盤がクレバス状に大きく開いたり、内圧によって表面が網目状に裂けたりしたとみられる場所が複数見つかった。また、現場に沿った崖には崩落の跡があり、斜面がさらに崩れる恐れがあった。

 現地を見た羅臼漁協の田中勝博組合長は「まだ少し動いているようだ」と話しており、町は現場付近を立ち入り禁止にし、釧路地方気象台に写真を提供するなどして情報収集を進めている。札幌管区気象台は「ここ1週間ほどの間に周辺で地震は観測されていないし、火山活動で何かが起きているというのもない。隆起の原因は分からない」としている。(神村正史)20154251131分朝日

2015年4月24日金曜日

植物細胞が融合

植物細胞が融合 名大グループ発見
 名古屋大学の丸山大輔特任助教(植物生理学)らの研究グループは、植物の細胞が融合する現象を新たに発見したと発表した。植物の細胞は硬い細胞壁に覆われているため、卵細胞の受精といったケースを除き、細胞同士が融合することはないと考えられており、「生物学の教科書を書き換える発見」という。研究成果は23日付の米科学誌「セル」電子版に掲載される。

 植物は雌しべに受粉すると、花粉から管を伸ばし、種子のもとになる組織「胚珠」へ精細胞を届ける。この際、卵細胞の隣にある「助細胞」が、花粉管を正確に胚珠へ導くための誘引物質を分泌する。研究グループは、受精後、助細胞が分泌をやめる仕組みを解明するため、シロイヌナズナをレーザー顕微鏡で観察した。発表によると、受精後、胚へ栄養を供給する細胞「胚乳」が作られると、胚乳は隣り合う助細胞と融合。この融合により、助細胞が分泌機能を失うことを確認した。

 研究成果について、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の長谷部光泰教授(植物発生学)は「地道な観察によって得られた結果。これまで予想されておらず、植物細胞が融合する現象が、ほかにもある可能性を示唆している」と話した。20150424Yomiuri Shimbun

2015年4月23日木曜日

暗黒物質の解明に向け観測装置

JAXA、暗黒物質の解明に向け観測装置を設置
現在、宇宙物理学・素粒子物理学で最も解明が急がれているのは「暗黒物質」に関する問題で、これは観測が困難な仮説上の物質で、その正体は不明となっている。
暗黒物質の存在を確かめるためには、宇宙を飛び交う電磁波、宇宙線や高エネルギーガンマ線についても詳細に調べる必要がある。
今回のミッションでは「きぼう」の船外実験プラットフォームに「高エネルギー電子ガンマ線観測装置」(CALET)を設置して長期にわたって観測する。

解明を目指しているのは、高エネルギー宇宙線・ガンマ線の起源と加速の仕組み、宇宙線が銀河内を伝わるしくみ、高エネルギー電子、ガンマ線の観測による暗黒物質の正体など。
粒子の生成・消滅という素粒子物理学と、粒子の加速・伝播という宇宙物理学のふたつの視点から、宇宙線天文台として高エネルギー宇宙現象・暗黒物質等の解明を目指す。
 
打ち上げられたCALETは「きぼう」船外実験プラットフォームに設置される。CALETは、最新の検出・電子技術を用いた「カロリメータ」と呼ばれる装置を搭載し、宇宙を飛び交う粒子のエネルギー量とそれらの粒子の種類や飛来方向を測定する。
装置は気球実験を通じて開発されたもので、非常に高いエネルギーの電子やガンマ線、陽子・原子核成分を高精度で観測できる。銀河の外で、短時間に大量のガンマ線が観測されるガンマ線バーストと呼ばれる現象についても測定するほか、太陽活動の地球環境への影響についても調べる。

CALETによる観測は25年にわたって実施し、惑星間空間から銀河系外までの宇宙の広い領域で、高エネルギー宇宙現象の解明を目指す。

暗黒物質については欧州合同原子核研究機関などの国際チームが44日、暗黒物質の存在の跡を観測した可能性があると公表している。20130408日(月) 0822分 Response

ホーキング博士が語る

世界は危機に瀕している・・・。天才物理学者・ホーキング博士が語る「私たちの未来とは?」
現代宇宙論の第一人者とも言われる、イギリスの理論物理学者、スティーヴン・ホーキング博士。
彼は、学生のころに“筋萎縮性側索硬化症”という全身の筋肉が少しずつ動かなかくなっていく難病を発症し、身体の自由を失いました。しかし、数年で死に至る病だと言われているにもかかわらず、彼は奇跡的に発症から50年以上たった今も生き続けており、研究に力を注いでいます。

そんな彼が、コンピューターによる合成音声を利用し、TED talksでスピーチを行い、誰もが疑問に思っている宇宙誕生の謎、地球外生命体の存在、人類の未来について語ってくれました。

彼のスピーチをまとめると、
1.未だ解明されない宇宙の謎宇宙の謎について多くの研究が行われ、進化の法則はある程度理解できるようになった。しかし、宇宙の始まりには多くの謎が残されている。
2.地球外生命体は存在する地球の生命誕生の歴史から考えれば、他の惑星に生命がいると考えるのは当然。しかし、私たちと同等の文明を持ったものは存在しないだろう。
3.人類の進歩のために、宇宙にでるべき地球上の有限な資源は底をつき始め、今危機的な状況である。人類がこの先の数百年も進歩し続けたいならば、宇宙にでるべき。

本日私は、皆さんが抱いている宇宙の疑問についてお話ししたいと思います。一つは、宇宙はどのようにできたのか。二つ目は、地球外生命は存在するのか。三つ目は、人類の未来には何が待っているのか、です。

未だ解明されない宇宙の謎
1920年代までは、宇宙とは変化のないものであると考えられていましたが、今では銀河が地球から離れていっていることが発見され、宇宙は広がり続けているということが分かっています。
このことから、以前は地球と銀河系はもっと近い距離にあり、さらに言えば150億年ほど前、ビックバンの頃には一つのものであったと考えられます。
Earth and Saturns moons to scale.
では、ビッグバンの前には何かあったのでしょうか?もし何もなかったとすれば、何が宇宙を作ったのでしょう。
私たちは、宇宙の進化については、マクスウェル方程式や一般相対性理論のような法則を見出し十分な知識を得てきました。しかし、宇宙の始まりについては、解明することができませんでした。宇宙は自己発生が可能で、自らを創造したという見解もありますが、別の方法で生まれたという可能性も考えられるのです。
私たちが完全に宇宙を理解するのは非常に高度なことなのです。

地球外生命体は、存在する
二つ目に、宇宙に私たち以外の別の生命は存在するのかということについてです。
地球の誕生は46億年前だと考えられている中で、発見された藻類の化石は35億年前のものでした。つまり、100億年の歴史ある地球において、わずか数億年で生命が誕生したということを示しています。生命が自然に生まれる確率は非常に高いのです。ですから、他の惑星でも同じように生命が誕生していても不思議ではないのです。

しかし、宇宙人は地球を訪ねてこないようです。宇宙人やUFOに関する報告は、おかしな人の発言だと判断され、みな信じていません。政府の陰謀で、宇宙人の情報が隠蔽されているということも、あまりに非効率なので考えにくいでしょう。
これはつまり、私たちのレベルに発達した文明は、地球から数百光年の範囲には存在していないということだと考えられます。

私たちの未来のために
宇宙にでよう
では、三つ目の大きな問題、人類の未来について考えましょう。もし私たちが、銀河で唯一の文明であるならば、私たちはこの宇宙で確実に生存し続けなくてはなりません。

しかし私たちは今、歴史上でも最も危険な時代にさしかかっているようです。地球にある有限な資源はどんどん減っています。

さまざまな技術の発展により、環境を良くすることも悪くすることもできることを知りながら私たちは、利己的で攻撃的な本能に従い、今も衝突や破壊を続けているのです。それでは今後100年、1000年、数百万年先を考えた時、生存の危機を迎えることが目に見えています。
この先、私たちが生存し続ける方法は、この地球上にとどまり続けることにこだわらず、宇宙に広がって生きていくことでしょう。次の数百年も進歩し続けたいならば、人類の未来は宇宙にあるのです。

私は人生のすべてをかけて、宇宙に対する問いの答えを探し、宇宙を理解しようとしてきました。私の障害が、その試みを妨げなかったことは幸いです。それどころか、障害があったからこそ他の人々より多くの時間を、研究に費やすことができたのだと思います。
私たち人類の最終的な目標は、宇宙の謎を解明し、これからも進歩を続けていくことだと考えます。ありがとうございました。TABI LABO TABI LABOTED talks

2015年4月22日水曜日

恐竜の卵43個、工事現場から出土

恐竜の卵43個、工事現場から出土 中国の「恐竜の故郷」で
香港(CNN) 中国南部広東省の河源市で、工事現場から恐竜の卵の化石43個が出土した。河源市は「恐竜の故郷」とも呼ばれ、市内の博物館は恐竜の卵の収蔵数で世界一に認定されている。
卵43個の化石は道路の舗装工事をしていた作業員が19日に発見。舗装工事は中断され、研究者や作業員が発掘作業に当たった。43個のうち19個は完全な形が保たれていて、最も大きいもので直径が13センチあった。
河源博物館は恐竜の卵の収蔵数で2004年にギネス・ワールド・レコードに認定された。しかし同博物館の副館長によると、市中心部の繁華街で化石が見つかったのは初めてだという。
どんな恐竜の卵だったのかは今後の調査で調べる予定。河源博物館に収蔵されている卵のほとんどは、8900万年前に生息していたオビラプトルやハドロサウルスのものだという。

中国国営新華社通信によれば、同市では1996年に建設現場で遊んでいた子どもの発見を皮切りに、約1万7000個の恐竜の卵が発掘されている。2015.04.22 Wed posted at 15:15 JST

3階建てスーパージャンボ機

3階建てスーパージャンボ機、CO2排出ゼロ コンセプト披露
オスカー・ベニャル氏が次世代スーパージャンボのコンセプトを発表=同氏提供
(CNN) 太陽光と水素エンジンで飛行でき、二酸化炭素(CO2)を排出しない3階建てのスーパージャンボ機――。未来の航空機のコンセプトデザインで知られるスペインのデザイナー、オスカー・ベニャル氏が、新たにそんな旅客機のコンセプトを披露した。
同氏が設計した「プログレス・イーグル」は、翼と屋根に太陽光発電パネルを装備し、離陸には6基の水素エンジンを使用。後部のエンジンは風力発電タービンとしても利用できる。二酸化炭素の排出量はゼロで、飛行中の騒音もないという。
乗客は現在最大の旅客機より275人多い800人まで搭乗でき、機体前部には眺めの良い「パイロットクラス」座席を新設。個室や店舗、レストランを併設してホテルに滞在するような感覚で搭乗することもできるという。

ただし現時点ではあくまでもコンセプト段階で、このデザインを実現する技術のうち40%しか実現していないとビニャルズ氏。「それでもあと数年で限界は克服できる」と予想し、2030年までに実用化できると見込んでいる。2015.04.22 Wed posted at 12:21 JST

2015年4月20日月曜日

ダークマターの「雲」にずれ、実在の証拠か

ダークマターの「雲」にずれ、実在の証拠か
NASA/ESAのハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、融合する4つの銀河の画像。そのうちの1つの銀河を取り巻くダークマターの「ハロー(かたまり)」の分布が銀河とずれているように見え、ダークマター粒子が実在する証拠である可能性が出てきた。

 天文学者は80年近く前から、宇宙を満たす謎めいたダークマターの正体を明らかにしようと努力してきた。彼らがダークマターの概念を思いついたのは、銀河の運動を観測すると、宇宙の質量が目に見える星や銀河の質量だけでは説明できないほど大きいように見えるからだ。彼らはこの物質を、ビッグバンの際に大量に生成した、重力には関わるもののどうやっても目に見えない素粒子だろうと推測した。天文学者はこうした素粒子を直接観察できていないため、ダークマターは基本的にまだ理論上の存在である。

 今回、ハッブル宇宙望遠鏡と超大型望遠鏡VLT(チリ)を使って行われた新たな観測により、ダークマターの正体について決定的な手がかりが得られた可能性がある。『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』誌に掲載された論文によると、エイベル3827という地球から約14億光年の彼方にある銀河団のダークマター粒子は、重力以外の力を感知しているという。

 この観測で実際に検出されたのはダークマターの異常な分布だ。通常、ダークマターは銀河を取り巻く巨大な「ハロー(かたまり)」を形成している。私たちの銀河系でも例外ではない。銀河系は猛スピードで回転しているので、ダークマターの大きな重力でつなぎ止められていなければバラバラに飛び散ってしまうはずだ。けれども、エイベル3827銀河団にある1つの銀河は、ダークマターハローの中心と銀河自体の中心が約5000光年もずれていた。
 宇宙では5000光年などたいした距離ではないが、一部の理論家が主張するようにダークマター粒子が重力にしか反応しないのなら、この距離はゼロでなければならない。

 理論家の中には、ダークマターは重力以外の力も感知するはずだと予想する者もいる。20年ほど前から、ダークマターは「WIMPweakly interacting massive particles:(相互作用が〈電磁相互作用と比べると〉弱くて重い粒子)」であると考えれば、その性質をうまく説明できるという説が有力になってきている。WIMPは、重力だけでなく、原子核のβ崩壊などを引き起こす、いわゆる「弱い力」も感知するとされている。

 今回の発見は、ダークマターがWIMPからできていることを示す最初の経験的な証拠となるかもしれない。研究チームを率いたダラム大学(英国)計算宇宙論研究所のリチャード・マッシー氏は、検出されたダークマターの雲のずれをうまく説明するには、この雲がエイベル3827の中心にあるもうひとつのダークマターの雲の中を通り抜けているところだと考えればよい。なんらかの力が働いて2つの雲の間に摩擦が生じ、一方のダークマターの動きが遅れたために銀河の中心からずれたと主張するものの、その力の正体については不明だという。この力はダークマターを直接見えるようにするものではないが、謎に包まれたダークマターに光を投げかける。

 研究チームは、ダークマターの雲のずれの原因が、もっと月並みな現象にある可能性も否定しない。例えば、目に見える銀河の一部分で爆発的に星形成が起こると、そこだけ異常に明るくなって、銀河の中心位置の見積もりに歪みが生じるかもしれない。近隣の銀河の重力が目に見える銀河の形を乱し、中心位置を特定しにくくしている可能性もある。マッシー氏は、「別の説得力ある説明を考えるのは困難ですが、あまりにも重要な発見なので、不用意なことは言えません」と慎重だ。

 NASAのジェット推進研究所のジェイソン・ローズ氏はダークマターの専門家だが、現時点ではダークマター粒子が未知の力を通じてお互いの動きを遅くしている可能性が高いように思われるとコメントしながらも、「さらなる情報が必要です」と言う。証拠探しはすでに始まっていて、別の銀河の観測が計画されている。
 ほかの銀河でダークマターハローのずれが発見されたとしても、この粒子の正体が解明されるとはかぎらない。ダークマターが重力以外の力を感知するとしても、その力の強さを計算して候補粒子を絞り込むのは困難だからだ。

 欧州原子核研究機構(CERN)の素粒子科学者は、世界最大の粒子加速器である大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使って地球上でダークマター粒子を作ることができれば、性質を測定しやすいので理想的だという。また、宇宙からやってくる素粒子を待ち構えている地下実験室の検出装置が、地中を通り抜けてきたダークマターを見事に捉えるかもしれない。

 いずれにせよ、物理学者も数学者も、ダークマターが永遠に闇に包まれているはずはなく、いつかはその謎が解き明かされるだろうと信じている。2015.04.20 ナショジオ

2015年4月15日水曜日

千年前の薬で耐性菌が死滅

千年前の薬で耐性菌が死滅 中世の医学書から再現
1000年前の医学書を翻訳して当時の薬を再現した

ロンドン(CNN) 1000年前の中世の医学書に記されていた眼病の治療薬に、抗生剤の効かない耐性菌を死滅させる手がかりがあるかもしれない――。そんな研究結果を英ノッティンガム大学の研究チームが発表した。
この治療薬の製法は、大英図書館が所蔵する10世紀の医学書「Bald’s Leechbook」に、眼病の治療薬として紹介されていた。同書は世界最古級の医学書といわれる。
抗菌作用があるといわれるニンニクなどの成分が使われていたことから同大学の専門家が着目し、同書を翻訳。微生物専門家の協力を得て、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する効き目を調べた。

薬品の成分はネギ属の植物2種(ニンニクと玉ネギまたは西洋ネギ)とワイン、牛の内臓から採取する胆汁。これを真ちゅうの容器で醸造し、9日間置いた後に布でこす。
同書には各成分の比率なども詳しく記述されていたことから、研究チームは9世紀に存在していたワイナリーのワイン探しも含め、その製法をできるだけ忠実に再現した。
出来上がった薬品を培養したMRSAに対して試したところ、抗ブドウ球菌薬に匹敵する効能があることが判明。バイオフィルム(生物膜)に守られて密集していた数十億の細胞が数千にまで減り、極めて強力な殺菌効果があることが分かったという。

米国の研究者に依頼して生体内での作用を検証した結果、従来の抗生剤を使った治療以上に効果があるらしいことも分かった。マウスを使った生体実験では、MRSA菌を最大で90%死滅させることができたとしている。
その後3回にわたって薬品を最初から作り直して検証した結果でも同じ効果が再現でき、容器に入れて冷蔵庫の中で長期間保存しても、薬品の効能は変わらなかったという。
薬品が効く仕組みについては完全には解明できていない。しかし複数の成分が作用して細菌の細胞を別々の面から攻撃し、耐性能力を失わせる可能性や、成分を組み合わせてアルコールに浸す過程で細菌攻撃能力の高い分子が形成される可能性が指摘されている。


この成果について研究者は、「1000年前の抗生剤が本当に機能するとはいまだに信じられない」「最初の結果が出た時は、ただぼう然とした。こんな結果が出るとはまったく予想していなかった」と振り返る。「研究室ではうまくいっても、抗生剤として通用するという保証はない。それでもうまくいく可能性はある」と話している。2015.04.01 Wed posted at 13:38 JST

2015年4月14日火曜日

無人機を嫌うチンパンジー

無人機を嫌うチンパンジー、木の枝で打ち落とす オランダ
チンパンジーも無人機が嫌い?
ニューヨーク(CNNMoney) チンパンジーでさえも、上空を飛ぶ無人機のカメラで自分たちの様子をのぞき見されることは嫌うらしい。オランダの動物園で、チンパンジーが木の枝を使って無人機をたたき落す様子が撮影された。
この映像はオランダのロイヤルバーガーズ動物園が10日にユーチューブで公開した。無人機はテレビ番組の撮影のために飛ばしたもので、これを見たチンパンジーたちはすぐさま木の枝を手に持って身構えたという。
無人機のカメラは、樹上に座ったメスのチンパンジーが枝を振りかざす場面をとらえている。一撃目は外したものの、返し打ちで見事に仕留めた。

無人機は制御できなくなって地面に墜落。そこへ駆け寄り、機体の下部にあるカメラをのぞき込むチンパンジーの顔がアップで映し出される。動物園によれば、この無人機は破壊されたという。2015.04.14 Tue posted at 11:23 JST
 https://www.youtube.com/watch?v=Z_zw8h4epQM 

火星に「液体の水」存在か

火星に「液体の水」存在か、探査機データで期待高まる NASA

火星に「液体の水」存在か、探査機データで期待高まる NASA: シャープ山のターゲットサイトで撮影された火星無人探査車「キュリオシティー」(2015224日撮影、資料写真)
AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)の火星無人探査車「キュリオシティー(Curiosity)」による調査データから、火星の表面近くには液体の水が存在する可能性が高まった──研究論文が、13日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

 論文を発表したのは、デンマーク・コペンハーゲン大学(University of Copenhagen)ニールス・ボーア研究所(Niels Bohr Institute)のモーテン・ボー・マドセン(Morten Bo Madsen)氏らの研究チーム。
 研究チームは、採取したサンプル中に過塩素酸カルシウムの存在を確認できたことから、火星に液体の水がある可能性が高まったとした。過塩素酸カルシウムは吸収性が高く、水の氷点を下げる塩のような性質があるため、水が液状のまま存在できるのだという。この化合物について論文は「非常に塩分濃度の高い塩水であるブライン」を特徴づけるものとしている。

 NASA3月、火星の北半球の大部分は、かつて海だった可能性があると発表したばかり。NASAの発表によると、海水の87%は宇宙空間に流出してしまったとみられている。

 今回論文を発表した研究チームは、火星の表面近くに水が存在していたとしても、非常に厳しい環境の中で生命が存在することはほぼ不可能だろうと指摘している。MSNニュース

2015年4月13日月曜日

エンケラドスに生命の新たな可能性

土星の衛星エンケラドスに生命の新たな可能性
氷の下の海底は地球の海底熱水噴出孔と似た環境か
土星探査機カッシーニから撮影したエンケラドス。手前には縞模様を描く地表が見える。奥には、氷から立ち上る水蒸気も。水蒸気は内部海から発生していると考えられ、この星が生命の存在に適した環境であることが示唆される。(PHOTOGRAPH BY CASSINI IMAGING TEAM, SSI, JPL, ESA, NASA

 米コロラド大学のシャンウェン・スーほか東京大やJAMSTECらの研究チームが投稿した論文は、エンケラドス表面の分厚い氷の下にある「内部海」から噴出する微粒子について報告している。フランス・ナント大学のガブリエル・トビーは、同論文の付随論評において、その粒子の化学的性質は、「地球で最初の生命体が誕生した場所」とよく似た環境を示唆していると述べている。
 この粒子は、数年前に土星最大の環であるE環で発見されたもの。E環は、エンケラドスの表面から噴き出す間欠泉を源にしていると考えられている。その間欠泉の源となっているのが内部海だ。内部海は長年存在が疑問視されていたが、昨年、土星探査機カッシーニによって存在が確認された。

 NASAは、地球外生命を探すターゲットとして、衛星を有望視している。現在、木星の衛星エウロパにある氷に覆われた海を、ロボットを使って探査するミッションが計画されている。エウロパの氷を砕き、生命のサイン、あるいは生命そのものを探す技術が確立されたら、次なるターゲットはエンケラドスになるかもしれない。

小さな証拠は二酸化ケイ素
 今回の発見された微粒子は、直径わずか数億分の1インチほどで、二酸化ケイ素を豊富に含む。筆頭著者のスーは、「このことは、今も熱水活動が進行していることを意味します」と述べている。つまり、今でも水と岩の間で相互作用が起こっていると考えられるのだ。
 それが本当なら、重大な発見である。宇宙生物学者によれば、生命の存在には液体の水と、炭素ベースの複雑な化合物が不可欠である。後者は、彗星に乗ってエンケラドスにやってきたと考えれば不思議ではない。

 もう1つ、生命体の栄養として欠かせないのが、エネルギー源だ。二酸化ケイ素は、そのようなエネルギー源の存在を暗示している。つまり、エンケラドスの海底にある熱水噴出孔によって、海水が循環していると考えられる。NASAジェット推進研究所のケビン・ハンドは、「これが本当なら、大西洋のロストシティ熱水噴出域に似た活動がほのめかされます」と述べている。
 ハンドによると、こうした熱水噴出孔からは水素やメタンも放出されるため、微生物が存在できる。「つまり、熱水活動の存在は、あらゆる生命の存在に適した環境であるばかりか、生命の起源に適した環境であるともいえるのです」
 だからと言って、生命の存在を断定できるわけではない。正しい条件がそろう可能性が示唆されただけだ。ハンドは言う。「(事実であることを示すには)他の解釈が存在しないことを証明しなければなりません。ただ、私は別の解釈を見つけられずにいます」


 ハンドは、米国の2016年度予算に組み込まれている「エウロパ・クリッパー」計画に携わっている。木星の衛星エウロパもエンケラドス同様に氷に覆われた内部海をもつため、ハンドはエンケラドスにも注目している。「カッシーニ計画は2017年で終了しますが、この興味深い海の世界を探査し続けるためにも、エンケラドスに足を延ばす必要性は明らかです」2015.03.13 ナショジオ

2015年4月11日土曜日

地球外生命体の兆候

地球外生命体の兆候、「10年以内に見つかる」 米NASA
10年以内に地球外生命体が存在する兆候がつかめる可能性も
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の研究者が近い将来に地球外生命体の痕跡を発見できるかもしれないとの見通しを示した。
NASAのチーフサイエンティスト、エレン・ストファンさんは7日に行われたパネルディスカッションで、「10年以内に地球外生命体の有力な兆候がつかめるだろう。20~30年以内には確実な証拠が得られると思う」と明言。
「どこを探すべきか、どう探すべきかは分かっている。ほとんどのケースで我々には技術があり、それを実行する道をたどっている。我々は間違いなくその途上にいると思う」と語った。
NASAによると、水が存在している証拠や兆候は、準惑星のケレスや木星の衛星エウロパなど多数の天体で見つかっているという。ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測では、木星の衛星ガニメデの地底にも氷の層にはさまれた海水の海が存在している可能性が高いことが分かった。
ただしNASAがいう地球外生命体とは微生物のことであり、高度な知能を持った宇宙人を指すわけではない。ストファンさんは「小さい緑色の宇宙人のことではない。ここで話題にしているのは小さい微生物のこと」と釘を刺した。

元宇宙飛行士のジョン・グランスフェルドさんも、太陽系外に生命体が見つかるのは時間の問題だとの見方を示し、「火星より先へ行けば、地球と似る確率はものすごく低い。だからこそものすごくエキサイティングになる」と力を込めた。2015.04.09 Thu posted at 11:47 JST

恐鳥:新種の化石

恐鳥:新種の化石、アルゼンチンで発見 全身骨格の9割「最も完全な化石」
 飛べない大型の肉食鳥類「恐鳥」の新種の化石を発見したと、アルゼンチンのコルドバ大などの研究チームが米古脊椎(せきつい)動物学会誌に発表した。全身骨格の9割以上がそろっており、恐鳥の生態を解明する手がかりが得られると期待される。

 恐鳥類は恐竜が絶滅した後に繁栄し、大きなものでは体長3メートルに達していた。今回の新種の化石は、ブエノスアイレスの南の海岸にある約350万年前の地層から見つかった。体長は約1・2メートルで、学名は「ララワビス・スカグリアイ」と名付けられた。

 チームは「これまで発見された恐鳥で最も完全な状態の化石だ。想像以上に多様な種が生息していた可能性がある」と分析。頭蓋骨(ずがいこつ)を調べることで聴覚や視覚、鳴き声などの研究が進むことが期待され、生態の解明が進むという。【鳥井真平】毎日新聞 20150411日 東京夕刊

2015年4月9日木曜日

100歳スイマー1500メートル完泳

100歳スイマー世界初 1500メートル完泳 山口の長岡さん
  
日本マスターズ水泳短水路大会で、女子1500メートル自由形で完泳した長岡三重子さん=4日、松山市で
 100歳の現役スイマー、長岡三重子さん=山口県田布施町=が4日、松山市で開かれた日本マスターズ水泳短水路(25メートルプール)大会の女子1500メートル自由形に出場し、100~104歳の部で世界初の完泳を果たした。ゴールの後「やれやれです。寿命があれば105歳まで泳ぎたい」と笑顔を見せた。
 記録は1時間15分54秒39。日本マスターズ水泳協会によると、今後、国際水泳連盟(FINA)に申請し、正式な世界記録と認定される。長岡さんの持つ世界記録は25種目となる。マスターズ水泳は、年齢層ごとに順位を競い、健康増進や他の選手との交流も重視。国内では18歳以上が参加でき、距離や泳法で種目が分かれる。
 100~104歳の部に出場したのは長岡さん1人で、40~70代の選手にまじって背泳ぎで挑戦。30往復を泳ぎ切った。

 長岡さんは第1次世界大戦が始まった1914年に山口県周南市の商家に生まれた。「前畑ガンバレ」のラジオ放送で知られ、36年のベルリン五輪200メートル平泳ぎで優勝した故前畑秀子選手と同い年に当たる。水泳を始めたのは80歳の時。リハビリが目的でほとんど泳げなかった。短水路はターンの回数が増えるため、より負担が大きい。長岡さんは過去に2度挑戦したが、いずれも途中棄権していた。201545日  東京新聞

2015年4月7日火曜日

遺伝性難聴治療マウスで成功

遺伝性難聴の治療、マウスの実験で成功
 遺伝子変異が原因の難聴の治療にマウスの実験で成功したと6日、順天堂大などのグループが発表した。 同じタイプの難聴患者は日本に3万人以上、世界に130万~220万人いるとされ、新たな治療法につながると期待される。

 このタイプの難聴は、GJB2という遺伝子に変異があり、音を感じる内耳の構造が正常に作られない。遺伝性の難聴の3~5割を占める。有効な治療法がなく、これまで補聴器や人工内耳に頼るしかなかった。

 研究チームは、GJB2遺伝子が働かないようにしたマウスを作成。このマウスは、内耳が正常に作られずに難聴になるが、生まれた直後に内耳にウイルスを使ってGJB2遺伝子を導入すると、内耳が正常に発達し、難聴が予防できた。

 マウスと違い、人では胎児期に内耳ができるため、生まれる前に治療を行う必要があるが、同じ手法で難聴を防げるかもしれない。20150406 2313Yomiuri Shimbun

2015年4月6日月曜日

仕事の基本は

仕事の基本は
ニューヨークに拠点をおき、世界で活躍する「ベニハナ・オブ・トーキョー」CEOである青木恵子が、5年かかって手に入れた、教科書に載らない世界のビジネスルールに関する知識を開示しています。
たとえば、
「履歴書には写真を貼らない」
「「給与額は働いてみてから決めてください」はダメ」
「行きはヒール、オフィスでサンダルはNG(女性)
「いつもメイクを怠らずチャンスに備える(女性)
「郵便番号で家を選ぶ」

「名刺は机に並べない」
「交渉は35割増し(引き)から」
「ビジネス交渉は必ず値切る」
「絶対謝らない。言い訳をする」
「ビジネスはすべて「ギブ&テイク」

「ホームパーティーの手土産は「花」か「ワイン」か「チョコレート」」
「会社帰りのパーティの前は、ジムでシャワーと着替えが普通」
「会食時はオナラOK、ゲップNG
「接待でも女性は男性にお酒を注がない」

「ワイシャツの下に下着はつけない」
「薄毛になったらスキンヘッド」
「女性の「かわいい」は戦力外」

「クビになったら転職のときチャンス!?

2015年4月2日木曜日

首肯

首肯

*世の中は、君の理解する以上に栄光に満ちている。GK・チェスタートン
*常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。アインシュタイン

*友人たちが「若く見えるよ」と誉めだしたら、あなたが年をとったしるしだ。マーク・トウェイン
*人は死ぬかもしれないし、国は興亡するかもしれないが、理念は生き続ける。ジョン・F・ケネディ

*生きるとは呼吸することではない。行動することだ。ジャン=ジャック・ルソー
*死者にたいする最高の手向けは、悲しみではなく感謝だ。レーントン・ワイルダー

*墓場までもっていけるものがホンモノの財産である ハンス・セリエ 
*できるかできないかではなくて、やるかやらないかね 後藤はつの

「私が42年間で、最も後悔していること」

「私が42年間で、最も後悔していること」
ベストセラー作家が、卒業式のスピーチで語った

2013年シラキュース大学で作家、ジョージ・サンダースさんが行った卒業式スピーチ:54才の彼が、人生で最も後悔したことを話しながら、人生において大切なことを紹介している。
 
彼のスピーチは、瞬く間に共感され、世界中で非常におおきな感動を呼びました。彼の話をざっくりまとめると、
1・人生最大の後悔は、やさしくなれなかったこと
長い人生を生きてきて、一番後悔したことは、目の前で苦しんでいる友だちを助けることができなかったこと。

2・年齢とともに、人間はやさしくなる
都合のいいことに、特別にがんばらなくとも、人は年を重ねる毎に優しい人になっていく。年をとるにつれ、多くの人と関わるにつれ、大事な家族をもつにつれて、自分勝手さを失って愛にかわっていくもの。

3・「成功する」ことにこだわらずに、いろいろなことに挑戦しよう
私たちは歳を重ねれば必ずやさしい人になれるのだから、スピードアップするといい。いろいろなことに挑戦して、あなたに一番合ったやさしさを見つけよう。

私が42年間の中で、 最も後悔していること
みなさん卒業おめでとうございます。ここまでよくがんばりましたね。さて突然ですが、歳をとってから、私はよく、「人生を振り返ってみて後悔することはなに?」と聞かれるんです。 私は、何を後悔しているだろうか? お金を貯めてこなかったことだろうか?これは後悔してない。

スマトラの川で裸で泳いでいてなんだか騒がしいなと思って見上げたらパイプの上に300匹ほどの猿がすわって川にむかってうんちをしているのを見てしまったことだろうか?しかも、私がおもいっきり口をあけて、飲んでしまったから、その後病気になり7ヶ月間もずっと具合が悪くなってしまったのだ。その時のことでもない。

度々あった、恥ずかしい出来事だろうか?例えばホッケーの試合で、好きな子の前でドジをして、嫌われてしまったことだろうか?いや、これすらも私は後悔していない。 私が一番後悔していることは、これだ。7年生だったとき(日本の中学1年生)1人の転校生が来た。個人の秘密のためにこのスピーチでは彼女のことをエレンと呼ぶことにしよう。エレンは小さくてシャイな子だった。
彼女は、当時は年取ったおばあちゃんしか使わなかったような、メガネをかけていた。緊張すると、自分の髪の毛を噛むクセがあった。 そんな彼女は、周りからいじめられていた。 彼女が傷ついているのが目に見えてわかっていた。

彼女の表情をいまでも思い出すことができる。彼女はできるだけ透明になろうとしていた。少しすると彼女は一人でいるようになった。 そして、彼女は、引っ越した。それでおしまい。なんの悲劇もドラマもなし。彼女はある日突然やってきて、それで突然いなくなった。それで話しはおしまいだ。
さて、なぜ私はこれを後悔しているのか?42年もたった今、なぜ私はまだ彼女のことを考えているのか?他の子たちと比べて、私は彼女にやさしい方だった。彼女にひどいことは一切言わなかった。
実際、ときには(温和に)彼女を守ることさえした。 それでも、人生の中で最も後悔しているのだ。

見て見ぬフリをして、 親切にしなかったこと
私が人生で最も後悔していることは、親切になれなかったことだ。少し安易に聞こえるかもしれないし、実行するには難しいかもしれないけど、人にやさしくなるというのを人生のゴールにしてみてはいかがだろうか。

ここで一つ、大事な質問をしたい。どうして私たちは、優しくないんだろう?わたしたちの何がいけないのだろう? 私の答えは3つある。
(1) 私たちは宇宙の中心であると思っているから。(つまり自分の個人的な話が一番大事でおもしろくて、自分の人生のことしか考えていない。)

(2) 私と私以外のものは、切り離されていて、別のものになってしまっていること。

(3) 私たちは永久に生きると思っている。(死は本物だが、まだ自分には関係ないと思っている。)

私たちは、知らず知らずに人の欲求よりも自分の欲求を満たそうとする。もっともっとやさしい人になりたいにもかかわらず、そうしてしまうのだ。

歳をとるにつれて
ほとんどが愛に変わった
さぁここでもう一つ、大事な質問をしたい。どうやったらもっとやさしい人になれるのか? これに対する答えは、やさしさは年をとることで、自然に身につくものだと思っている。
私たちが年をとるにつれて、自分勝手でいることがどれだけ無意味なのか、実際にどれだけ非論理的なのかに気がつくのだ。 自分の身近で大事な人たちがいつのまにか立ち去っていってしまっているのに気がついて、それでいつの日か自分もそうやって立ち去っていくんだろうな、ということを徐々に自覚し始める。

ほとんどの人は年をかさねていくごとに、自分勝手でなくなり、人を愛するようになる。シラキュース(アメリカ)の偉大な詩人、ヘイデン・クルース( Hayden Carruth)は彼の人生の最後のほうに書いた詩のなかでこう言った。

「人生の最後は、ほとんど愛になった」と。

私が皆さんにしたい心からのお願いです。 年をとるにつれて、あなたの自身の存在は減っていき、愛に生きていくようになるでしょう。あなたという人が、徐々に愛によって置き換えられていくのだ。 子供をもつことになったら、自分に何が起こるのかなんて気にしなくなるものだ。

成功にこだわらず、 たくさんのことに挑戦する

私たちは誰だって、若いときは不安でいっぱい。成功できるのか?自分で人生をつくり上げていくことができるのか? 高校でいい成績をとるのは、いい大学に入ろうと思うから。それでいい大学でいい成績をとれば、いい仕事につけるだろう。そしたら仕事でいい成果をだして、、、と続いていく。

別にこれは悪いことじゃない。我々がもっとやさしくなっていくのだったら、その過程にはなにかを実際にやる人として、成し遂げる人として、夢見る人として、自分と真剣に向き合う時間がないといけない。 成功の定義は絶え間なく変わっていきます。成功というのは、ハイキングをするにつれて、山がもっと大きくなっているようなもの。

自分で考える目標ではなく、成功とは他人からの評価なので、それには限りがないのだ。そして知らない間に「成功すること」に私たちの人生すべてが食い尽くされてしまう。 成功の定義は絶え間なく変わっていくけれど、人にやさしくしていくことは変わらない。

やさしさを見つける、
旅に出よう
スピーチの締めとしての、最後のアドバイスをしたい。私が先ほど述べた通り、あなたの人生は徐々に親切でやさしい人になるのだから、急ぎなさい。 スピードアップするのだ。
いまこの瞬間から始めて欲しい。 私たちは誰でも、最初は自分勝手だ。少し必死に、自分自身の患者になってみるといい。これから先の人生を、活力を持ってやさしさをみつける旅に飛び出してほしい。 そのためにはたくさんのことをすること。

野心のあること、旅、金持ちになる、有名になる、革新する、リーダーになる、恋に落ちる、富豪になってそれからどん底に落ちる、ジャングルの川で野生的に裸で泳いでみる(猿のうんちの味を確かめてみないとね)。さまざまなことに挑戦し、そして失敗してさまざまな人と関わることで、やさしさをスピードアップすることができる。

そしていつの日か、これから80年後とか、あなたは100歳で私は134歳。で、私たちはもうほとんどお互いに耐えきれないほどどちらもすごくやさしくなったら連絡してくださいね。 あなたが「私の人生はものすごくいいものだったし、いいものだよ」と言ってくれていることを願う。
最高の人生を生きて、みなさんがやさしい人になれることを望みたい。今日は、ありがとうございました。

2015年4月1日水曜日

狩猟採集民から古代の腸内細菌

狩猟採集民から古代の腸内細菌が見つかる
炭水化物の消化を助け、繊維質を分解する種と近縁

ペルーのマツェス族。数少ない狩猟採集民族のひとつで、塊茎類やバナナを主食としている。(Photograph by Jeffrey L. Rotman, Corbis
 オクラホマ大学とペルーの国立保健研究所の研究者らが、アマゾン川上流を訪れ、人の腸内細菌の調査を行った。この結果、ある人がどんな腸内細菌を持っているかは、住んでいる場所よりも、食べているものに左右されることが判明した。

 3日間かけて行われた今回の調査の目的は、日々の食事とライフスタイルが、人間の腸内に存在する数百兆個の細菌がつくる集団、つまり「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」の構成にどのような影響を与えるのかを詳しく調べることだった。
 腸内細菌叢は、消化と代謝において大きな役割を果たしており、肥満、糖尿病、大腸がんといった疾患へのかかりやすさとも密接な関わりがある(関連記事:20131月号「小さな細菌の世界」)。

 オクラホマ大学の遺伝学者セシル・ルイス氏らは先日、科学専門誌「Nature Communications」に、アマゾン川流域に暮らす狩猟採集民マツェス族の消化管から採取した細菌を分析した論文を発表した。世界でも残り少なくなった狩猟採集民であるマツェス族は、ジャガイモのような塊茎、プランテーン(バナナの一種)を主食にしており、その他、魚、サル、ナマケモノ、ワニなど、ジャングルに住む動物のタンパク質を摂取している。
 調査チームはまた、アンデス山脈高地の村トゥナプコに住むジャガイモ農家の人々のサンプルも採取し、これらふたつの集団から採った細菌を、オクラホマ州の町ノーマンの住民のものと比較した。

 マツェス族の腸内に存在する細菌の種類は、近隣のトゥナプコ村の人々のものよりもむしろ、海をひとつ隔てたアフリカ大陸の狩猟採集民のそれに近かった。一方で、マツェス族とトゥナプコ村の腸内細菌群は、典型的な「先進国型食生活」を送っているオクラホマの人々のものと比べれば、互いによく似ていた。
 また昔ながらの生活を送る人々の腸内には、より多様な種類の細菌が存在することもわかったという。「地理的な距離は問題ではなく、日々の食習慣が重要なのです」とルイス氏は言う。

消えた細菌
 ルイス氏のチームはまず、持参した顕微鏡を使ってマツェス族の人々に細菌について説明してから、大便を採取した。サンプルを大きな氷に包んでペルーの首都リマまで運び、そこで冷凍したものをアメリカへと輸送した。
 オクラホマの研究所でサンプルを分析したところ、先住民の腸には、先進国の人々が持っていない種類の細菌が含まれていることがわかった。トレポネーマ属と呼ばれる、梅毒やイチゴ状血管腫といった病気の原因菌を含む細菌属の仲間が、マツェス族やトゥナプコ村の住人から採取したサンプルから大量に見つかったのだ。

 マツェス族とトゥナプコの農民が持つトレポネーマ属の細菌は、ブタ、ウシ、シロアリなどが持つ、炭水化物の消化を助け、繊維質を分解する種と近い関係にある。「どれも繊維質をよく発酵させるものです」とルイス氏。
 過去に西洋の先進国で行われてきた腸内細菌叢の調査では、トレポネーマ属の細菌はまったく見つからなかった。アフリカや南アフリカの先住民の腸にトレポネーマ属が当り前のように存在することが判明したときは、調査を受けた先住民は「例外」なのだろうと研究者たちは考えた。

 しかし、今回の調査結果は、ルイス氏のチームが最近発表したほかの論文の内容とも一致する。2012年、ルイス氏らがコプロライトと呼ばれる1000年前の糞の化石を調べたところ、現代の西洋式の食事をしている人々のものよりも、マツェス族やトゥナプコの住人のものとよく似た細菌群が見つかったのだ。これはオクラホマの人々に代表される先進国のライフスタイル(加工食品を食べ、衛生的な環境に暮らし、抗生物質を多用する)こそが「例外」であることを示している。

 ドイツ、ライプツィヒにあるマックス・プランク進化人類学研究所のステファニー・シュノール氏は、昨年発表された論文で、タンザニアのハッザ族の腸内細菌叢を分析している。
 シュノール氏が発見した細菌群はマツェス族のものとよく似ており、先進国ではほとんど見つからないトレポネーマ属と古代種が多く含まれていた。ルイス氏の研究は「私たちの研究の正しさを証明する」ものだとシュノール氏は言う。「トレポネーマ属はさまざまな調査で見つかっています。トレポネーマ属の細菌を持たないほうが異常だという意見が主流になりつつあります」

 こうした研究は、産業革命前の人間がどんな食事をしていたのかをうかがい知るヒントとなる。伝統的な暮らしを送る人々が先進国社会と関わりを持ってライフスタイルや食事を変えてしまえば、彼らの腸内細菌も変わってしまうのかもしれない。
 ルイス氏がマツェス族から初めてサンプルを集めたのは2012年のことで、それ以降彼らは「先進国型の食べものに触れる機会が、以前よりもずっと増えた」という。「彼らのようなライフスタイルは、今まさに消滅しようとしているのかもしれません。伝統的な習慣がなくなれば、トレポネーマが人間の腸から消えてしまうこともあり得るでしょう」

 トレポネーマの存在(あるいは不在)が、肥満や糖尿病といった「文明病」に関わりがあるのかどうかは、これからの研究で明らかになるだろう。2015.04.01 ナショジオ