発電する布 開発 太陽電池を織り込み
球状太陽電池を織り込んだ織物。光を受け、右下のオレンジ色のLEDが点灯している=29日、福井県庁で
福井県工業技術センターは29日、県内外の民間企業と共同で、太陽電池を直接織り込んだ織物「太陽電池テキスタイル」の開発に、世界で初めて成功
したと発表した。カーテンや衣服などへの実用化を目指して大量生産技術などの研究を産学官協同で進め、早ければ2015年度の製品化を目指す。
センターなどによると、京都市の太陽電池メーカー「スフェラーパワー」の球状太陽電池(直径一・二ミリ)を電気抵抗が低い糸二本で挟み、球状電池
を数珠状につないだ糸を開発。これを横糸にして織り上げたところ、厚みは一・四ミリと薄く、折り曲げても発電可能な織物ができた。
球状電池は光の当たる面積が大きく、板状電池に比べ年間発電量が二~三倍という。
センターの勝木一雄所長は「福井の持つ高い繊維技術を生かし、加工ができる」と話した。発電できるカーテンや災害時用テントのほか、発生する熱を利用したヒーター機能のある衣服など実用化の可能性は無限という。
今後、センターは繊維会社「松文産業」(福井県勝山市)や福井大などと連携し、一四年度末まで耐久性の向上に向けた表面加工技術や量産技術の開発に取り組む。センター独自でも、この織物に発光ダイオード(LED)などを自動的に組み込む技術開発を続ける。2012年11月30日 東京新聞
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