2014年1月31日金曜日

「日本最古」の丸木舟



 東京湾で漁?「日本最古」の丸木舟、発見
雷下遺跡で出土した丸木舟の船底部分
 千葉県市川市の雷下遺跡で、縄文時代早期(約7500年前)に作られた丸木舟の船底部分(全長約7・2メートル、幅約0・5メートル)が出土したと県教委が31日、発表した。
 発掘した県教育振興財団文化財センターによると、縄文早期の丸木舟の発見は国内で初めてで、日本最古とみられる。
 丸木舟は昨年11月に土中に埋まった状態で見つかったという。米国の会社で放射性炭素年代測定を行った結果、年代が判明。素材はムクノキで、石器でくりぬいて作ったとみられる。
 日本最古級の丸木舟はこれまで、鳥浜貝塚(福井県)や入江内湖遺跡(滋賀県)でほぼ完全な形のものが出土しているが、いずれも縄文時代前期(約5500年前)のものという。
 雷下遺跡は縄文時代早期の貝塚で、当時は海岸部にあたる場所。同センターの白井久美子調査課長は「東京湾にこぎ出し、漁をしていたとみられる」と話している。(2014年1月31日15時23分  読売新聞)

2014年1月30日木曜日

新万能細胞、サルの治療で実験中



新万能細胞、サルの治療で実験中ハーバード大
 【ワシントン=中島達雄】細胞に強い刺激を与えただけで作製できる新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の開発に理化学研究所と共にかか わった米ハーバード大の研究チームが、脊髄損傷で下半身が不自由になったサルを治療する実験を進めていることを30日明らかにした。
 研究チームの同大医学部・小島宏司医師によると、脊髄損傷で足や尾が動かなくなったサルの細胞を採取し、STAP細胞を作製、これをサルの背中に移植したところ、サルが足や尾を動かせるようになったという。
 現在、データを整理して学術論文にまとめている段階だという。研究チームは、人間の赤ちゃんの皮膚からSTAP細胞を作る実験にも着手。得られた細胞の能力はまだ確認中だが、形や色はマウスから得たSTAP細胞によく似ているという。(2014年1月30日14時37分  読売新聞)

ネアンデルタールと現人類



混血の証拠、皮膚や毛髪に ネアンデルタールと現人類
 【ワシントン共同】現生人類は、数万年前に祖先が混血したネアンデルタール人から、皮膚や毛髪の特徴や一部の病気に関する遺伝子を受け継いでいるとする研究結果を、米ハーバード大のチームが30日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
 特に東アジアや欧州の人でこの度合いが高かった。一方、男性の生殖機能に関するネアンデルタール人の遺伝子はほとんど受け継がれておらず、混血時に不妊を引き起こす原因となって消え去ったとチームはみている。
 初期人類はアフリカで生まれ、欧州やアジアに広まる過程で、別系統の人類とされるネアンデルタール人と混血したとの説が最近有力になっている。2014130 0300分東京新聞

常識覆す発見で万能細胞作製



簡単で安全、常識覆す発見で万能細胞作製
 STAP細胞は、万能細胞の作製には高度な技術が必要という従来の常識を打ち破った。再生医療への応用を目指し、世界中で研究競争が始まるのは必至だが、実用化に向けて解決すべき課題も多い。
 外的刺激による細胞の初期化は、植物ではよく知られている。ニンジンを切ると、切断が刺激となって切り口に初期化状態の新たな細胞が作られ、再び根や葉に分化していく現象が一例だ。だが、哺乳類の細胞では外部からの刺激で初期化は起きないとされてきた。
 ところが、マウス由来のSTAP細胞は、弱酸性溶液に浸すという簡単な刺激で初期化に成功した。小保方リーダーによると「細いガラス管に数回通したり、弱い毒素で処理する方法でも初期化できた」そうで、さまざまな外的刺激が細胞初期化に有効とみられる。
 これは非常に興味深いメカニズムといえる。人間の体は日々、さまざまな刺激を受けているが、それでも初期化されることがないのはなぜかなど、今後、多様な研究が展開されそうだ。
 万能細胞の代表格である人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、皮膚などの細胞に、初期化を促す遺伝子を注入して2~3週間培養し作製する。初期化の成功率は0.2%未満にとどまり、遺伝子操作の影響によるがん化リスクもある。
 一方、STAP細胞はマウスの脾臓(ひぞう)から抽出した血液細胞の一種、リンパ球を約30分、弱酸性溶液に浸して刺激し、2~7日培養するだけでいい。初期化の成功率は7~9%と高く、がん化のリスクは低い。iPS細胞よりも、はるかに簡単で効率的で安全だ。
 ただ、すぐに再生医療に応用できるわけではない。今回、実験に使ったリンパ球を採取したマウスは、すべて生後1週間以内の若い個体。大人のマウスでは成功率は極端に落ちる。細胞の老化が原因とみられるという。
 今後の研究は、人の細胞も同じ方法で初期化できるかが鍵を握る。実用化には安全性の確認や、作製条件の緩和など多くの課題を克服する必要がある。(伊藤壽一郎)2014.1.29 21:18 (1/2ページ)産経ニュース

2014年1月29日水曜日

「卑弥呼の鏡」は「魔鏡」



「卑弥呼の鏡」は「魔鏡」 3Dプリンターで復元し確認
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 3次元(3D)プリンターを使って「卑弥呼の鏡」との説がある古代の青銅鏡「三角縁神獣鏡」の精巧な金属製レプリカを製作したところ、壁に投影し た反射光の中に鏡の背面に刻んだ文様が浮かび上がる「魔鏡」と呼ばれる現象が起きることが分かり、調査した京都国立博物館の村上隆学芸部長が29日発表し た。
「卑弥呼の鏡」は「魔鏡」だった。3Dプリンターで作ったレプリカで初めて確認(29日、京都市)
 鏡は古代の祭祀(さいし)で用いたと考えられているが、具体的役割は不明だった。この現象は太陽光線など平行光で特に顕著で、人心を掌握するのに用いた可能性や、太陽信仰との関連を指摘する意見もあり、古代鏡の研究に新局面をもたらしそうだ。
 こうした現象を起こす鏡は古代中国の漢代に登場。日本では江戸時代に隠れキリシタンが用いたものなどが知られるが、国内の古代鏡で確認されたのは初めてという。
 レプリカは、愛知県犬山市の東之宮古墳から完全な形で出土した鏡2面(直径はそれぞれ約24センチ、約21センチ)を復元したもの。三角縁神獣鏡の平均的な組成と同じ比率の銅、スズ、鉛の金属粉を材料にレーザー積層造形法で製作した。

 この現象は背面に凹凸があり、厚みが不均一な鏡を研磨する際、鏡本体にひずみが生じて厚い部分がかすかに凹面に、薄い部分が凸面になって反射光にムラが出ることが原因。全体が薄く、背面に彫りが深い突出した文様があるなど厚みに幅がある鏡だと現れるという。
 復元した三角縁神獣鏡は背面の中央や三角形の縁部、神獣像などが厚く、中央の最厚部は約2センチあるのに対し最も薄い部分は1ミリ以下。
 村上部長は「他の古代鏡でも同じ現象がおきる可能性はあるが、この三角縁神獣鏡は特に条件がそろっている。なぜこんなに薄く仕上げたのか謎だったが、現象が起きるまで研磨した可能性もある」と指摘。「古代鏡の役割を考え直す手掛かりになれば」と話している。2014/1/29 17:00 日経