2013年12月24日火曜日

「気孔」拡張に成功



収獲増に期待、光合成促進させる「気孔」拡張に成功 名古屋大
 名古屋大トランスフォーマティブ生命分子研究所は、遺伝子操作により、植物が光合成に必要な二酸化炭素(CO2)を取り込む表皮上の穴「気孔」 を、通常より大きく開かせることに成功したと発表した。光合成が促進され、植物の生産量も増加すると確認。23日に米科学アカデミー紀要電子版に論文を掲 載した。
 研究所の木下俊則教授(植物生理学)によると、気孔の開口を制御する世界初の技術で「農作物の収穫増や、バイオ燃料の生産拡大が期待されるほか、CO2削減にも貢献できる可能性がある」としている。
 気孔は一対の「孔辺細胞」でできた口のような形状。光合成では、孔辺細胞の光受容体が太陽光を受け、細胞膜にある「プロトンポンプ」という酵素を活性化。すると外部からカリウムが吸収されて浸透圧が上昇し、水が流入する結果、孔辺細胞が膨張し気孔が開くという。2013.12.24 08:59
 産経ニュース

2013年12月23日月曜日

オーロラ、3D映像


本物見たよう…オーロラ、3D映像を初上映
3Dメガネをかけると、今までより立体感を体感できる全天周3Dオーロラ映像(21日午後、東京都千代田区の科学技術館で)=横山就平撮影
 国立極地研究所が最新の技術を使って制作したオーロラの3D(立体)映像が21日、科学技術館(東京都千代田区)で初めて上映された。
 この日の特別上映会は2回行われ、計約120人が参加した。直径10メートルのドーム形スクリーンに、緑色に輝く立体のオーロラが現れると、専用の眼鏡をかけた観客から歓声が上がり、カーテンが揺れるように刻一刻と形を変える幻想的な光景を楽しんだ。
 同研究所の片岡龍峰准教授らは、昨冬から米アラスカ州で約8キロ・メートル離れた2地点に高性能カメラを設置してオーロラが浮かぶ空全体を魚眼レンズで撮影、飛び出して見えるオーロラ映像を作った。
 両親や妹と訪れた東京都小金井市の男子(9)は「とても迫力があって、本物のオーロラを見たような気持ちになった」と笑顔で話した。(2013年12月21日19時18分  読売新聞)

2013年12月20日金曜日

銀河の立体図作成へ



超高精細の宇宙望遠鏡打ち上げ、銀河の立体図作成へ
(CNN) 欧州宇宙機関(ESA)は19日、超高精細カメラを搭載した宇宙望遠鏡「ガイア」を仏領ギアナから打ち上げた。銀河系の精密な立体地図を作成し、宇宙の起源と進化にまつわる謎の解明に役立てたい意向だ。
設計と製造を手がけたアストリウム社によると、ガイアはこれまで打ち上げられた中で最大の宇宙望遠鏡で、10億ピクセルのカメラを搭載。1000キロ離れた距離から人の毛髪1本の幅を判別できるほどの性能をもつ。
この望遠鏡を使って銀河系にある10億個の恒星までの正確な距離を測定し、精密な3次元地図の作成を目指す。銀河系に存在する恒星は少なくとも1000億個と推定される。
さらに、銀河系の先にあるクエーサーや、太陽系内の彗星や小惑星といった天体も観測するほか、太陽系外惑星の探査にも役立てる。
建造費は約4億ユーロ(約570億円)、打ち上げや5年間のプロジェクト運営コストを含めた予算総額は7億4000万ユーロ(約1053億円)。アストリウム社はさらに、太陽系外惑星の大気を調べる研究にも取り組んでいるという。2013.12.20 Fri posted at 11:26 JST

葉の成長のカギ解明


葉の成長のカギ解明、細胞内の流れに違い 理研など
 【西川迅】細胞内の「流れ」を変えることで植物の葉の大きさを人為的に変えることに、理化学研究所千葉大学の研究グループが成功した。将来、食糧やバイオ燃料の増産などに役立つ可能性がある。
 植物の細胞内部では、ミトコンドリアや細胞質などが活発に動く「原形質流動」と呼ばれる現象がみられるが、その役割は謎だった。
 研究グループは、細胞内を動き回って原形質流動を引き起こすたんぱく質ミオシンに注目。アブラナ科のシロイヌナズナを使い、遺伝子操作で別の植物のミオシンに置き換えて「高速型」と「低速型」を作成した。
 原形質流動の速さによる成長の違いを調べたところ、通常のシロイヌナズナよりも高速型は葉の面積が4割大きく育った。低速型では3割減ったという。
 詳しく調べると、高速型の葉の細胞の数は通常型と同じだったが、細胞のサイズが大型化していた。植物の成長にかかわる物質がミオシンで効率的に輸送されることで、細胞の成長が促進された可能性があるという。
 葉や根は高速型のミオシンで成長を促す一方で、茎は「低速型」で背丈を低くして風に強くするなど、植物の人工的なデザインも理論的には可能になる。
 米科学誌デベロップメンタル・セルの電子版に掲載された。2013年12月19日09時11分 朝日

日本が誇る最先端の水とは


タイと金魚が同居…日本が誇る最先端の水とは
同じ水槽で淡水魚(金魚)と海水魚(マダイ、マアジ)が泳ぐ「好適環境水」(青森県八戸市で)=中村光一撮影
 青森県八戸市の市水産科学館「マリエント」で、海水魚も淡水魚も生息できる「好適環境水」の水槽が展示され、来館者の人気を集めている。
 好適環境水は岡山理科大(岡山市)などが開発を手がけている。ナトリウムやカリウムなど、淡水魚にも海水魚にも最低限必要な成分を真水に溶かし込 んだもので、山間部など海水がない場所で海水魚を飼育したり、同じ施設で海水魚と淡水魚を同時に養殖したりすることに道を開く技術として注目されている。
 マリエントでは、好適環境水を張った直径・高さ1メートルの円柱形の水槽内で、淡水魚のリュウキンや海水魚のマダイなど計26匹が泳いでいる。同 館の吉井仁美館長(55)は、「日本が誇る最先端の新技術。あり得ないことが目の前で起こる『だまし絵』のような展示を楽しんでほしい」と話している。(2013年12月18日12時21分  読売新聞)

2013年12月19日木曜日

5万年前の家族像浮かぶ



ネアンデルタール人、DNA解析したら両親は親戚? 5万年前の家族像浮かぶ
DNAを解析したネアンデルタール人女性の足の指の骨(マックスプランク進化人類学研究所提供)
 ロシアのシベリアで出土した5万年前のネアンデルタール人女性の骨から採取したDNAを解析したところ、両親は親戚関係のような近縁とみられることが分かったとドイツなどのチームが19日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 チームは「ネアンデルタール人は集団が小さく、近親での関係が一般的だったのかもしれない」と指摘している。
  ドイツのマックスプランク進化人類学研究所などのチームは、2010年に洞窟で見つかった長さ2・6センチの足の指の骨からDNAを採取してゲノム(全遺 伝情報)を解読。特徴からネアンデルタール人の女性と特定した。この女性が父と母から受け継いだ遺伝子を調べると、配列の似ている部分が多かった。
 チームは「これほど遺伝的に似ている父と母は血縁が近い」と推定。異父きょうだい、おじとめいなどの関係である可能性が高いとみている。現代人のゲノムの約2%に、ネアンデルタール人の配列が残っていることも判明した。2013.12.19 08:41 産経ニュース

2013年12月13日金曜日

衛星エウロパから噴き出す水を観測



高さ200キロ、衛星エウロパから噴き出す水を観測 NASA
 米航空宇宙局(NASA)は12日、木星の衛星エウロパを覆う氷の表面から約200キロの高さまで水が噴き出したのをハッブル宇宙望遠鏡で観測し たと米科学誌サイエンスに発表した。氷の下に広がっている海の水が、木星の引力によるゆがみでできた氷の隙間から噴き出したらしい。
 NASAは、小惑星などによって運ばれた有機物がエウロパの海で生命に進化した可能性もあるとみており、新たな探査構想に意欲を示している。
 ハッブル望遠鏡は2012年末にエウロパの南極近くから蒸気のようなものが立ち上るのを観測。データを分析すると水を構成する酸素と水素が主成分で海の水が隙間から噴き出したと結論付けた。水は凍って表面に落下したとみている。
 将来の探査では分厚い氷をドリルで掘り進むことが必要と考えられてきたが、NASAのチームはこうした隙間を狙うことで容易にサンプルが手に入るのではと期待している。(共同)2013.12.13 10:23  産経ニュース

2013年12月12日木曜日

エウロパで鉱物確認


氷の星に生命の種? 木星の衛星エウロパで鉱物確認


木星の衛星エウロパに小惑星や彗星が衝突した際の想像図(NASA提供・共同)
 氷で覆われた木星の衛星エウロパの表面に、小惑星や彗星(すいせい)が衝突した跡とみられる粘土のような鉱物を確認したと、米航空宇宙局(NASA)のチームが11日発表した。
 小惑星や彗星の中心核には、生命のもとになる有機物が含まれている場合がある。NASAの研究者は、エウロパの氷の下には広大な海があり、長い間に生命が育まれた可能性があると期待している。
 チームは、探査機ガリレオが1998年に撮影したエウロパの近赤外線画像を分析。表面にある直径30キロのクレーターから約120キロ離れた場所に、フィロケイ酸塩と呼ばれる粘土に似た鉱物が幅40キロにわたって広がっているのを確かめた。直径1キロより大きな小惑星や彗星が浅い角度でエウロパに衝突し、跳ね返った後で一部が落下したとみられる。

 エウロパは太陽からの距離は遠いが、木星の引力で氷が動いて一部が解け、液体の海が存在すると考えられている。(共同)2013.12.12 16:50 産経ニュース

2013年12月10日火曜日

「新島」が3日で1・5倍



「新島」が3日で1・5倍 西之島近く、活発な活動

 気象庁は9日、小笠原諸島・西之島(東京都小笠原村)近くの火山噴火でできた「新島」の面積が、当初の3・7倍に広がっていると明らかにした。活発な溶岩の供給があるとみられ、4日までの3日間で1・5倍に急成長した。


 海上保安庁が撮影した写真から分析した。気象庁と海保によると、新島は最初に噴火が観測された11月20日から徐々に拡大。21日と比べ、12月1日に2・5倍の3万8千平方メートル、4日には3・7倍の5万6千平方メートルまで広がった。

 1日には東と南南東方向への溶岩流が認められ、4日にはさらに西側に流れる溶岩流も確認され、面積が拡大していた。

 気象庁の担当者は「溶岩で覆われた部分が多くなっている。少なくとも年単位で陸地部分は残るのではないか」と話した。2013.12.9 22:58 産経ニュース