2012年12月25日火曜日

「物の本質について」


「物の本質について」

最近大変面白いことを知った。ご存知の方はご存知なのでしょうが、私にとっては初めて知る話で正直言って驚きでした。先ずは以下の箇条書きをご覧ください。


万物は目に見えない粒子でできている

物質の基本となる粒子――「事物の種子」――は永遠である

基本となる粒子の数は無限であるが、形や大きさには制限がある

すべての粒子は無限の真空の中で動いている

宇宙には創造者も設計者もいない

万物は逸脱の結果として生まれる

逸脱は自由意志の源である

自然は絶えず実験を繰り返している

宇宙は人間のために、あるいは人間を中心に創造されたのではない

人間は唯一無二の特別な存在ではない

人間社会は平和で豊かな黄金時代に始まったのではなく、生き残りをかけた原始の戦いの中で始まった

霊魂は滅びる(まるで葡萄酒の芳香が消えてゆくときのように、あるいは香水のすばらしい香りが空気中に散って消えるときのように)

死後の世界は存在しない

われわれにとって死はなにものでもない

組織化された宗教はすべて迷信的な妄想である

宗教は常に残酷である

天使も、悪魔も、幽霊も存在しない

人生の最高の目標は、喜びを高め、苦しみを減ずることである

喜びにとって最大の障害は苦しみではなく、妄想である

物の本質を理解することは、深い驚きを生み出す



なんとこれは2000年前に書かれた内容だそうです。共和政ローマ期の詩人であり哲学者のルクレティウス(BC99?-55)が2000年前に書いた「物の本質について」と題する散文詩のエッセンスです。ギリシャの哲人エピクロス[BC341-270]の教えを忠実に伝えようとした――とあります。さらに、エピクロスの自然思想は、原子論者であったデモクリトス(BC460-370ごろ)に負っているという。

また興味深いことは再発見の経緯です。イタリア人人文主義者ポッジョ・ブラッチョリーニ(1380-1459)というローマ教皇庁の書記官・教皇秘書をも勤めていた人物がおりました。

彼は、ヨーロッパ各地の修道院を訪れ、その蔵書の中からローマ古典文学の古写本を探し集める古文書ハンター(ブック・ハンター)でもありました。  

1416年か1417年に、彼が参加していたコンスタンツ公会議の審議が中断されていた間、ドイツのコンスタンツからあまり遠くないどこかの場所で、この未知の書物が彼によって再発見されました。

 長い間失われていた写本であり、原子論的唯物論と無神論を説いた、当時としては、きわめて危険な思想が記されていたものでした。千年の時を経た15世紀、再びその姿を現したこの書物は世界の針路を変えてゆくことになり、ルネサンスの引き金となった書物と云われます。

 それにしても2000年以上も前に、このような考えを持った哲人が実在したとは大変な驚きであり、不思議でさえあります。よほど優れた人材が育つ社会環境だったのでしょうか、それとも、「神のお告げ」だったのでしょうか???

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