2016年7月24日日曜日

18倍の銀河を一度に発見

1300個、18倍の銀河を一度に発見、新電波望遠鏡
建設途上の南アフリカのミーアキャット電波望遠鏡
*電波望遠鏡ミーアキャットによる発見の1つ、高速粒子のジェットを噴き出す巨大ブラックホール。
 宇宙の既知の銀河の数が一気に18倍に跳ね上がった。
 多数の巨大なパラボラアンテナを相互に接続した南アフリカ共和国のミーアキャット(MeerKAT)電波望遠鏡は、現在もまだ建設中だ。しかし、天文学者たちは、その驚くべき性能の一端を垣間見ることができた。今まで70個の銀河しか発見されていなかった領域で、1300個もの銀河が写った詳細な画像をとらえることに成功したのだ。

「現在のところ、設置されているパラボラアンテナは計画されている64基のうち16基だけです。それでもミーアキャットは南半球いちの性能を持つ電波望遠鏡になっています」。南アフリカ共和国のナレディ・パンドール科学技術大臣は、718日に行われた記者会見でそう語った。

 2017年後半に完成すれば、ミーアキャットの集光面積は17000平方メートルを超える。この電波望遠鏡は、人口が少なく、ケープタウンに近いため建設費や維持費を抑えることもできるという理由で、南アフリカの北ケープ州に作られている。
 ミーアキャットは、すでに2億光年離れた激動する宇宙の姿を高解像度で撮影することに成功している。その1つが、銀河の中心で2つの高速粒子ジェットを噴き出す巨大ブラックホールの画像だ。これらの画像は天文学者たちを驚かせることになった。
「結果を聞いて興奮しました」と米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の天文学者、マイケル・リッチ氏は話す。「電波波長を使うと、低コストで深く、早く観測できます」

まだほんの一部に過ぎない
 リッチ氏によれば、ミーアキャットの画像は、宇宙という最後のフロンティアのほんの一部だけを切り出したものに過ぎない。
「ハッブル望遠鏡で同じ場所を観測すれば、おそらく何十万個もの銀河が見えるはずです」とリッチ氏。「可視光線を使う方がはるかによく見えるからです」
 しかし、活発な“電波銀河”の観測は、ミーアキャットのような望遠鏡の方が適している。電波銀河とは、中心に超大質量ブラックホールがあり、数百万年にわたって高エネルギーを放出し続ける銀河をいう。このような銀河の観測には電波望遠鏡が最も適している。

「電波銀河の中には、大量の塵に覆われているものもあります。そういった銀河は、光学望遠鏡ではほとんど、あるいはまったく何も見えません。しかし、電波は塵を通り抜けるので、何の問題もなく観測できるのです」
*電波波長で観測したミーアキャットの画像。点のひとつひとつが遠く離れた銀河。
 リッチ氏は、COSMOSという国際研究プロジェクトに参加している。なぜ宇宙の銀河は無秩序に分散しているのではなく、大規模な構造を持っているのかを15年間にわたって研究しているプロジェクトだ。

「私たちは、世界中のあらゆる大望遠鏡を使ってこのテーマに挑んでいます」。リッチ氏が観測している領域では、200万個以上の銀河が見つかっている。「私たちは電波を使って綿密に観測してきましたが、ミーアキャットがここまで強力であるなら、ぜひ私たちの観測ポイントも見てみたいものです」
 やがて、ミーアキャットはスクエア・キロメートル・アレイ(SKA)と呼ばれる南アフリカとオーストラリアにまたがる数千個のパラボラアンテナ網の一部となる予定だ。これが完成すれば、今までよりも1万倍以上早く観測できるようになる。

 しかし、今はまだミーアキャットだ。この名前は、南アフリカ近郊に生息する愛らしいマングース科の動物にちなんでつけられた。ミーアキャットには、まわりの様子をうかがうために、ときどき空を見上げる習性がある。2016.07.22 ナショジオ

2016年7月21日木曜日

脳の詳細な「地図」作った

脳の詳細な「地図」作った 新たに100領域特定、米大学 
*180の領域が特定された脳の地図。聴覚(赤色)や視覚(青色)、冷たさを感じる感覚(緑色)と関連する領域が色分けされている(研究チーム提供)
 画像診断装置を使って脳を詳細に調べ、構造や働きなどに基づいて180の領域に分けた“地図”を作ったと米ワシントン大のチームが20日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。これまでに知られていなかった100近くの領域が新たに特定された。
 オバマ米政権が推進する人間の脳機能の解明を目指す研究プロジェクトの一環。成果は脳研究の土台となり、老化や脳の病気の研究に役立つと期待される。
 チームは、22~35歳の健康な若者210人の脳を、磁気共鳴画像装置(MRI)で分析。刺激を与えた時の反応や構造、神経のつながり方などさまざまな情報に基づき、大脳皮質を調べた。(共同)2016721 0213分 東京

2016年7月19日火曜日

切手大に世界の全書物を記録?

切手大に世界の全書物を記録? 原子配置利用した記憶装置開発
 
*新たに開発された1万分の1ミリ四方程度の大きさの素子。1キロバイトに相当する160単語の英文が記録できる(デルフト工科大提供・共同) 
【ワシントン共同】超小型の素子に膨大な情報を盛り込める記憶装置を開発したと、オランダ・デルフト工科大のチームが18日付英科学誌ネイチャーナノテクノロジー電子版に発表した。面積当たりの情報量は現在のハードディスクの500倍で、理論的には、切手ほどの大きさで世界の全ての書物を記録できるという。
 チームが開発した素子は、コンピューターで扱う最小単位の1ビットの情報として、原子1個の配置の違いを利用する仕組み。銅の基板の上に塩素の原子が整然と並んでおり、1万分の1ミリ四方程度の大きさに、160単語の英文(1キロバイト)の情報が記憶できた。2016719 0003分 東京

2016年7月13日水曜日

天皇陛下「生前退位」の意向

天皇陛下「生前退位」の意向 NHKが報じる
*春の園遊会に出席した天皇、皇后両陛下、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻=4月27日、東京・元赤坂の赤坂御苑

 NHKは13日夜、「天皇陛下が天皇の位を生前に皇太子に譲る『生前退位』の意向を宮内庁関係者に示された」と報じた。20167131918分 朝日

火星の地表にモールス信号?

火星の地表にモールス信号? NASA探査機が撮影
*火星の地表にできた無数の砂丘。モールス符号のように見える?=NASA/JPL/Univ. of Arizona
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の探査機が撮影した火星の地表の画像に、砂丘がモールス符号を形成しているように見える部分が見つかった。
この画像はNASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターで高精細カメラを使って2月に撮影された。火星人から地球人へのメッセージのようにも見えるものの、NASAではたまたま特異な地形が写ったにすぎないと解説している。
砂丘は過去の隕石(いんせき)の衝突でできたとみられる窪地に形成されていた。窪地の円形の形状が、砂丘を形成する砂の量や風向きに影響を及ぼし、風が渦を巻いてモールス符号の短点と長点のように見える砂丘が形成されたと思われる。
ただしNASAによると、そうした現象が起きた理由は今のところよく分かっていない。
惑星科学者のベロニカ・ブレイ氏は、火星の地表のモールス符号を英文に変換してハイテク情報サイトのギズモードで紹介した。その英文は以下のような内容だった。
NEE NED ZB 6TNN DEIBEDH SIEFI EBEEE SSIEI ESEE SEEE !!

2016.07.13 Wed posted at 12:28 JST

太陽系外縁に新たな準惑星を発見

太陽系外縁に新たな準惑星を発見 公転周期700年
*公転軌道のひときわ大きい準惑星「RR245」が新たに見つかった=OSSOS
(CNN) 太陽系の海王星より外側の領域を調べている天文学者らの国際チームが11日、「準惑星」に分類される新たな天体が見つかったと発表した。
カナダ・ビクトリア大学の天文学者、ミシェル・バニスター氏らのチームは太陽系外縁部起源調査(OSSOS)というプロジェクトの一環として、ハワイにあるカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡を使った観測に取り組んでいる。
新たに発見された準惑星は、「RR245」と名付けられた。明るさから推定される直径は約700キロと、地球の20分の1程度。公転軌道は非常に長く、太陽の周りを1周するのに700年かかるとみられる。

海王星軌道の外側に広がる氷やちりが集まった領域「カイパーベルト」には、約200個の準惑星があると考えられている。
しかし、これまでに準惑星に属することが確認されたのは、惑星から格下げとなった冥王星とケレス、ハウメア、マケマケ、エリスの計5個だけだった。
準惑星は惑星と同様、自身の重力によって球形となった天体だ。RR245の観測からは、こうした過程や太陽系の歴史を探るうえで興味深い情報を得られる可能性があるという。2016.07.12 Tue posted at 19:22 JST 

2016年7月1日金曜日

木星のオーロラ捉えた

木星のオーロラ捉えた! NASAハッブル宇宙望遠鏡
 
*ハッブル宇宙望遠鏡で捉えた木星のオーロラ(上の明るい部分)。オーロラの紫外線データと木星の可視光データを合成(NASA提供)
 米航空宇宙局(NASA)は、ハッブル宇宙望遠鏡で木星のオーロラを捉えた画像を公開した。NASAの木星探査機「ジュノー」が日本時間の5日午前に木星の周回軌道に入るのに合わせて観測した。
 木星の北極付近に強く光るオーロラを撮影。さらにオーロラの動きを捉えるため、5月ごろに約1カ月間、木星を観測し続けた。地球のオーロラより規模が大きいだけでなく、エネルギーも数百倍高かった。
 オーロラは、高エネルギーの粒子が惑星の北極や南極付近の大気に突入する際、原子とガスが衝突してできる。
 木星を周回する探査機は、1995年に到達したNASAの「ガリレオ」以来。約1年半、周回し、木星のガスの成分や内部構造、磁場などを調べる予定で、太陽系誕生の謎に迫る成果が期待されている。

 観測チームメンバーは「ジュノーの到達に合わせ、木星が花火大会を開いているようだ」とコメントしている。2016.7.1 19:21 産経